日刊労働通信社 | 恣意的な内閣支持率45%

恣意的な内閣支持率45%

コラム 政治


毎日に「本社世論調査」「集団的自衛権『反対』58%」「『説明不十分』8割」
「内閣支持、4ポイント減45%」が書かれている。


「毎日新聞は27、28両日、全国世論調査を実施した。
政府が近く集団的自衛権の行使を容認する方針となったことについて賛否を聞いたところ、
『反対』が58%で、『賛成』の32%を上回った。政府・与党の説明が『不十分だ』とする人は
81%で、『十分だ』とする人の11%を大きく上回った。
安倍内閣の支持率は前回の5月調査より4ポイント低い45%。
第2次安倍内閣発足以来、最低となった。
不支持率は35%で前回調査より2ポイント増え、これまでで最も高くなった。


集団的自衛権の賛否は前回の5月調査では反対が54%で賛成が39%。
政府は7月1日にも行使を容認する閣議決定を行う方針だが、
時期が近づくにつれ反対が増え、賛成が減っている。
政府は集団的自衛権の行使の範囲を『限定的』だと主張している。
これについて考え方を尋ねたところ、『そもそも行使すべきではない』が43%で最も多く、
『限定した内容にとどめるべきだ』が41%だった。
『全面的に行使すべきだ』は7%にとどまった。
行使に賛成の人のうちでも『限定にとどめるべきだ』と答えた人が74%に上り、『全面的』は
20%だった。
一方で、行使に反対の人のうち24%の人が『限定にとどめるべきだ』と答え、
『そもそも行使すべきではない』とした人は72%だった。


政府は『限定的』とするが、国連の集団安全保障に基づく武力行使への参加など
実際には武力行使の範囲は拡大する。
日本が直接攻撃を受けていない段階で武力行使に踏み切れば、
相互の武力行使のエスカレートにつながる危険もある。
行使に賛成の人の中でも、限定すべきだという意見が多数を占めるのは、
戦争への歯止めが利かなくなることへの懸念が強いことが背景にあるとみられる。
政府・与党の主張する限定の内容が歯止めとなりうるかが問われるが、
政府・与党の説明が『不十分だ』とする人は内閣支持層でも71%に上った。
集団的自衛権行使に賛成の人のなかでも67%が『不十分だ』と答えた。
また、集団的自衛権の行使容認を憲法改正ではなく、
憲法解釈の変更で対応しようとしていることについては反対が60%、
賛成が27%だった。
行使に賛成の人のうちでも28%が解釈変更の手法には反対だった。
解釈変更という手法に依然抵抗が強いことがうかがえる」。


朝日と同じく、毎日も、恣意的世論調査である。
内閣支持率が4ポイント減の45%、不支持率が2ポイント増の35%になったとしているが、
分からないが22%もあるからだ。
同時期の新報道2001の調査では、分からないが6・2%であり、
内閣支持率は51・2%、不支持率は42・8%である。


毎日調査は、分からない22%を精査せず、そのままに放置して、支持率下落を目論んだのである。
「集団的自衛権反対58%」によって、内閣支持率が4ポイント減の45%に急落した、
を狙ったのである。
問題は「集団的自衛権反対58%」自体が、恣意的であることだ。
読売・産経のように「限定容認」を聞いていないからである。
「限定容認」を聞けば、賛成が6割を超えるからである。

毎日の社是である「集団的自衛権行使容認反対」に民意を誘導しようとしたが、民意の大勢にならず、
7月1日に閣議決定となるのである。

編集 持田哲也

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