日刊労働通信社 | 決める政治、国民の理解は追いつくか

決める政治、国民の理解は追いつくか

コラム 政治

 

 

 

日経の「決める政治、死角はないか」㊤に、「ねじれ解消1年」「決めすぎる官邸」「人事・経
済動向次第で・・与党の不満噴出も」が書かれている。




第2次安倍政権の重要な政策課題が本格的な実行段階に入る。昨年参院選の与党圧勝で衆参両院
で多数派が異なるねじれ国会が解消されてから21日で丸1年。『決める政治』が進んでいるが、
首相官邸主導の政策決定には与党内の不満がくすぶる。原発再稼働や消費税率の再引き上げなど
の懸案を控える安倍政権に死角はないのかーー。


『今の法律の枠組みでもっと対応出来ないか」。今月中旬、菅義偉官房長官が声を荒げた。矛先
は、脱法ドラッグの違法指定の迅速化に慎重な厚生労働省の担当者に向かった。官邸の一声で、
通常は数カ月はかかる薬物の違法指定が10日で実現した。

公明党が最後まで慎重姿勢を崩さなかった集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定
も、官邸のほぼ意向通りに決着。6月に決めた成長戦略では、農協改革や労働規制の緩和、法人
税率の引き下げなど、先送りしてきた課題も前進している。6月に閉幕した通常国会の法案成立
案は97%に達した。『ねじれ国会では官房副長官が国会対策にあたったり、野党と水面下で接
触したりした。今は政策立案に集中出来る』。政府関係者はこう振り返る。


官邸の足元から課題も見えてきた。集団的自衛権の賛否を抱えていた自民党内で容認論が一気に
広がったのは2月末。首相が参院幹部を公邸に招き、通常国会閉幕後の内閣改造・自民党役員人
事の意向を明らかにしたときだ。『改造が終われば、人事カードの効力はなくなる』と与党幹部
は語る。人事の失敗や経済の悪化は首相の求心力低下に直結し、『官邸独走』への不満のマグマ
が噴き出す可能性をはらむ。


官邸サイドが与党以上に恐れているのが世論だ。与党推薦候補が敗れた13日の滋賀県知事選で
は、告示後にあった集団的自衛権の閣議決定を境に形成が逆転したとの見方が関係者の間にある。


『国民の理解が追いついていない』との与党内の懸念を裏づけた形だ。日本経済新聞の6月末の
世論調査では、内閣不支持率が36%と政権発足以来最高を記録した。他の7月調査では支持率
の低下も鮮明になっている。


『秋は査稼働も消費税もある。いったん目先を変えた方がいい』。今月上旬、首相周辺は、安倍
晋三首相に進言した。政府はここにきて地方重視の姿勢を打ち出し、安全保障関連法案の提出も
来年の通常国会に先送りする方向だ。経済運営や安保法制への政権批判をきっかけに、地方発の
逆風が一段と強まる展開を危惧しているためだ。


『原発の再稼働は国民に非常に身近な問題なので相当慎重に対応しないといけない』。首相周辺
によると、首相はこう漏らしていると言う。消費税の10%への再引き上げ判断についても政府
は有識者会議を立ち上げ、経済状況を注意深く見極める構えだ。『決める政治』の真価が試され
る」。




官邸の最大懸念は、安倍晋三首相の「決める政治」に、「国民の理解が追いついていない」こと
にある。新報道2001の7月17日調査で、46%で内閣支持率と不支持率が拮抗したことで
ある。7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定を、安倍支持層、自民支持層が理解せず、一
部が安倍離れ、自民離れを始めたからである。「国民の理解が追いつける」ようにするためには、
安倍支持層、自民支持層のコアの思想武装が急務となる。




編集 持田哲也





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