日刊労働通信社 | アメリカの本音

アメリカの本音

政治

産経の「あめりかノート」に古森義久・ワシントン駐在客員特派員が「米の本音『非は韓国にある』」を書いている。

「ワシントンでは北朝鮮の非核化をめぐる論議がまた一段と熱を帯びてきた。その過程では『日本』や『日米同盟』の重要性も意外と強調される。

7日の戦略国際問題研究所(CSIS)の集会で基調演説をした上院外交委の東アジア太平洋・国際サイバー安全保障政策小委員長、コーリー・ガードナー議員(共和党)も北朝鮮の非核化には『堅固な日米同盟』が不可欠だと繰り返した。同議員はトランプ大統領にも近く、北朝鮮の人権弾圧を非難し、日本の拉致問題解決への協力に積極的な若手政治家である。

ただ唯一、歯切れの悪かったのは日本と韓国のいまの衝突に触れない点だった。議会でも政権でも当事者であればあるほど、日韓対立の論評を避けるようなのだ。米国にとり日韓両国との絆はともに超重要だから、一方をあえて反発させないという計算だろう。

だが踏み込んでみると、トランプ政権内外では、いわゆる徴用工(正確には戦時労働者)、慰安婦、レーダー照射と、どの問題も非は韓国側にありとする判断が濃い実態が浮かんでくる。

そんな米側の本音を朝鮮半島情勢専門の大ベテランのラリー・ニクシュ氏が驚くほど率直に語ってくれた。同氏は米国議会調査局で朝鮮半島や東アジアの安全保障問題を30年間も担当し、現在はジョージ・ワシントン大教授やCSIS研究員という立場にある。

『韓国裁判所の戦時労働者に関する判決が日韓間の条約や協定に違反する形で履行されるのであれば、日本政府は世界貿易機関(WTO)に提訴し、韓国側が標的とする日本企業の資産の差し押さえや現金徴収をした場合に、その金額に等しい関税を韓国からの輸入品にかけることを宣言すべきです。日本国内からの韓国当事者たちの本国への送金に特別な税金をかけるという警告も一策です』

韓国が新日鉄住金や三菱重工業に実害を与えれば、日本政府は制裁あるいは報復としてその金額に等しい関税や特殊税を韓国側に課すべきだというのだ。非は韓国側にあるから、という前提だろう。言葉では非難しても行動はなにもとらない日本政府の態度とは対照的な提言だった。第三者の米国からみれば、この問題での黒白はそれほどはっきりしているということだろう。

ニクシュ氏の見解は慰安婦問題についても明快だった。

『慰安婦問題を終わりにするという2015年の日韓合意は米国政府も公式に支持した国際合意です。日本政府はその規定を厳守して、補償金などをすでに支払いました。その合意全体を破棄するという韓国政府の行動はどうみても正当化されません。日本はこの問題での再交渉や再協議には一切、応じるべきではない』

文在寅政権の措置は不当だと明言するのである。ニクシュ氏はこれまで日韓の対立では日本側の立場を支持しない場合も多かった。同じ慰安婦問題でも日本側の一部の主張には明確な反対を述べることもあった。そんな中立の米国専門家が今回は韓国の非を指摘することをためらわないのだ。日本政府にとっても有効な指針とすべき見解だろう」。

コラムの主旨である「米の本音『非は韓国にある』」は、正論である。「文在寅政権の非」は日米が共有するものとなっている。その理由は、文政権が親中の従北路線そのものであり、金正恩氏の代理人と化しているからである。在韓米軍撤退が金正恩氏の狙いである。

読売にスティーブン・バノン氏が「米民主と妥協余地なし」「追及かわせば大差再選も」を述べている。

「トランプ米大統領の選挙参謀を務めたスティーブン・バノン氏が6日、東京都内のホテルで読売新聞のインタビューに応じ、トランプ政権を取り巻く政治情勢を語った。以下は一問一答。

――トランプ政権は下院の過半数を制した野党・民主党と協調できるか。

下院はトランプ氏を攻撃するための兵器と化した。インフラ(社会基盤)整備関連予算を含め、妥協し合える余地はない。成立する法案はゼロになるだろう。

民主党が目指すのはトランプ氏の弾劾だ。今後5、6か月間にわたり、トランプ氏の事業や財務から家族のことまで徹底的に調べ上げる構えだ。今年は南北戦争以降の米政治史上で最も醜悪な年になる。

――大統領が国境の壁の建設費を捻出する手段として国家非常事態を宣言したことは正当化しうるか。

国境の現状は危機的であり、壁は必要だ。壁ですべてが解決するわけではないが、大きな効果がある。政治的にも、できることはすべて試したことを支持者に見せる必要がある。

――2020年大統領選の展望は。

トランプ氏はこの先、民主党の容赦ない追及を乗り切る必要がある。それができれば、前回より大差で再選を果たすだろう。民主党候補は皆、党指名争いで急進左派の支持を得るため左傾化している。トランプ氏はこれを大いに利用できる。彼らが一歩左へ寄るたびに、トランプ氏が獲得しうる中間層の幅は広がる。

トランプ氏は普通の現職候補ではない。次の選挙もアウトサイダーとして戦うだろう。

――モラー特別検察官のロシア疑惑捜査は政権にとってどれほどの打撃か。

2年近い徹底的な捜査でロシアとの共謀の証拠は出ていない。出てきたのは(トランプ氏側近の)ロジャー・ストーン被告が内部告発サイトにメールを送ったというだけだ。それを共謀とするのは無理がある。

――トランプ氏の就任後2年間で最大の成果は。

景気回復、失業率低下に加えて、中国が仕掛けてきた地球規模の経済戦争に立ち向かったことだ。貿易のみならず、技術移転の強制、知的財産権の窃取などあらゆる問題で根本的に対処しようとしている」。

モラー特別検察官のロシア疑惑捜査は、共謀証拠なしとなり、民主党のトランプ氏弾劾は不発に終わる。2020年大統領選は、民主党候補の左傾化により、中間層がトランプ支持となり、大差で再選となるが。

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