日刊労働通信社 | 内閣支持率60%、不支持率26%

内閣支持率60%、不支持率26%

コラム 政治

日経に「本社世論調査」「改造内閣支持60%」「11ポイント上昇、女性の登用『評価』58%
」が書かれている。

日本経済新聞社とテレビ東京は3日の内閣改造・自民党役員人事を受けて、緊急世論調査をした。
安倍内閣の支持率は60%と、8月下旬の前回調査を11ポイント上回った。不支持率は26%
で10ポイント低下した。女性閣僚を過去最多に並ぶ5人、自民党4役にも女性1人を起用した
ことは58%が評価した。

 

焦点だった自民党幹事長に前総裁の谷垣禎一氏を起用した人事は46%が評価した。一連の人事
の効果で、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した7月以降、50%を割り込んでいた内閣支持
率は大幅に回復した。

 

女性の内閣支持率は59%で前回から16ポイントと大幅に伸びた。男性の支持率は62%で6
ポイント上昇した。

 

改造内閣や自民党の新執行部の顔ぶれを『評価する』は40%で『評価しない』は22%。評価
する理由では『女性の登用が進んだ』が37%で最も多く、『安定感がある』の16%、『派閥
の意向にとらわれなかった』が14%で続いた。評価しない理由は『安倍首相に近い議員が数多
く起用された』の25%が最多で『能力主義で選ばれなかった』が19%などとなった。

 

政党支持率は自民党が44%で前回を7ポイント上回った。無党派層は38%で8ポイント低下
した。自民の支持率が無党派層を上回るのは5月以来だ。民主党は5%で横ばい。共産党は1ポ
イント上昇し4%。無党派層の1部が自民支持に移ったと見られる。

 

内閣を支持する理由(複数回答)は『安定感がある』が37%、次いで『指導力がある』が31%
。支持しない理由(同)は『政策が悪い』が34%、次いで『自民党中心の内閣だから』が33%
だった」。

 

内閣支持率が前回調査(8月下旬)より11ポイント増の60%に、不支持率が10ポイント減
の26%となったのは、女性の支持率が16ポイントも上昇して59%となったからである。男
性の支持率は6ポイント増の62%。

 

問題は、女性の支持率16ポイント急増の理由である。「閣僚・党幹部に女性6人の起用」を評
価する58%がそれである。安倍首相の「女性登用」の意思が女性の支持を得たのであり、集団
的自衛権行使容認の閣議決定によって離反した女性支持層が回帰してきたのである。この女性支
持層を定着化するためには、「平和と言う名の戦争」に対する思想武装が急務となるが。

 

毎日に「町村派・石破系に配慮」「副大臣・政務官、石原派は冷遇」が書かれている。

 

政府は4日の臨時閣議で、第2次安倍改造内閣の発足に伴う新たな副大臣・政務官人事を決めた。
3日の内閣改造と自民党役員人事で『推薦を蹴られた』と不満が出た安倍晋三首相の出身派閥、
町村派に副大臣・政務官計13人を配分し、石破茂地方創生担当相が派閥化を進める『無派閥連
絡会』には計5人。党内の各派・グループへの配慮が色濃い人事となったが、配分が少なかった
一部派閥からは不満も漏れた。

 

新たに決まった副大臣は25人(留任2人)、政務官は27人(留任1人)。女性の内訳は副大
臣3人、政務官4人の計7人で前回から1人増えた。公明党からは前回と同じ計6人で、同党初
となる防衛省の政務3役として、石川博崇参院議員が防衛政務官に起用された。東日本大震災か
らの復興を担う浜田昌良副復興相(公明党)と小泉進次郎復興政務官、広島市の土砂災害の復旧
を担当している西村康稔副内閣相はそれぞれ留任した。

 

菅義偉官房長官は記者会見で派閥の推薦は『考慮していない』と述べたが、閣僚や党4役で希望
がかなわなかった町村派は、副大臣・政務官でその分を配慮された形だ。幹部は『女性もちゃん
と政務官に入った』と満足げだ。西川公也農相が入閣し、4役に二階俊博総務会長が入った二階
派幹部も『90点だ』と語った。

 

谷垣禎一幹事長のグループは副大臣・政務官2人をおさえ、他派との『掛け持ち組』を含めれば、
計4人。石破氏が安全保障法制担当相を辞退したため、他の人事で冷遇されないか懸念していた
無派閥連絡会は『全員希望通り入った。党内融和だ』(幹部)と胸をなで下ろす。一方で、石原
伸晃会長が環境相を外れ、副大臣ゼロ・政務官1人にとどまった石原派は『我が派への敵対行為
だ』(ベテラン議員)と怨嗟の声を上げた」。

 

政府は4日に副大臣・政務官人事を決めたが、3日の内閣改造・党役人事で冷遇された派閥・グ
ループが厚遇され、党内融和となった。内閣支持率も、読売64%、日経60%と上昇し、残さ
れた待機組50人超の不平、不満は沈静化せざるを得ない

 

読売に「改造内閣支持上昇64%」「13ポイント増、女性登用『評価』67%」「本社緊急世
論調査」が書かれている。

 

読売新聞社は、第2次安倍改造内閣が発足した3日から4日にかけて緊急全国世論調査を実施し
た。安倍内閣の支持率は64%で、改造前の前回調査の51%(8月1~3日実施)から13ポ
イント上昇した。女性の閣僚への積極登用や主要閣僚、党役員人事で重厚な布陣としたことへの
評価が支持率を大きく押し上げたと見られる。支持率回復は、経済再生や安全保障法制の整備、
『地方創生』にとって追い風となりそうだ。

 

支持率が60%台を回復するのは今年5月の60%以来で、13ポイントもの上昇幅は、本社が
毎月の世論調査を始めた1978年3月以降の内閣改造直後としては最大となった。安倍内閣の
支持率は、2012年12月の内閣発足直後の65%から緩やかに上昇し、13年4月には最高
の74%に達した。しかし、集団的自衛権の行使を限定容認した閣議決定直後の今年7月には4
8%となった。

 

閣僚人事について聞くと、女性閣僚を過去最多に並ぶ5人に増やしたことを評価する人は67%
に上った。麻生財務相や岸田外相、菅官房長官ら主要閣僚の留任を『評価する』は62%だった。
石破地方創生相の起用を『評価する』は54%、小渕経済産業相の起用は『評価する』46%、
『評価しない』38%となった。自民党の役員人事では、谷垣幹事長の起用を評価する人は59%
に上った。

 

新内閣に最も優先して取り組んで欲しい課題は、『景気や雇用』が32%、『消費税などの税制
改革』『社会保障』が各22%、『外交や安全保障』11%、『エネルギー政策』10%となっ
た。安倍内閣の経済政策を『評価する』は53%(前回49%)と半数を超えたが、安倍内閣の
もとで景気回復を『実感していない』との回答は76%(同75%)を占めた。来年10月に消
費税率を予定通り10%に引き上げることに『賛成』は25%(同30%)、『反対』は72%
(同66%)だった。

 

集団的自衛権を限定的に使えるようになったことを『評価する』は43%(同41%)で、『評
価しない』48%(同51%)と拮抗した。政党支持率は自民党が46%で前回の38%から8
ポイント上昇した。民主党は7%、公明党、共産党は各3%などだった」。

 

第2次安倍改造内閣の支持率が前回調査(8月1~3日)より13ポイント増の64%となった
が、女性閣僚を2人から5人に増やしたことを「評価」する67%が押し上げたからである。特
に、女性の71%が評価しているが、である。事実、男性の内閣支持率は58%から8ポイント
増の66%に、女性の支持率は18ポイント増の63%となっている。集団的自衛権の行使を限
定容認する政府見解の決定直後に実施された7月の緊急世論調査で、内閣支持率は48%に急落
したが、その主因が女性支持率の13ポイント減の42%であった。その離反した女性支持層が
今回、回帰したのである。

 

問題は、集団的自衛権を限定的に使えるようになったことを「評価する」は2ポイント増の43%
に、「評価しない」は3ポイント減の48%となっていることである。今回、回帰した女性支持
層の大半が、依然、「限定容認」を「評価しない」ままであることだ。「平和と言う名の戦争」
にしてやられたままである。内閣支持、自民支持、公明支持の女性支持層の思想武装が急務とな
る。

 

編集 持田哲也

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