「南北改善 宙に浮く」「板門店会談1年」「非核化の道 先送りのツケ」

政治

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読売に「南北改善 宙に浮く」「板門店会談1年」「非核化の道 先送りのツケ」が書かれている。

「韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が軍事境界線上の板門店で初めて会談してから27日で1年を迎えた。南北関係の改善は初の米朝首脳会談実現につながったが、肝心の北朝鮮の非核化はいっこうに進まないままだ。米朝協議が行き詰まる中、南北関係も停滞を余儀なくされている。

<北の不満>

文氏は27日、板門店の韓国側で開かれた1周年の記念行事にビデオメッセージを寄せ、昨年の初会談で正恩氏と署名した『板門店宣言』が『一つ一つ履行されている』と胸を張った。だが、韓国側が出席を求めていた北朝鮮当局者の姿はなかった。

北朝鮮の対韓国窓口機関『祖国平和統一委員会』はこの日、1周年に合わせて発表した文書で南北関係の停滞に不満を表明し、『関係改善の雰囲気を続けるのか、破局へ向かっていた過去に戻るのかという重大な情勢』にあると韓国側をけん制した。

北朝鮮が重視するのは、韓国との経済協力で外貨を稼ぐ『開城工業団地』と『金剛山観光』の再開だ。実現には対北朝鮮制裁の緩和・解除が不可欠で、事実上は米国の承認が必要となるが、トランプ政権は非核化が実現するまで応じない方針だ。

<会談 物別れ>

板門店宣言では、『完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現する』ことを南北の共通目標と位置づけた。正恩氏が初めて文書で非核化を約束したことが、シンガポールでの初の米朝首脳会談を後押しし、共同声明で改めて『朝鮮半島の完全な非核化』を明記することにつながった。

だが、非核化の具体論を先送りにしたツケが、いま回ってきている。今年2月の2回目の米朝首脳会談で、北朝鮮側は寧辺の核施設廃棄と引き換えに主要な経済制裁を解除するよう迫り、核兵器の解体など抜本的な非核化措置を求める米国がこれに応じなかったことから会談は物別れに終わった。

<残り時間>

文氏は通算4度目となる南北首脳会談を早期に開き、正恩氏からさらなる非核化措置を引き出したい考えだが、正恩氏はこれを拒んだまま、今月25日にロシアのプーチン大統領と初めて会談した。制裁緩和に理解を示す中国・ロシアとの共闘を優先する方針とみられる。

来年の大統領選での再選をにらむトランプ大統領と、独裁体制を敷く正恩氏は、ともに相手の譲歩を待って長期戦に臨む構えを見せている。今年で任期5年の折り返しに入り、憲法で再選も認められていない文氏にとって、看板政策である南北関係改善に取り組むのに残された時間は多くない」。

板門店会談から27日で1年を迎えたが、南北関係改善は停滞したままである。2月の米朝首相会談が物別れとなり、金正恩委員長が希求した開城工業団地と金剛山開発の再開がとん挫したからである。問題は,文在寅大統領が金正恩氏とトランプ氏双方からの不信をかい、仲介役として失格との烙印を押されたことである。看板政策である南北関係改善停滞は国内での求心力失墜となるが。

             
③産経に「拉致解決 来年が山場」「対北で日米連携 五輪、大統領選控え」が書かれている。

「トランプ大統領が26日の安倍晋三首相との会談で、日朝首脳会談実現への全面協力を表明したことは、拉致問題解決に向けた追い風となる。ただ、日米両首脳が連携を強める背景には、双方とも2020年までに北朝鮮政策で一定の成果を出すことを求められる事情もあり、時間的猶予は限られている。

日本には東京五輪・パラリンピックが一つの節目となりそうだ。国際オリンピック委員会(IOC)と韓国、北朝鮮は2月、東京五輪の4競技での南北合同チーム結成に合意した。五輪憲章は国籍による差別を禁止しており、日本政府は大会関係者の入国などで政治的判断を迫られる。

日本は独自制裁で北朝鮮籍者の入国を原則禁止しているが、北朝鮮が五輪を『平和の祭典』だと訴え、揺さぶりをかけてくる可能性がある。拉致被害者家族の多くが高齢であることも解決を急ぐ大きな要因だ。

トランプ氏にとっては、来年の大統領再選が最大の目的となる。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は4月、米朝交渉の期限を『年末まで』と区切った。強硬姿勢を維持するトランプ氏だが、対北交渉が進展しないまま大統領選が近づけば、目先の成果を得ようとして非核化で妥協するとの懸念もくすぶる。

日本政府は今年、国連人権理事会に11年連続で提出してきた北朝鮮の人権侵害を非難する決議案提出を見送った。今年の外交青書からは、前年まで記載していた北朝鮮への『最大限の圧力』との表現も削除した。日朝首脳会談実現を目指し配慮する姿勢を隠さない。

一方、首相は26日の会談後、記者団に『朝鮮半島の非核化は日露共通の目標だ』と明言した。ロシアを含め北朝鮮の核保有は全ての国が容認しないとクギをさした形だ。

日本としては『米朝協議が進展しなければ拉致問題の解決は難しい』(政府関係者)のが実態だ。4回目のゴルフ、3カ月連続会談と、日米両首脳の信頼関係を最大限利用しつつ、どう主体的に動くか。拉致問題に長年取り組む首相の手腕が今こそ問われている。

≪北、対日交渉準備整わず≫

安倍晋三首相は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と『次は私が向き合う』と意欲を示したが、2月の米朝首脳会談の物別れ後、金正恩氏は、外交戦略の仕切り直しを迫られ、それどころではないのが実情のようだ。

金正恩氏と韓国の文在寅大統領が軍事境界線がある板門店で初会談してから1年に当たる27日、北朝鮮の祖国平和統一委員会は、会談が『(金正恩氏の)民族愛と決断の結実』だとする立場を発表した。米国が南北関係の進展を阻み、『戦争の危険が色濃く破局へと進んでいた過去に逆戻り』しかねないとも警告した。

それでも、米韓との対話路線を維持する北朝鮮は、文氏やトランプ氏への非難は避けている。その分、『安倍一味が(北)朝鮮敵視の妄動で得たのは、国際政治舞台での孤立という結果しかない』(朝鮮中央通信)などと、連日の安倍政権批判が目立っている。

韓国当局は、金正恩氏の側近で対外交渉を統括してきた金英哲党副委員長が最近、工作部門の党統一戦線部トップから外れたとみている。同部の金聖恵統一戦線策略室長も米朝会談の物別れを受けて問責されたと取り沙汰されている。金聖恵氏は、日本との水面下接触も担ってきたとされ、交渉ラインの仕切り直しで物理的に日朝交渉の本格稼働は難しいとみられている。

韓国は27日、板門店で南北首脳会談1周年を記念した公演などを開いたが、韓国からの通知に北朝鮮は返答さえしなかったという。
      
≪インド太平洋戦略実現へ歩調≫

トランプ米大統領は26日の日米首脳会談で、安倍晋三首相との『緊密な関係』   を改めて強調したのは、トランプ政権がインド太平洋地域での戦略的重要懸案に位置づける中国や北朝鮮への対応で、日本と歩調を合わせて連携していくことが不可欠であることを認識しているためだ。

『両首脳の間柄は世界でも指折りの良好さだ』

ハガティ駐日米大使は一部日本人記者団との会見でこう述べ、日米は貿易など経済分野での『深刻な問題』への対処を迫られている一方、中国や北朝鮮などの共通の懸案で『強固な信頼』に基づき共に前進できると強調した。

米政策研究機関『ヘリテージ財団』のライリー・ウォルターズ研究員も安倍首相について『世界各国の首脳の中でトランプ氏と最も仲が良い』と指摘する。

日米政府高官によると、トランプ氏と安倍首相は会談で、中国による反市場主義的な経済活動の是正や、東シナ海や南シナ海の係争地域の『軍事拠点化』の阻止に向け一緒に取り組んでいくことを確認した。

日米は、欧州諸国を巻き込んで南シナ海での『航行の自由作戦』などで中国の覇権的行動を牽制すると同時に、サイバー安全保障や知的財産権をめぐる中国の行動を是正するため世界貿易機関(WTO)ルールの改革を主導してきた。

トランプ政権からみて、『自由で開かれたインド太平洋構想』を実現させていく上で、日本は唯一無二のパートナーであるといえる」。

26日の日米首脳会談で、トランプ米大統領は日朝首脳会談実現への全面協力を表明したが、拉致家問題解決の山場は2020年となる。IOCと韓国、北朝鮮が2月東京五輪の4競技での南北合同チーム結成に合意しており、日本政府は北朝鮮関係者の入国での政治決断を迫られるからである。金正恩氏が米朝交渉の期限を年末で限定したこともその理由となる。

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