政治

「原発再稼働20基をもってベースロード電源に」

政治

120826d

産経の「主張」に「原発ゼロ法案」「これでは国が立ちゆかぬ」が書かれている。

「『亡国基本法案』と呼ぶしかないだろう。小泉純一郎、細川護熙両元首相が加わる民間団体が発表した『原発ゼロ・自然エネルギー基本法案』にはそうした印象を受ける。

直ちに全原発を廃止して、2050年までに太陽光や風力などの再生可能エネルギーに全面転換することを柱としている。そんなことが可能だろうか。

万歩譲って実行できたとしても、現出する社会は、この基本法案が目指す『平和と安全』から、ほど遠いものになるだろう。電力を生み出すエネルギー源には、中長期の需給や時々刻々の発電量調整の必要上、多様性が求められる。ベストミックスとして、原子力発電から各種の火力発電、水力発電などまでが組み合わされているのはそのためだ。

ゼロ原発・オール再生可能エネルギーは、夢想の虚論である。

小泉氏らの法案は、原発を『極めて危険かつ高コストで、国民に過大な負担を負わせる』負の存在と非難している。一方、太陽光や風力発電の高い電気代が年々、家計に重くのしかかっている事実には触れていない。

多くの原発の停止で、年間3・6兆~1・3兆円もの国富流出が止まらない。こうした不都合な現実からは目をそらすのか。

高度技術科社会で最も便利なエネルギーは電力だ。安価で安定した電力の確保は、国と文明の維持・発展に不可欠の条件である。日本が先の不幸な大戦を避けられなかった理由が、海外からの石油の封鎖にあったことを思い出すべきだろう。

途上国を中心に世界の人口は、これから増大の一途をたどる。生活水準の向上と人口増は、エネルギー需要の増加を意味する。

小泉氏らは、日本が資源に乏しい島国であることを完全に無視している。ドイツが脱原発を標榜できるのは、隣国のフランスから原発による電気の購入が可能であるからに他ならない。日本の原子力発電は、各原発の立地地域をはじめ再処理工場を抱える青森県の理解と、米国や英仏の協力の上に成立している。

原発の全面廃止や核燃料サイクル政策からの一方的な撤退は、築き上げた信頼関係を土足で踏みにじる行為に等しい。人々を安易な脱原発論に巻き込む法案は、国民の絆にも水を差す」。

主張の主旨である「これでは国が立ゆかぬ」は正論である。

今年は2014年に策定された「エネルギー基本計画」の改定年に当たるが原子力が重要なベースロード電源との位置付けに変わりはない。ベースロード電源とは、季節、天候、昼夜を問わず、一定の電力を安定的に低コストで供給できる電源のことを言うが、原子力発電、石炭火力発電、水力発電、地熱発電などが該当する。日本は2011年の3月の福島第1原発事故以降、多くの原発が停止したために火力発電が代替している現状である。

問題は、世界的温暖化対策の流れからして、CO2を排出する火力発電はベースロード電源になり得ないことである。原発ゼロ法案で提起している太陽光や風力なども、ベースロード電源ではない。世界的趨勢からしてベースロード電源は原子力発電しかないのである。それを全否定して、ベースロード電源の代替案が提起できていないのは、国が立ち行かぬとなるが。原発再稼働20基をもってベースロード電源にが、正論となる。

産経の「あめりかノート」に古森義久氏が「二階訪中と米中関係の相関」を書いている。

「米中関係が険悪となり、日米同盟が強化されると、自民党の二階俊博氏が北京に姿をみせる――。日米中の3国関係のうねりを長年、観察していると、こんなパターンがあることに気づく。

『風が吹けば桶屋がもうかる』といことわざのような、一見、奇妙な因果関係にみえるが、よく点検すると、きちんとした理屈が通っていることがわかる。

2000年5月、当時運輸相の二階氏は約5千人もの訪中団を率いて北京にやってきた。旅行や観光の業界を動員しての訪中だった。人民大会堂での式典では江沢民、胡錦濤の正副国家主席が登場して歓迎した。明らかに中国側の主導での友好行事だった。

そのころ中国総局長として北京に駐在していた私は、この訪中団歓迎の儀式を目前にみて、それまでの中国側の日本への冷たい態度が急変したことに最も驚いた。

米国の当時のクリントン政権は中国の台湾への軍事威嚇などを理由に対中姿勢を急速に硬化させていた。日本には日米共同のミサイル防衛構想を呼びかけ、同盟強化を進めていた。

多数の関係者に聞くと、中国指導部はそんな状況下では日米両国と同時に敵対を深めるのは不利だと判断して、日本へのかりそめの微笑をみせたのだという分析で一致していた。

15年5月には自民党総務会長の二階氏は約3千人の訪中団を連れて北京を訪れた。習近平国家主席とも親しく会談した。このときも中国はそれまで尖閣諸島や歴史認識で日本には厳しい行動をとっていた。だから二階訪中団への歓迎は唐突にみえた。

このころも米国は中国への姿勢を強硬にしていた。中国による南シナ海での無法の軍事拡張、東シナ海での威圧的な防空識別圏宣言などに対し、融和志向だったオバマ政権もついに反発し始めた。日米間で新たな防衛協力のための指針が採択されたばかりだった。日米同盟の画期的な強化だった。00年の米中関係や日米同盟の状況と酷似していたのである。

そして昨年12月、自民党幹事長の二階氏は公明党幹事長と北京詣でをした。習近平氏に歓迎され、現代版シルクロード経済圏構想『一帯一路』への日本の参加を熱烈に要請された。

注視すべきなのは、またまたこの時点でも米国のトランプ政権が新たな国家安全保障戦略で中国と対決する構えをみせ、日本との同盟の絆を強める姿勢を固めている点である。中国が日本との『友好』や『対話』の笛を吹き、日本を軟化させて、米国との歩調を崩させようと意図する要件が整っているわけだ。そのために中国の政策にはまず反対しない親中の有力者の二階氏に頼ることはごく自然にみえる。

中国のこうした融和作戦の危険は真の対日政策が決して変わっていない点にある。歴史を使っての『抗日』の名の下での反日政策、そして尖閣諸島周辺の日本領海に侵入を重ね、同諸島を軍事力ででも奪取しようとする侵略政策がその主体なのだ。二階氏は中国側に対して、そうした敵対性の強い対日政策への批判を述べることは今回もまたなかったようである」。

二階氏訪中と米中の相関性は事実であるが、二階氏は安倍晋三首相の3選支持であり、改憲に前向きである。二階氏は新中派であることは確かであるが、国益を守る矜持を持っている。同じ親中派の野中氏と違う点である。

産経の「新聞に喝!」に門田隆将・作家・ジャーナリストが「新聞は『現実』を見据えよ」を書いている。

「ジャーナリズムがフェイクニュースと印象操作に明け暮れた1年が終わり、新たな年が始まったことで、私はこれまでにも増して元日の社説に注目した。

さまざまな場で私は、現在が『左右対立の時代』ではなく、『観念論と現実論』との闘いの時代と評してきた。左と右、リベラルと保守――いまだにそんな古い価値基準にとらわれている人が多いことに、違和感を覚える。昨夏、読売がこの点について興味深い記事を掲載した。早稲田大学現代政治経済研究所との共同調査で、若者が、リベラルとは『自民党や日本維新の会』であり、保守とは『公明党や共産党』であるという認識を持っていることをリポートしたのだ(8月11日付)。

安倍政権がアベノミクスや“地球儀を俯瞰する外交”を展開し、日本維新の会が大阪都構想に挑戦するなど変革を目指しているのに対して、旧来の体質のままの公明党や共産党が『保守勢力である』という斬新な考えを持つ若者たちについて初めて言及したのだ。国内外のさまざまな現実に対応していこうという人々と、イデオロギーに固執して現実を見ようとしない理想論、すなわち観念に縛られた人々との意識の差について考えさせられる記事だった。

「安倍1強と野党の劣化」

政治

abe-08

東京の社説に「安倍1強と国会の劣化」が書かれている。

「安倍晋三氏が再び首相に就いて5年。このまま続投すれば歴代最長も視野に入りますが、眼前に広がるのは『安倍一強』がもたらした国会の惨状です。

国会は今年三回開かれました。1月召集の通常国会と、安倍首相が冒頭、衆院解散に踏み切った9月の臨時国会、衆院選後の11月に召集された特別国会です。会期は3国会を合わせて190日間。首相の政権復帰後、最も短い会期の年となりました。

野党側は通常国会閉会後、憲法53条に基づいて臨時国会を召集するよう求めていましたが、首相は3カ月間も放置し続け、招集した途端の冒頭解散です。

<野党の召集要求を放置>

野党側は『森友』『加計』両学校法人をめぐる問題と安倍首相らとの関りを追求しようとしていました。国会を開かなかったり、会期を短くした背景に、追及を避ける首相らの狙いがあったのかもしれませんが、召集要求の放置は憲法軽視にほかなりません。

『内閣の助言と承認』に基づいて天皇が国事行為を行うと定めた憲法7条に基づく衆院解散も、慣例化しているとはいえ『解散権の乱用』との批判が続いています。

衆院解散は、立法府を構成する国会議員の職を、行政府の内閣が一方的に奪う行為だからです。

内閣不信任決議の可決や信任決議案の否決という憲法の規定に基づくものでなければ、政府提出の予算案や重要法案が否決された場合や、国論が二分されて国民に判断を仰ぐ必要がある場合など、大方の国民が納得できる相当の理由が必要でしょう。

首相は国会議員から選ばれる必要があります。閣僚の過半数も同様です。政府は国会が決める法律や予算に従って行政権を行使します。国会は憲法上、内閣に優越するように見えます。何せ、国会は『国権の最高機関』ですから。

<下請け機関と化す与党>

国会議員の多くは政党所属ですから、この権力構図は気圧配置にならい『党高政低』と呼ばれ、長らく政権の座にあったかつての自民党では、これが当然でした。

しかし、この力関係は『政高党低』へと徐々に変化し、2012年の第二次安倍政権の発足以降、特に顕著になりました。

背景にあるのが平成に入ってからの政治改革です。自民一党支配下での疑獄事件を機に、政治腐敗をなくすには政治に緊張が必要だとして、政権交代可能な二大政党制を目指して衆院小選挙区制と、政党助成制度が導入されました。

政党・政策本位の制度への転換です。確かにこの制度の導入後、疑獄事件は鳴りを潜めました。

同時に、選挙での政党による公認と、政治資金の配分という政治家の政治生命を左右する権限が、首相を頂点とする政権中枢に過度に集まってしまいます。

首相やその周辺の機嫌を損ねるような言動をすれば、自らの政治生命が絶たれるかもしれない。そんな空気が政権与党、特に自民党議員の間にはびこっているからこそ『安倍一強』とされる政治状況が生まれ、増長するのでしょう。

首相は野党の主張に耳を貸そうとせず、謙虚な姿勢で、丁寧に説明すると言いながら、野党議員に対する国会答弁は尊大です。

特定秘密保護法や安全保障関連法、『共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法など国の将来を左右する重要法案では採決強行が繰り返されました。そこにあるのは首相官邸の意向を追認する下請け機関と化した与党の姿です。

極め付きは安倍首相の改憲発言です。歴代首相は憲法改正への言及を避けてきました。首相や閣僚らには憲法尊重・擁護義務があり首相による改憲発言は憲法に抵触しかねないからです。

今、自民党内で首相の改憲発言に、面と向かって異を唱える議員はほぼいません。いくら自民党が『改憲政党』だとしても、現行憲法を軽んじるような言動を、許してはいけないのではないか。

首相官邸の振る舞いに国会が注文をつけられない。それは立法、行政、司法が互いを監視し、均衡を図る三権分立の危機です。国会の劣化と言ってもいい。

<行政に「民主的統制」を>

主権者である国民が、その代表で構成する国会を通じて行政権力である内閣を民主的な統制の下に置く。これは権力を暴走させないための重要な仕組みであり、先の大戦の反省に基づくものです。

平成の政治改革が始まって20年以上がたちますが、そろそろ弊害にも目を向け、改善策を講じなければなりません。安倍政治がその必要性に気付かせてくれたのだとしたら、せめてもの救いです」。

社説の主旨である「安倍1強と国会の劣化」に異論がある。

「安倍1強と野党の劣化」が正論だからである。安倍晋三首相が、再び首相についてから丸5年が立ち、安倍1強が続いているが、国政選挙を5連勝したが故である。5年間で5回も国民の審判を仰いで国民の信を得たからである。衆参両院で与党で3分の2以上の議席を国民から与えられ、憲政史上初の改憲発議も可能となったのである。安倍1強をもたらしたのは、国民が3回の政権選択選挙で野党ではなく与党を選択したからである。

問題は、17年の政権選択選挙での野党の惨敗である。国民から野党は政権担当能力なしと見限られたからである。安倍晋三首相が国難突破解散としたのに対し、野党はもりかけ疑惑解散として、安倍首相批判に終始したからである。野党の劣化が顕著となった先の衆院選である。

産経の「平成29年政治回顧」㊦野党再編に「政権交代?『パンドラの箱』前原氏開けたが‥」「なお箱から出られぬ面々」が書かれている。

「野党にとって、今年は『パンドラの箱』を開けたともいえる。第一党の民進党が小池百合子東京都知事が率いた希望の党への合流を決断した結果、3つの政党に分裂するという大規模な再編が繰り広げられた。

ただ、その後もたらされた不毛で荒涼とした現状は、『政権交代可能な政治』(民進党の岡田克也元代表)とは程遠い。9月28日は、歴史的な日だったといえるかもしれない。

野党第一党が衆院選に一切の候補者を立てず、3日前に設立された新党に候補者の公認申請をするという奇策を、民進党は両院議員総会で粛々と了承したからだ。総会を終えて記者団に囲まれた安住淳元財務相の言葉を鮮明に記憶している。『この案に反対という人は全くいなかったです。わが党にしては珍しく<結束して頑張ろう>って…』

旧民主党時代を合わせれば約20年の歴史を持ち、政権を担った経験もある政党である。野党の盟主としての矜持のかけらもない意思決定に私は言葉を失った。ただし、裏を返せば『もはや民進党の看板では戦えない』という諦めの意識が、異論の余地もないほど党内で共有されていたということなのだろう。

実際、小池氏が希望の党の設立を表明する前の9月中旬ごろから、民進党の前原誠司代表(当時)は合流構想をひそかに温めていた。衆院解散が濃厚になり始めた9月17日、前原氏に電話をかけた玄葉光一郎元外相は『小池新党』への合流を訴え、『このまま衆院選に突っ込んでも惨敗するだけ』と説いた。すると、前原氏氏はこう言葉を返した。

『奇遇だね。全く同じことを考えていた』

しかし、前原氏の構想が正確に漏れ伝わることはなく、『自由党との合流案』などの虚々実々の情報が永田町を飛び交った。9月26日、この案の真偽を党幹部からただされた前原氏は、どっしりした声で応じた。

『そんな小さなことは考えていないよ』

前原氏は翌27日、党代表選で戦った枝野幸男代表代行(現立憲民主党代表)と会い、初めて構想を明かした。ただでさえ野党再編には否定的な枝野氏が、新党に丸ごと合流するような案をのむはずもなかった。

枝野氏『賛成できない。ただし邪魔はしない』
前原氏『<邪魔はしない>ではなく、協力してほしい』
枝野氏『それには<はい>とはいえない』
   
枝野氏は約束通り、28日の総会で異論は唱えず、衆院選に無所属で出馬する意向を固め始めていた。地元の埼玉5区に強固な地盤を持つ枝野氏にとって、無所属当選のハードルはそれほど高いものではなかった。

初めて枝野氏が『新党結成』という選択肢を意識したのは、総会の翌日の29日だった。JR土呂駅(さいたま市北区)西口で朝のつじ立ちをしている最中、説明しがたい違和感を覚えた。通勤客らが、マイクを握る枝野氏に関心を示すことなく通り過ぎていくのだ。

『今の政治の流れに疑問を持つ人は相当な比率でいる。何らかの地殻変動が起こりかけている』

初当選以来24年間、駅頭活動という『定点観測』を続けてきたと自負する枝野氏は、直感で察知した。

その読みは的中した。衆院選公示が約1週間後に迫った10月2日に枝野氏が結党表明した立民は、今回の衆院選の台風の目となった。多くの人々が立ち止まり、演説に耳を傾け、熱狂的な声援を送る様子が全国各地で見られた。

結果、立民は追加公認も含めて55議席を獲得し、野党第一党へと躍り出た。公示前の16議席から実に3倍以上である。対照的に、一時は大幅な躍進も予想された希望の党は、候補者235人に対し50議席にとどまった。

衆院選を経て、かつての民進党は、立民と希望の党、そして参院議員を中心とする民進党という3つの党に分散した。

民進党最大の支持団体である連合は、推薦議員が3党に離散する事態に直面した。12月21日の中央執行委員会でまとめた衆院選総括では、今後の政党支持に関して明示を避け『政党の枠に縛られない新たな枠組みについて検討を進める』との記述にとどめた。当面は3党との距離感の模索が続く。

一方、民進党は他の2党に対して衆参での統一会派結成を呼びかけているが、展望が開ける気配はない。立民は、希望の党を含む枠組みでの会派結成を明確に拒否している。理念や政策の違いから袂を分かった希望の党との連携は、野合批判を免れないからだ。

とはいえ、民進党は希望の党とだけ先行して協議に臨むこともできずにいる。衆院選で民進党出身者の「排除」「選別」を行った希望の党に対する党内の忌避感は根強く、不満をくすぶらせている『離党予備軍』の背中を後押ししかねないからだ。杉尾秀哉参院議員のように『希望とだけ統一会派を組むなら、そのときは離党する」と公言する議員もいる。

そもそも、統一会派構想をめぐる一連の動きには、自民党に対抗できる勢力の構築を真摯に模索する姿勢はみじんも感じられない。『3党の枠組みにして<希望アレルギー>を中和したい』(民進党幹部)という試みは弥縫策でしかない。

歴史的な野党再編を経験した後も、旧民主党時代から続くその場しのぎの『決められない政治』に終始している現状に、多くの国民は冷ややかな視線を注いでいる。

『政権を狙わない政党はネズミを捕らないネコと同じだ』

民進党の源流の一つである民社党の初代委員長・西尾末広は生前、こう語っていたと伝わる。衆院選後も内向きのドタバタ劇を続ける野党の姿は、政権奪取とは正反対の方向へ突き進んでいるようにしか映らない。泉下で慨嘆する西尾の声が聞こえてくるようだ」。

「政権を狙わない政党はネズミを捕らないネコと同じだ」は、正鵠を突いている。立憲民主党、希望の党、民進党がそれである。政権を狙うなら3党合流が不可避なのに、野合との批判を恐れてである。展望見えずである。

③毎日に「知事選・辺野古に直結」「名護市長選 告示まで1カ月」「2陣営前哨戦激化」が書かれている。

「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画の是非が争点となる名護市長選(来年2月4日投開票)の告示まで28日で1カ月となった。選挙戦は、辺野古移設に反対する翁長雄志知事が支援する現職の稲嶺進氏(72)と、移設を推進する政府・自民に加え、前回は自主投票だった公明も推す元自民系市議の渡具知武豊氏(56)との一騎打ちとなる見通しだ。選挙結果は来秋の知事選や移設計画の行方に大きな影響を及ぼすことになる。   

28日、名護市内で公明県本部から推薦状が渡されると、渡具知氏ら自民関係者   安堵の表情を浮かべた。市内の公明票は1500~2000票ともされ、前回約4  000票差で敗れた自民にとり公明推薦は勝利に向けた『絶対条件』だった。  

辺野古移設反対を前面に打ち出す稲嶺氏に対し、渡具知氏は移設の是非には言及せずに子育てや教育支援の充実を強調。同日の政策発表の記者会見でも移設に関しては『(沖縄県と政府が係争中の)裁判を注視していく』と述べただけだった。

移設計画浮上後、辺野古移設の是非が争点となる市長選は今回で6回目。前回は政府・与党側の候補がこれまでになく移設推進を鮮明にした結果、県レベルでは辺野古移設反対の立場を取る公明の票などが取り込めずに敗れたとされる。

自民系市議会会派の会長も務めた渡具知氏は移設を容認してきたが、出馬表明以降は持論を封印。自民側と公明側が調整を続けた結果、『辺野古』に触れずに、在沖縄海兵隊の県外・国外移転を渡具知氏の政策に盛り込むことで合意にこぎつけた。

自民関係者は『2期8年の稲嶺市政で市民には閉塞感がある。生活に密着した問題を訴え、移設は争点にしない』と解説する。

これに対し稲嶺氏を支持する市議は『米海兵隊の県外、国外移転を求めるならば、辺野古移設は不要だ。論理破綻していて市民はごまかせない』と指摘。だが、批判は強い危機感の裏返しでもあり、公明の『参戦』を受けて照屋寛徳衆院議員(沖縄2区、社民)は『4年前と状況が全く違う。勝てると思ったらうっちゃりを食らう』と警戒する。

『名護市長選は全力投球で支援する』。移設反対の翁長知事は21日、報道各社のインタビューで語った。

翁長知事を支える『オール沖縄』勢力は全県レベルの国政選挙で連勝しているが、県内市長選は今年に入って政府寄りの保守系候補に3連敗。4月に政府が辺野古の埋め立て作業に着手したが、翁長知事は阻止する有効な対抗策を打ち出せていない。支持者からいらだちの声も上がり、知事の求心力は揺らいでいる。

その状況下で迎える名護の戦い。『民意』を力の源泉にした政府と対峙してきた翁長知事は、名護市長選勝利で『民意』をつなぎとめ、知事選に向けて反転攻勢につなげる戦略を描く。だが、敗れれば移設反対派には大打撃で、知事側近は『名護は(移設問題の)地元中の地元。知事の再選は厳しくなる』と語る。

≪予算減額、圧力強める政府≫

普天間飛行場の名護市辺野古への移設は2018年中に護岸工事から本格的な埋め立て工事に移行する可能性がある。こうしたなか、政府は名護市長選と来秋の知事選で勝利し、歴代内閣ができなかった普天間返還を実現するための環境を整えたい考えだ。

菅義偉官房長官は29日、名護市を訪問する。道路整備の進捗状況を視察し、辺野古の地元区長らと面会する予定だ。地元経済の振興に対する政府の積極姿勢をアピールし、辺野古移設への理解につなげたい考えだ。安倍晋三首相は27日、首相官邸で自民党の山口泰明組織運動本部長に対し、名護市長選について『しっかりやってくれ』と指示した。

政府は名護市の稲嶺進市長の後ろ盾となっている翁長雄志知事への対抗姿勢を強めている。22日に閣議決定した18年度予算案では沖縄振興費を前年より140億円減額。振興費のうち沖縄県にとって使途の自由度が高い『一括交付金』を171億円減額し、国直轄事業の比重を高めた。政府の影響力を改めて示すとともに『辺野古反対は沖縄振興にマイナス』(政府関係者)と印象付ける狙いだ。

名護市長選直後の2月上旬には防衛省による辺野古の埋め立て工事の入札が予定されている。政府は現在進行中の埋め立て予定海域を囲む護岸工事を来春にも終え、直ちに埋め立て工事に入りたい考えだ。

ただ、現場海域から環境省指定の絶滅危惧種のサンゴを移植する作業は10月に沖縄県に許可申請したものの、回答までの標準的な期間とされる45日間を過ぎても県から許可が下りていない。政府は移設実現を確実にするためには、知事選での自民党系の勝利が必要と受け止めている」。

来年2月4日投開票の名護市長選は、元自民系市議の渡具知武豊氏に公明推薦がおり、稲嶺市長とは大接戦が予想される。前回市長選は、自民候補に4000票の差をつけて稲嶺氏が勝ったが、公明票2000が回ったからである。その2000票が今回は渡具知氏に回るからイーブンとなる。先の衆院選で自民党は沖縄4小選挙区のうち4区を奪還しており、流れは自民党にとなっている。

「危ういのは中国の覇権主義」

政治

none

朝日の社説に「米の安保戦略」「『力の平和』の危うさ」が書かれている。

「ひたすら武力にものを言わせて米国最優先をうたい、経済的な損得に執拗にこだわる-―。トランプ大統領のそんな考え方をくっきり映している。

米政府が発表した『国家安全保障戦略』である。政権発足から1年近くを経てまとめた基本指針だが、きわだつのはオバマ前政権からの転換だ。

戦略4本柱のうち、前政権で『価値観』と題された章は『力による平和の維持』へ、『世界秩序』は『米国の影響力強化』へと、置き換えられた。

『核兵器のない世界』という目標は消えた。代わりに、核兵器を『平和と安定を守るための戦略の基礎』と高く位置づけ、近代化をうたっている。

米国をおびやかす中国とロシアとの『競合』に勝つための、現実主義だという。その文面からぬぐえないのは、相も変わらぬ思慮不足と独善である。

確かに近年の中ロには、既存の秩序に挑むような行動がめだつ。しかしだからといって、両国を国際的な協調枠組みに引き込む努力が『ほとんど誤りという結果に終わった』と切り捨てるのは短絡に過ぎる。

北朝鮮とイラン問題も含め、この20年間に歴代米政権が積み上げた外交には、失敗もあれば継続すべき点もある。最大の過ちであるイラク戦争の教訓は、国際社会の足並みからはずれた単独行動は米国と世界に甚大な禍根を残すということだ。

ところが今回は、核なき世界とともに、地球温暖化対策も消えた。古典的な大国間の争いに腐心し、人類が新たに認識した脅威には背を向ける。そんな思考は、時代感覚が疑われる。

もはや米国の一人勝ちを実現できる世界ではない。温暖化問題やテロの拡散を含め、各国が一致して取りくまねば解決できない問題が山積している。

トランプ氏は『米国第一』と国際連携は両立できると語る。だが実際にはこの1年弱、自由貿易枠組みからの離脱や、イラン合意への一方的な批判など、多国間の熟議にもとづく約束や合意の軽視を続けてきた。

米国の影響力をそぎ、安保環境を損ねるのはまさに、そんな振るまいだ。米国であれ中ロであれ、どの国の繁栄も、世界の安定と発展の上にしかあり得ない。それが21世紀の現実だ。

米国が力を結集する闘いに、同盟国は貢献せよと、安保戦略は求めている。しかし日本の役割は、『力の平和』に加担し、軍拡になびくことではない。軍事偏重が招く過ちの重大さと、国際協調の今日的な意義をしっかりと強く説くことである」。

社説の主旨である「『力の平和』の危うさ」に異論がある。中国の覇権主義ありきである。米国主導の国際秩序への挑戦である。世界の警察官として「力による平和の維持」へのオバマ前政権からの転換は正論であるからだ。

問題は、中国の覇権主義ありきが、どこに拠っているか、である。中国共産党の祖である毛沢東の「銃口より政権を」に拠っていることである。中国こそが軍国主義そのものであり、戦争勢力なのである。最も危うい国は中国なのである。にもかかわらず朝日はトランプ米政権が危いという。朝日は中国共産党主導の「平和と言う名の戦争」の走狗であると言わざるを得ない。

日経に「中ロ 米に出方見極め」「安保戦略警戒・対立は望まず」「中国『協力が選択肢』」が書かれている。

「トランプ米大統領が発表した『国家安全保障戦略』で中国やロシアを競合国に位置づけたことを受け、両国からは警戒や批判が相次いだ。中国政府は19日、『協力こそが米中の唯一の選択肢だ』と反論。トランプ政権の対中姿勢の硬化にクギを刺した。ただ、中ロ当局は米国との決定的な関係悪化望んでおらず、米の出方を慎重に見極めようとする意向もにじんでいる。

中国外務省の華春瑩副報道局長は同日の記者会見で『中国の意図を故意にねじ曲げるのをやめるよう、米国に求める』と強調した。米国が中国について、米国の価値観に反する世界の構築を目指す『修正主義勢力』と表現したことを批判し、中国は現行の国際秩序の維持に貢献していると主張。『中米両国は世界の平和安定維持やグローバルな経済成長に広範な共通利益がある』と訴えた。

中国国営の新華社通信が配信した論評記事は『他国に<競合国>のレッテルを貼るのは事実に反するだけでなく、各国の安全が密接に関わるグローバル化時代の趨勢に逆行する』と指摘。トランプ政権によるエルサレムのイスラエル首都認定やイラン核合意の不履行宣言に触れて、『多くの行為が世界各地の情勢の緊迫化をもたらし、国際社会の疑念と批判を招いている』とした。

習近平(シー・ジンピン)指導部は対米関係について、お互いの立場の違いを尊重し、対抗せずに協力すべきだと主張してきた。2017年に実現した両国首脳の相互訪問によって関係を安定させたと位置づけているだけに、トランプ大統領の対中政策の転換への警戒感が強い。『米国第一』主義に批判の矛先を向けたのは、中国の主張の正当性を訴えつつ、対中姿勢を硬化させないようクギを刺したと言える。

華氏は『中国は自国の正当な権益を決して放棄することはない』とも述べた。米国が求める南シナ海での軍事拠点化の中止には応じないとの意思表明だ。

北朝鮮の核・ミサイル問題を巡っても、中国は原油供給停止など米国が求める強硬措置には応じていない。協力関係を訴える一方、安全保障面では明確な溝があるのも確かだ。米国の国家安保戦略は、隠しきれない立場の違いが表面化しただけとも言え、米中間は今後も摩擦を抱えながら共存を探ることになる。

一方、ロシアのぺスコフ大統領報道官は19日、米国の『国家安全保障戦略』について『帝国主義的な性格がある。米国は一国支配にこだわっている』と警戒感を示した。ロシア下院のスルツキー外交委員長も『米国の覇権の復活と、(米国による)一極支配の世界の構築を目指したものだ』と批判。『ロシアは西側諸国に内政干渉したと、再び証拠なしに非難されている』と訴えた。

ただ、ぺスコフ氏は『米国民にとって有益な分野ではロシアと連携する準備があると積極的な言及もあった』と評価。『これはプーチン大統領と全く同じ意見だ』と述べ、米国との協議の可能性を示唆した。インタファクス通信によるとロシア外務省のウリヤノフ不拡散・軍縮局長も『オバマ政権路線を継続した』と述べ、トランプ政権下で核戦略などに大きな変化は予想しないとの見方を示した。

ロシア政府内では、トランプ氏との協力を探る考えがなお強い。プーチン氏は14日の年次記者会見でロシアを口実にした米国の軍事力拡大に懸念を示したが、『軍拡競争には加わらない』と明言した。

今回の安保戦略と、トランプ氏のこれまでの発言には相違点もあり、中ロには今後の米国の出方を見極めようとの冷静な姿勢も目立っている。

≪日本「応分の負担」に懸念≫

日本政府は強い米国のアジア関与を歓迎する一方、同盟国に求められる『応分の負担』には懸念がある。

小野寺五典防衛相は19日の記者会見で『米国の安保戦略と、日本政府の認識はある程度一致している』と指摘した。核・ミサイルの開発を続ける北朝鮮に加え、南シナ海や東シナ海で海洋進出を探る中国を『競争勢力』と位置づけた点が念頭にある。河野太郎外相も会見で『国際秩序を守っていくため、米国がリーダーシップを発揮するものだ』と評価した。

安保戦略は同盟国に安心を与える一方で、役割増を求められる可能性もある。日本は集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法を成立させ、自衛隊と米軍の運用一本化が進む。米軍の戦闘行動の支援拡大を強いられるリスクは否めない。装備面の負担拡大も必至だ。トランプ米大統領は日本に米国製の防衛装備品の購入拡大を促している。

≪専門家の見方≫

<対中経済対策を強化へ>メレディス・サンプター米ユーラシア・グループ・ディレクター(アジア担当)

国家安全保障戦略の発表を受け、今後数週間から数か月の間に米国経済の競争力を守るための中国を対象にした政策が打ち出されるだろう。米通商法301条に基づく調査や、更なる行動も含まれる。

中国は緊張関係を和らげようとし、習近平国家主席とトランプ大統領のつながりを通じて米国の行動を制御しようとするだろう。だが最終的な中国の反応は米国の挑戦に応じて調整され、米国が交渉の席に着くように仕向けるとみられる。

<前政権からの転換明確>ダニエル・デービス米ディフェンス・プライオリティーズ上級研究員

国家安全保障戦略を発表したこと自体は評価できる。オバマ前政権は公表しない年が多かった。『力による平和』を掲げ、軍事力の増強を前面に押し出しており、ブッシュ(子)政権の戦略と共通点がある。外交や対話を重視した前政権からの路線転換は明確だ。

戦略は国際的な協力についても言及しているが、中国やロシアを米国に挑戦する『修正主義勢力』と名指しするなど、全体に攻撃的なトーンが強い。国際社会に向け、より外交を重視する現実的な姿勢を示すべきだ。

<同盟国・日本強く意識>前嶋和弘・上智大学教授(米国現代政治)

トランプ氏が従来から主張していたことを分かりやすくまとめており、大きな驚きはなかった。切迫感を感じている北朝鮮やイランに対してはかなり厳しい言葉を用いていた。演説は短く、プロンプターを見ながら落ち着いて話していた印象を受けた。

オバマ前大統領2015年2月に発表した前回の戦略を意識的に否定していた点も目立った。トランプ氏は『米国第一』で、経済面の成果を誇る自画自賛が盛り込まれた。日本は確実に計算できる同盟国の中心的な存在であると位置づけられていた」。

トランプ政権が18日、「国家安全保障戦略」を発表したが、具体策として、数週間の間に、対中国への米通商法301条に基づく経済制裁が打ち出されることになる。対米貿易黒字4300億ドルの削減を、である。米中通商戦争の始まりである。

毎日の「点検安倍政治5年②」に「官邸支配 沈む霞が関」が書かれている。

<無視できぬ意向>

今月4日、財務省幹部が首相官邸を訪れ、年収800万円超の会社員を『高所得者』として所得増税する税制改革案を、安倍晋三首相や菅義偉官房長官に説明した。同省は与党に根回しを済ませ、2018年度与党税制改正大綱に反映される手はずになっていた。

しかし、それを聞きつけた今井尚哉首相秘書官が財務省に異論を唱えた。『高所得というのは1000万円超だろう』。過度の増税を渋る菅氏らの意向も踏まえた発言だった。

同省は無視できず、増税の線引きは『年収850万円超』へ上方修正された。官邸支配と霞が関の地盤沈下を象徴する一幕だった。

12年末の第2次安倍内閣発足以降、首相は官邸機能の強化を図ってきた。縦割り行政と省庁対立を排し、政策決定権を官邸に集中して迅速に実現させる狙いがあった。

その代表例の一つが14年に発足した国家安全保障局だ。外務・防衛・警察など各省庁からエース級を集めた外交政策の司令塔。『省庁間の連略調整が各段にスムーズになった』と同局幹部らは口をそろえる。集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制の策定も、同局が主導した。

官邸の権限が増せば霞が関の存在感は当然低下する。首相は今年5月、中国での国際会議に側近の今井氏を派遣し、現代版シルクロード経済圏構想『一帯一路』に協力する考えを中国側に伝達。外務省内の慎重論を押し切り、6月にこの方針を表明した。

<人事権におびえ>

もう一つ、安倍政権の打った官僚支配の手段が、14年に設置された内閣人事局だ。官邸が省庁幹部人事を管理し、霞が関の慣行を次々に破った。今夏も、菅氏の秘書官だった財務官僚が事務次官コースの財務省官房長に、今井氏付きの内閣副参事官が首相秘書官に抜てきされている。

同局の設置はもともと、08年の福田政権下で成立した国家公務員制度改革基本法に明記されたものだ。官邸が人事ににらみを利かせて『省益優先』の官僚を抑え、政権の方針を円滑に進めるのが本来の趣旨だった。

ところが、かつて省庁を後押しした族議員が5年に及ぶ『安倍1強』下で沈黙。さらに人事による生殺与奪も限られた霞が関には、『官邸に嫌われたら出世できない』というおびえとそんたくがはびこった。そのひずみが今年、いわゆる『もり・かけ』問題として噴き出した。

森友学園への国有地値引き問題で、『資料は破棄した』『価格を(事前に)提示していない』と国会で強弁した財務省の佐川宣寿・前理財局長が、7月に国税庁長官に就任。公の場を避けるようになった佐川氏を、首相は『適材』と断言した。

加計学園の獣医学部新設を巡っては、文部科学省の内部文書が次々発見されたが、官邸や内閣府は『記憶』を根拠に文書を否定。その不自然さが批判を浴びた。ある省庁幹部は『官邸にモノが言えない組織に成り下がった』と嘆く。ただ、過度に忠誠を示す官僚の努力はかえって政権不信を招き、首相の足元を落ち着かなくさせている」。

森友学園問題は、財務省のチョンボであり、加計学園問題は、前文部事務次官の造反である、いずれも首相の関与はゼロのフェイクニュースである。安倍1強による官邸支配は続くが。

「『国難』はファクト、『もりかけ疑惑』はフェクト」

政治

国会

朝日の社説に「国会軽視再び」「国難をなぜ論じない」が書かれている。

「勝てば官軍ということか。政府・自民党は、首相指名選挙を行う特別国会を11月1日~8日に開いた後、臨時国会は開かない方向で調整を始めた。

憲法53条に基づき、野党が臨時国会を要求してから4カ月。安倍政権は今回もまた、本格審議を逃れようとしている。

衆院選の大勝後、首相や閣僚が口々に誓った『謙虚』はどうなったのか。巨大与党のおごりが早速、頭をもたげている。

国会を軽んじる安倍政権の姿勢は、歴代政権でも際立つ。通常国会の1月召集が定着した1992年以降、秋の臨時国会がなかったのは、小泉政権の2005年と安倍政権の15年だけだ。ただ05年は特別国会が9月~11月に開かれ、所信表明演説や予算委員会も行われた。

安倍政権は15年秋も、野党の臨時国会召集要求に応じなかった。閣僚らのスキャンダルが相次いだことが背景にあった。

今回は野党の要求があれば、予算委員会の閉会中審査には応じる考えという。だが、わずか1日か2日の審査では議論を深めようにも限界がある。

審議すべきは森友・加計問題だけではない。首相みずから『国難』と強調した北朝鮮情勢や消費増税の使途変更についても、国会で論じあうことが欠かせない。

だが臨時国会がなくなれば、6月に通常国会を閉じて年明けまで約半年も、本格論戦が行われないことになる。言論の府の存在が問われる異常事態だ。

ここは野党の出番である。だが、その野党が心もとない。

民進党は四分五裂し、立憲民主党は55年体制以降、獲得議席が最少の野党第1党だ。それでも、安倍政権の憲法無視をこのまま見過ごすことは、あってはならない。

同党の枝野幸男代表は『永田町の数合わせに我々もコミットしていると誤解されれば、今回頂いた期待はあっという間にどこかにいってしまう』と述べ、野党再編論に距離を置く。

それはその通りだろう。ただ民主主義や立憲主義が問われるこの局面では、臨時国会を求める一点で野党は連携すべきだ。

自民党は野党時代の2012年、要求後20日以内の臨時国会召集を義務づける改憲草案をまとめた。それにならって、今度は『20日以内』の期限を付けて改めて要求してはどうか。

『憲法というルールに基づいて権力を使う。まっとうな政治を取り戻す』。枝野氏は衆院選でそう訴えた。その約束を果たすためにも、野党協力への指導力を期待する」。

社説の主旨である「『国難』をなぜ論じない」に異論がある。

朝日・野党の論理からすれば「『森友・加計問題』をなぜ論じない」と書くべきだからである。事実、朝日・野党は今回の解散・総選挙を「もりかけ疑惑隠し解散」と命名し、安倍晋三首相の「国難突破解散」に対峙したからである。その結果は与党が313議席で3分の2を超え、改憲勢力で定数の8割となる圧勝となった。野党第1党の民進党は四分五裂し、立憲民主党は55議席で55年体制移行最小の野党第1党となった。「もりかけ疑惑隠し解散」の大敗である。

問題は、有権者が投票の際に、朝日・野党の言う「もりかけ疑惑」より、安倍晋三首相の言う「国難」を最優先したということである。事実NHKの出口調査で何を重視したかで、消費税率の引き上げ対応29%、憲法改正への対応23%、北朝鮮問題への対応16%、森友・加計学園問題8%、原発対応7%となっている。憲法・北朝鮮を国難とすれば39%となり、もりかけ8%の5倍となるが。有権者において、もりかけ疑惑は既に終わったものとの認識である。有権者は、国難よりも、もりかけ疑惑を追及する朝日・野党に不信感を持ったのである。国難はファクトなのに、もりかけ疑惑はフェクトではないかと。

産経の「正論」に百地章・日大名誉教授が「主権者に改憲の機会を与えよ」を書いている。

「総選挙の結果、衆議院では改憲に前向きの勢力が全体の8割を占めることになった。自民党は公約の中に『憲法改正』を大きく掲げて戦い、大勝したわけである。これは戦後政治史上初めての快挙であり、安倍晋三首相の下、自民党は自信をもって憲法改正を願う国民の期待に応え、速やかに改憲に着手すべきだ。

<発議を怠けるのは許されない>

憲法改正の最終決定権は主権者国民にあり、その是非を問う国民投票は、主権者国民に与えられた極めて重い権利である。にもかかわらず、これまで国会が一度も憲法改正の発議をしなかったため、国民はこの権利を行使したくても行使することができなかった。国の将来が問われている今、国会には主権行使の機会を国民に保障する責務があり、これ以上改憲の発議をサボタージュし続けることは許されない。

問題はどこから改正に着手すべきかである。自民党の公約では『自衛隊の明記』『緊急事態条項』『教育の無償化』そして『参議院の合区解消』が挙げられていたが、①国の根幹にかかわる課題で、②国家的な緊急性を有すること、しかも③国会で3分の2以上、国民投票で過半数の賛成が得られそうなテーマ、が優先されるべきである。となれば、真っ先にあげられるのは『自衛隊の明記』や『緊急事態条項』であろう。

『自衛隊の明記』については、自民党の当選者の75%が賛成しており(毎日、10月24日)、優先課題にふさわしいと思われる。

北朝鮮による核や弾道ミサイルの脅威は、日を追って増大しており、年末から来年初めにかけては、アメリカが軍事行動に出る可能性さえ指摘されている。また、中国は尖閣諸島を狙い、連日、政府公船が接続水域や領海を侵犯している。

その意味でも、わが国の存亡にかかわる防衛・安全保障問題こそ、喫緊の課題といえよう。

<自衛隊明記の必要性を論ぜよ>

国民世論の反応は一概に言えないが、各種世論調査をみる限り、国民の多数は自衛隊明記を支持する傾向にあると言ってよかろう。

安倍首相(自民党総裁)が自衛隊明記案を提唱した直後の世論調査では、毎日(5月20、21日調査)と朝日(同13、14日)で反対の方が数ポイント上回っていただけで、それ以外の読売(同12~14日)、産経・FNN(同13、14日)、共同(同20、21日)それにNHK(同12~14日)では賛成の方が多く、読売、産経・FNNおよび共同では、反対を約20ポイント上回っていた。

また10月の調査でも、読売(12日)と朝日(19日)では反対の方が数ポイント多かったものの、時事(13日)、NHK(16日)、産経・FNN(17日)では、賛成の方が多く、その差も時事で14ポイント、産経・FNNでは18ポイントと開いている。

残念ながら国民の多くは戦力不保持の9条2項の改正まで望まず、自衛隊明記支持に留まっているというのが現状であろう。それ故、憲法施行後70年間、一字一句改正できなかった厳しい現実を踏まえるならば、憲法改正の第一歩は、国会の3分の2以上および国民の過半数の賛成が得られそう『自衛隊明記』から進めるしかないと思われる。

その際、『戦争に突き進む』という反対派のデマに惑わされないために、なぜ『自衛隊の明記』が必要かを分かりやすく説明し、さまざまな疑問に丁寧に答えていく必要がある。筆者は先に自衛隊の明記は違憲の疑いを払拭するだけでなく、自衛隊及び隊員の地位を高め、栄誉と誇りを与えるためであると述べたが(正論「改憲草案作りを粛々と進めよ」8月9日)、今後もさらに必要性を論じていきたいと思う。

<与野党連携進め賛同の獲得を>

また、国民投票を考えれば、与野党を超えて連携し、より多くの国民の賛同を獲得していく必要がある。この点、野党では日本維新の会が公約に『9条改正』を掲げ、松井一郎代表は『自民党案が固まってくれば、まじめに正面から議論したい』と述べている。

希望の党の小池百合子代表は9条改正論者であり、自衛隊明記には否定的だが、公約では『〔自衛隊を〕憲法に位置づけることは、国民の理解が得られるかどうか見極めた上で判断』としており賛同に含みを持たせている。

問題は公明党だ。同党は、前回(平成26年12月)の総選挙では、公約で『9条を堅持した上で、自衛隊の存在の明記や国際貢献のあり方を、加憲の対象として慎重に検討』と明記していた。そのため安倍首相は公明党に配慮し、苦渋の決断の結果、9条1、2項には手を加えず、『自衛隊の保持を明記』する案を提示したわけである。

後退したとはいえ、同党は今回の公約でも『自衛隊の存在を明記する提案の意図は理解できないわけではない』『不備があれば新たな条文を加える』としており、納得のいく説明さえできれば、自衛隊明記賛成に回る可能性は十分あると期待している」。

改憲勢力が衆院定数465の8割を占めることになったが、どこから改正に着手すべきか、である。「9条に自衛隊明記を」からである。問題は、自民党内が一本化できていないことである。自民党内の75%の賛成を100%までにすることが喫緊の課題である。

朝日の「朝日・東大共同調査」に「安保法制『反対』7割」「小池氏と隔たり、希望の当選」が書かれている。

「希望の党の当選者の約7割が安全保障法制を評価しておらず、候補者の約4割から大幅アップ――。朝日新聞社と東京大学・谷 将紀研究室が実施した衆院選の全候補者を対象にした共同調査(回答率97%)で、こんな傾向が判明した。安保法制に反対した民進党からの合流組が多く当選したためで、今後は希望の『民進回帰』が進む可能性もある。

希望は、小池百合子代表(東京都知事)が安保法制を評価する立場だ。公認に際して候補者には『憲法に則り適切に運用する』と記した政策協定書に署名するよう要求。安保法成立に反対した民進合流組にとってみれば、『踏み絵』を踏まされた格好になった。

調査では、第3次安倍内閣(2014年以降)の施策に対する評価を聞いた。安保法成立については、希望の候補者全体では『評価する』『どちらかと言えば評価する』と答えた人は40%、『評価しない』『どちらかと言えば評価しない』とした人は41%だった。ところが、当選者に限ると評価寄りは13%で、評価しない姿勢を示したのは68%となった。

当選者の多くを民進組が占め、それ以外の候補者の当選率が低かったことが数字に影響したとみられる。希望が擁立した235人のうち、民進組は約半数の116人。当選者は50人で、うち民進組は39人で約8割を占める。当選者の安保法への否定的な姿勢を押し上げた構図だ。

一方、希望が公約に掲げた『消費増税凍結』や原発政策に対する考え方でも、候補者と当選者に占める割合でやや違いがみられた。

2019年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて賛否を聞いたところ、賛成姿勢を示したのは候補者で9%だったが、当選者は16%。『原子力規制委員会の審査に合格した原発は運転を再開すべきだ』という意見に賛成か反対かを尋ねた設問では、賛成寄りの候補者が13%だったのに対し、当選者では19%だった。

<政策協定書に不満>

希望が25日に国会内で開いた両院議員懇談会では、安保法制をめぐる政策協定書への不満が相次いだ。

協定書は安保法制について『憲法に則り適切に運用する』と明記。さらに『その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する』としている。懇談会では、『(民進党時代は)安保法制に反対していたのに容認に転じ、<裏切り者>と言われた』といった意見が続出した。

民進は安保法を憲法違反と位置づけ、一貫して見直しを主張してきた。複数の出席者は、協定書の『不断の見直し』部分が『違憲部分は見直す』と解釈できると主張。『(協定書は)<安保法の容認ではない>と代表から言ってもらわないと、いつまでも(裏切り者などと)言われる』と訴えた。

一方、協定書の存在自体をないものにしたいという思いも見え隠れした。出席者の一人は、協定書に明記された消費増税凍結に反対だという本音を吐露。『(協定書の話題を)蒸し返すと(私の)サインはウソだったのかとなる』と漏らした。これらの声に、小池代表はこう答えるにとどめた。『政策協定書に書いた通りで一致させ、この国をどうやって真に守っていけるかを考えるのが希望以外にはない、と言い切れるぐらいに深めていってほしい』」。

朝日・東大共同調査で、希望の党当選者50人のうち7割が安保法制反対となった。希望の第2民進党化である。民進党組当選者が39人に及ぶがその大半がである。希望の党は分裂か、である。

「『政権担当能力なし』どうしの一本化」

政治

top1-2.jpg

朝日の社説に「野党の責任』「一本化で政治に緊張を」が書かれている。

「衆院選小選挙区での候補者の一本化に向け、野党各党の協議が始まった。

過去2回の衆院選のように、野党候補が複数立てば、がっちり選挙協力を組む自民・公明の与党を喜ばせるだけだ。

安倍首相が政権に復帰した2012年の衆院選では、与野党12党が乱立し、野党は共倒れの末に惨敗。14年は共産党を除く野党各党が約200の小選挙区で候補者を一本化したが、自公両党が圧勝した。

そのひとつの帰結が『安倍1強』のおごりやゆるみにほかならない。政治に緊張感を取り戻すためにも、もう同じ失敗を繰り返してはならない。

最大の焦点は、全国289の小選挙区に200人以上を擁立しようとしている民進、共産両党が、どう折り合うかだ。

共産党は『共通政策、相互支援』を一本化の条件に掲げる。一方、共産党との連携に反対する議員を抱える民進党執行部は表だった共闘には慎重だ。

だが、民進党の前原誠司代表は『向こう(与党)が1人、こちら(野党)が1人というのが望ましい』とも語っている。

互いに譲り合い、できるだけ多くの選挙区で『1対1』の対決構図をつくり出す努力を、両党の執行部に求める。

実際、野党候補の一本化は実績もあげている。昨夏の参院選では全国32の1人区で民進、共産など4党が候補者を一本化し、11勝21敗。3年前の2勝に比べ善戦した。

首相の政権運営に危機感を抱く学生や学者らによる市民団体が、原発政策や安全保障関連法などで作った政策協定に、各党が合意した結果だった。

地方選でも、昨年の新潟県知事選、今夏の仙台市長選などで勝利をたぐり寄せた。

むろん、衆院選は有権者に政権選択を問う選挙である。

民進党と共産党の消費税や自衛隊をめぐる立場の違いは『野合』批判にさらされよう。だが自民、公明両党も原発政策や憲法改正で開きがあるのに、長く政権を共有している。

こんどの衆院選でも『森友・加計疑惑の追及』『原発ゼロをめざす』『拙速な憲法改正にはくみしない』など野党各党が一致する主張を、前面に掲げることはできるのではないか。

地域によってさまざまな事情もあるだろう。それでも、可能な限り多くの選挙区で、与野党が競い合う構図になれば、有権者の半数近い無党派層も含め政治への関心が高まるはずだ。そんな舞台を整える責任が、野党各党にはある」。

社説の主旨である「一本化で政治に緊張を」に異論がある。全国289の小選挙区に200人以上擁立している民進党と共産党の候補者一本化が難航している。このままでは共倒れであり、与党の圧勝、野党の惨敗となるからである。民共共闘の遅れを突いた安倍晋三首相の電撃解散故である。

問題は、解散の大義である。朝日と野党は「大義なき解散」との印象操作に必死であるが、解散の大義は北朝鮮危機となる。国民の9割が北朝鮮の核・ミサイルに脅威を感じているからである。国民の生命と財産を守れるのは、安倍晋三政権継続しかなく、その継続の是非を国民に問う選挙となる、そもそも衆院選挙は政権選択選挙であるからだ。日米同盟強化につながった安保関連法に反対した野党4党は国民から政権担当能力なしと見限られている。一本化しても政権担当能力なしの二乗になるのみである。政治に緊張をにはならないが。

日経に「電撃解散 決断の舞台裏」「議席減も覚悟 首相の賭け」「極秘の情勢調査、盟友が後押し」が書かれている。

「安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭での衆院解散を決断した。電撃解散に傾いた背景には、自民党が極秘に実施した情勢調査があった。自民党の議席が減ることも覚悟し、賭けに出た。

『少しお話しませんか』。首相は10日、日曜夜にもかかわらず、東京・富ケ谷の私邸に盟友の麻生太郎副総理・財務相を招いた。政局話などが続いた後、麻生氏が『岸信介と川島正二郎の話を思い出してみてはいかがですか』と切り出した。岸氏は原彬久編『岸信介証言録』(中公文庫)で『総選挙になれば絶対勝つという確信をもっていました。あのとき解散をやっておけば』と1960年の出来事を悔しがる。岸氏は首相として訪米し日米安全保障条約改定に調印。直後に解散するつもりが、幹事長だった川島氏に猛反対され断念する。その後、安保闘争が激化し、条約成立と引き換えに退陣した。

『解散はご自分のお気持ちで判断された方がいい』と麻生氏から助言を受けた。

前回衆院選から2年9カ月。何度か解散の好機はあったが、女房役の菅義偉官房長官が『今解散しても議席を減らすだけです』と一貫して慎重だった。国会で憲法改正を発議するため、衆参両院で必要な3分の2以上の今の議席を保つべきだとみた。

<過半数で十分>

『自民単独で過半数あれば十分だ』。首相が周囲にこう言うようになったのは6月ごろからだ。改憲発議をあきらめたわけではない。民進党がまとまりを欠くなか、与党で十分な議席数がなくても野党の改憲派を取り込む戦略も考えていた。だが、現有議席から大幅に議席を減らせば党内の批判勢力が黙っていないとの菅氏らの懸念も理解でき、判断は定まらなかった。

今年に入り、内閣支持率は学校法人『森友学園』や同『加計学園』の問題で続落。日本経済新聞社の世論調査で7月には39%まで落ちた。このままでは解散どころか、2018年秋の党総裁選での3選すら危うい。さらに気がかりなことに、小池百合子東京都知事の側近らが国政政党の立ち上げ準備を進めた。

弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮情勢も首相に焦りを与えた。外務省幹部との協議では見通しを何度も尋ねた。『年末に向けて緊迫する一方です』との答えが返ってきた。解散を先に延ばせば、判断はさらに難しくなる。

8月3日の内閣改造は支持率低下に歯止めをかけるためだった。その後、民進党代表は前原誠司氏に代わったが、幹事長に内定していた山尾志桜里氏が週刊誌報道を受け離党するなど失速。保守系議員ら離党者も相次いだ。首相には好機到来と映った。

<「最後は勘だ」>

首相は麻生氏と会う直前、党側から直近の情勢調査の結果を伝えられた。衆院選が今あれば3分の2の議席を割り込むが、与党で最低でも280議席超は取れると出た。約40議席も減るが、解散を先送りすればさらに議席を落とす可能性もある。菅氏はなお解散に慎重だったが、悩む首相を麻生氏が後押しした。

首相は翌11日、公明党の山口那津男代表を官邸に呼んだ。年内解散の可能性はにじませたが、臨時国会冒頭に断行するとは伝えなかった。首相は党の追加調査を待っていた。数日後、改めて自公で280議席は取れると出た。

15日、ロシアにいた山口氏に電話で『臨時国会の冒頭で解散したい』と伝えた。公明党は一気に動いた。山口氏の帰国を待たず16日に幹部が集まった。17日は支持母体の創価学会も選挙対策会議を開いた。巨大組織の創価学会には長い準備期間が必要だ。突然の解散に不快感を示す公明党幹部は多い。

ただ調査は野党の候補者一本化を前提としない数字だ。野党共闘が奏功すれば自民党の議席はさらに減る。逆に野党がしくじれば自民大勝の芽もないわけではない。『危険な賭けだ』と漏らす首相側近もいる。消費増税の使途見直しや憲法改正、北朝鮮への対応などが争点になる気配だ。

8月15日夜、山梨県鳴沢村の笹川陽平日本財団会長の別荘。05年8月の郵政解散は周囲の猛反発を押し切って断行したと小泉純一郎元首相は興奮気味に話すのを、首相はじっと耳を傾けた。

首相は政権交代前を含め直近2回の衆院選でいずれも圧勝した。首相は周囲から尋ねられたことがある。『なぜそのとき<今なら勝てる>と思ったんですか』。答えは『最後は勘だよね』。今回の勝負勘は吉と出るか、10月22日予定の衆院選投開票日に明らかになる」。

9月9.10日の自民党の情勢調査で、与党で最低280議席超は取れるが、安倍晋三首相の電撃解散決断の根拠となった。その後、小池新党が150人規模で全国で擁立となり、野党一本化は不可となり、与党で300議席超も可能となった。289の小選挙区で、与党VS民共VS小池新党となるからである。

産経の「緯度経度」に古森義久氏が「危険な北の核容認論」を書いている。

「米国のトランプ大統領と日本の安倍晋三首相がともに国連演説で北朝鮮の核武装を激しく非難し、その阻止のための強い対決姿勢を強調した。日本にはその阻止の物理的な力はないとはいえ、日米連帯の強固な構えには期待が大である。

ところが米国の一部ではその日米連帯を根元から崩しかねない北朝鮮の核兵器開発容認論がじわりと出始めた。日本にもきわめて危険な黄信号だといえそうだ。

この容認論の代表例はオバマ政権の大統領補佐官だったスーザン・ライス氏の8月のニューヨーク・タイムズへの寄稿論文である。『北朝鮮に核放棄をさせるにはもう軍事手段しかないから、米国は実利的な戦略として北の核武装を受け入れ、伝統的な抑止力でそれを抑えるべきだ』

オバマ政権で国家情報長官だったジェームズ・クラッパー氏も『北の核武装を受け入れたうえで、そのコントロールの方法を考えるべきだ』と述べた。クリントン政権で米朝核合意の交渉役だったロバート・ガルーチ氏も最近、『北の核兵器も抑止は可能だ』と語った。

いずれも民主党政権の高官だった人物たちの新たな容認論である。

米国の歴代政権は1990年代から共和、民主の党派を問わず、一致して北朝鮮の核開発は絶対に容認できないという立場をとってきた。ライス氏ら3人もみな政権内からその立場を主張してきた。ここにきての共和党トランプ政権の政策への反対意見には政治党派性もにじむ。

トランプ政権は当然、この容認論を断固、排した。H・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は『ライス氏の主張はまちがっている』と断じた。北朝鮮が一般の国家の理性や合理性に従わない『無法国家』だから東西冷戦時代に米ソ間で機能した『伝統的な抑止』は適用できないと反論した。

政権外でも北朝鮮の核武装阻止の思考がなお圧倒的多数であり、容認論の危険性を指摘する向きが多い。

その危険はまとめると以下のようになる。

第一は核拡散防止条約(NPT)体制の崩壊の危険性である。

米国も他の諸国も北朝鮮の核武装をNPTの枠組みと規範に基づき阻もうとしてきたが、その核武装容認はこの体制自体を崩しかねない。北が核の技術や部品を他国に流す可能性や『韓国や日本も核開発へ進む』という展望もNPT体制の破綻となる。

第二は北朝鮮が核の威力を自国の野望に悪用する危険性である。

北朝鮮は韓国を国家と認めず、朝鮮半島の武力統一をも誓い、米軍撤退を求める。無法国家として国際テロを働く。こうした北朝鮮の国家としての好戦的な基本姿勢が核武装によりさらに先鋭かつ過激となり、いま以上の国際的脅威となる。

第三は米国の日本に対する『核の傘』がなくなる危険性である。

米国は『拡大核抑止』として日本への核の攻撃や威嚇に対しその敵への核での報復を誓約している。だが北朝鮮が米国本土への核攻撃もできるとなると、米国が自国の莫大な被害を覚悟してまで日本のために核を使用することをためらうことも予測される。これらの危険は日本での北核武装容認論にもそのまま当てはまるわけだ」。

オバマ政権の大統領補佐官だったライス氏の「北の核武装を受け入れ、伝統的な抑止力でそれを抑えるべきだ」との北の核容認論は、日本にとって極めて危険である。日本への米国の核の傘がなくなるからである。北朝鮮が米国本土への核攻撃も可能となると、米国が自国の莫大な被害を覚悟してまで日本のために核を使用することをためらうからだ。

« 一覧へ 最新記事へ »