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「中国の脅威ありき」

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朝日の社説に「陸上イージス」「導入ありきは許されぬ」が書かれている。

「ようやく芽生えた緊張緩和の流れに逆行するだけではない。費用対効果の面からも、やはりこの計画は、導入の是非を再考すべきだ。

防衛省が、陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』にかかる費用の見通しを明らかにした。

米航空機大手ロッキード・マーチン社製の最新型レーダーを採用したため、一基あたり、当初想定していた800億円から1340億円と約1・7倍に膨れあがった。

政府は、秋田、山口両県に計2基の配備を計画している。導入後30年間の維持・運用費を加えると、総額は4664億円になるという。そこには土地造成などの施設整備費も、一発数十億円にのぼるミサイル費用も含まれておらず、さらに経費がかさむだろう。

防衛省は来年度予算案の概算要求に関連経費を計上する方針だが、これだけ巨額の事業である。導入ありきで突き進むことは許されない。

米国からの調達は後から価格が高騰することが多い。トランプ大統領が貿易不均衡是正のため、米国製兵器の大量購入を日本に迫る今は、なおさらだ。

政府は昨年末、北朝鮮の核・ミサイル開発を『重大かつ差し迫った新たな段階の脅威』と位置づけ、陸上イージスの導入を決めた。しかしその後、南北首脳会談や米朝首脳会談を経て、東アジア情勢は新たな局面に入っている。

これを受け、政府自身、北朝鮮のミサイル発射を想定した住民避難訓練を当面中止し、北海道や中国・四国に展開していた地対空誘導弾(PAC3)部隊も撤収させた。『北朝鮮の脅威は変わっていない』(小野寺防衛相)と強弁し、昨年来の計画に固執する姿勢は、幅広い国民の理解を得られまい。

安倍政権はかねて北朝鮮の脅威を強調してきたが、防衛力強化の狙いは実のところ、中国への備えにあるとされる。米国に向かう弾道ミサイルの追尾情報を提供することになれば、米本土防衛の一翼を日本が担うことにもなる。近隣諸国との関係に与える影響を、冷徹に分析しなければならない。

配備候補地となった秋田、山口では、性急な政府への反発が強まっている。政府が目指す2023年度の運用開始は、米側の事情もあって、25年度以降にずれこみそうだ。その時になって、巨費を投じた陸上イージスが無用の長物になっていないか。今こそ、徹底的な議論が求められる」。

社説の主旨である「導入ありきは許されぬ」に異論がある。

「ようやく芽生えた緊張緩和の流れに逆行するだけではない。費用対効果の面からも、やはりこの計画は、導入の是非を再考すべきだ」は、事実誤認がある。5月の米朝首脳会談後、非核化交渉が遅々として進まず、北朝鮮は核・ミサイル放棄の意思を未だに明示していない。それどころか、北朝鮮が大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)を製造している兆しすらある。緊張緩和の流れに逆行しているのが北朝鮮の動きである。

問題は、北朝鮮の緊急緩和が逆行の動きは中国の後押しによってのものであることだ。北朝鮮の核・ミサイルの脅威よりも、中国の核・ミサイルの脅威の方が大きいのである。陸上イージス導入は、中国の弾道ミサイル、巡航ミサイルから日本国民を守る上で必須不可欠となるが。中国が尖閣諸島占拠の意思を明示しているのだから、日米同盟強化で抑止力を持つのは必然であり、それが米国製の陸上イージス導入である。30年間運用で7000億円は、新型イージス艦2隻の30年間運用7000億円と同じであり、日本全域を守るには。7隻以上が必要であり、費用対効果からも導入すべきとなる。中国の脅威ありきである。

朝日の「野党を問う、1強多弱のなかで」㊤に「対決 対案 立憲と国民に溝」が書かれている。 

「『おかしいよっ』『何をやってんだ』

カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案の付帯決議案を読み上げる国民民主党の矢田雅子氏の声が、同じ野党議員たちの激しいヤジでかき消された。

7月19日夕の参院内閣委員会。付帯決議案が文案通り可決されると、矢田氏は涙をぬぐい、同僚議員に肩を抱かれて退室した。

刑法が禁じる賭博を例外的に認めるカジノ実施法には、立憲民主党など野党6党・会派が反対した。国民も、だ。しかし、立憲などが法案の採決そのものに抵抗したのに対し、国民だけは付帯決議で政府に注文を付けることを条件に採決を容認した。

その数時間前。

参院議長の不信任決議案を出した国民の大塚耕平共同代表が本会議場の演壇からカジノ実施法案の問題点を説き、議長の姿勢を指弾していた。『これではギャンブル依存症促進法案だ』。その議場の隅で、自民党議員と付帯決議案の文案を調整したのが矢田氏だった。ヤジを飛ばした野党議員にとって、国民の態度は政府・与党への『迎合』だった。

当の矢田氏は涙のわけをこう語った。

『欠陥だらけの商品(カジノ実施法)を世に出さなければならない無念さ。立法府の責任を果たしたいという思い。万感の思いがよぎった』。野党の一員として何ができるのか、立ち位置の難しさをにじませた。

≪支持伸びず危機感≫

昨年秋の衆院選で与党は3分の2を握り、野党は民進党の分裂で多党化した。

衆院で野党第1党になった立憲は『対決路線』を取った。政府・与党に問題があれば、審議拒否や日程闘争も辞さず徹底抗戦。枝野幸男代表は『野党の武器は限られている。批判覚悟で国会を空転させないと国民に伝わらない』。政権批判票の受け皿をめざす。

一方、参院野党第1党の国民は『対案路線』だ。政権の問題に対する解決策を示して野党の信頼回復につなげようという考え方で、『対決より解決』を旗印に掲げた。カジノ実施法の付帯決議もその一つだった。

ただ、両党とも悩みは深い。立憲は、森友学園や加計学園問題への政権の対応が不十分だとして、大型連休前後に18日間の審議拒否を主導した。ところが与党に『18連休』と揶揄された。

世論の支持が伸びず、衆院選後に17%あった政党支持率(朝日新聞調査)は、今年7月時点で8%に。党内では『政権構想を示せていない。経済政策をまとめなければ展望は開けない』との危機感が広がる。

国民は対案を示そうとしたが、『対決より解決』の姿勢が与党の強引な国会運営に加担する結果につながったと批判された。政党支持率(同)は1%。『与党とは対決、国民には解決策という意味だ』。党の旗印について、泉健太国会対策委員長は7月20日の記者会見で、新たに説明を迫られた。

≪四半世紀、試行錯誤の歴史≫

対決か対案か。野党は四半世紀にわたって試行錯誤を続けてきた。

自民党支配が続いた『55年体制』下では、対決一辺倒だった。ところが、1993年に『非自民』の細川連立政権ができると、対案路線を志向する声が出始めた。

『金融国会』と呼ばれた98年の臨時国会では、野党の政策立案能力に光が当たった。小渕政権は不良債権処理のための関連法案を参院で否決され、衆参両院で147議席だった民主党会派の対案を丸のみした。当時、対案をつくったのが、『政策新人類』と呼ばれた枝野氏らだった。

小泉政権時代には、民主党が衆参で200前後以上の議席を得て、改革の速度や手法でも与党と競うようになったが、06年に党代表が小沢一郎氏に代わると対決路線に一転。衆参の『ねじれ』をテコに政府案を正面から否決し、民主党は09年に政権交代を果たした。その後、野党に転落した自民党も対決路線を徹底して、再び政権を奪還した。

いま、衆参両院で407人を擁する自民党に対し、立憲は73人、国民は62人。与野党の勢力はかつてなく不均衡な状態だ。対決だけでも、対案だけでも、闘い得ない。成蹊大の高安健将教授(比較政治学)は『二択』で考えるべきでないと指摘する。

『現実化する政権の政策をチェックする<対決>も、有権者に別の未来を見せる<提案>も、野党には必要だ。一つの党内で調整した方が調整のコストは小さいのに、多党化するなかで立憲と国民が違いを見せようとして調整を難しくしている』とみる。

通常国会が幕を閉じました。1年後には参院選が迫ります。野党の役割は何なのか。巨大与党とどう対峙すべきか。『1強多弱』のなかでの野党のありようを上下2回で考えます」。

昨年9月の衆院選直後立憲民主党は17%もあったのに7月時点で8%と半減した。もりかけ問題をテコに対決路線を貫いたからである。対案路線の国民民主党は1%しかない。旧民主党は8%+1%の9%に過ぎない。民主党政権の後遺症である。問題は、来年7月の参院選の争点が9条改正の是非となることだ。野党は対決路線の共闘にならざるを得ない。与党40%VS野党13%となるが。32の1人区野党は全敗となるが。

朝日の「自民党2018総裁選」に「参院竹下派 石破氏へ傾く」「竹下氏と近く直接会談」が書かれている。

「9月の自民党総裁選をめぐり、党内第3派閥の竹下派(55人)の参院議員の間で、石破茂・元幹事長を推す流れが強まっている。31日の幹部会合で、同派の参院側21人を率いる吉田博美・党参院幹事長が、青木幹雄・元党参院議員会長から石破氏支持の要請があったことを説明し、対応について一任を取り付けた。

東京都内のホテルで開かれた幹部会合の冒頭、吉田氏は、政界引退後も同派に影響力のある青木氏と25日に面会した内容について説明。『青木さんから<石破でやれないか>と相談があった』と明かす一方、『青木さんの相談は指示ではない。言うことを何でも聞くわけじゃない』と強調した。青木氏の石破氏支持の要請に対し、吉田氏の説明を受けた幹部7人から異論は出なかったという。

『自民党は<安倍1強>と言われるが、健全な政策論争ができる、開かれた政党であると国民に理解してもらう機会にもなる』とも述べ、安倍晋三首相と石破氏の一騎打ちになる見通しの総裁選での論争が、来年夏の参院選にプラスになるとの認識を出した。出席者から賛同の声が出たという。

そのうえで、派閥会長の竹下亘・総務会長の方針を確認するため、近く直接会談する考えを示し、『竹下さんの方針に従う。竹下さんが、石破さんと言えば石破さん。安倍さんと言えば、安倍さん』と述べた。

一方、竹下氏は31日、同派衆院議員のパーティーで講演し、派の対応について『迷っていないといえばウソになるが近々決めなければいけない』と語った。『どんなに苦しい時でも向かい風でも、自らの信じるところを一緒に歩んでいこう」とも話し、対応次第で総裁選後、非主流派になったとしても派の結束を図る考えを強調した。

≪二階派、首相支持を前面、『3選』後 影響力維持狙う≫

自民党二階派(44人)の研修会が31日、韓国・ソウルで始まった。海外で派閥研修会を開くのは異例。要人との会談などで韓国とのパイプ役をアピールし、党総裁選での安倍晋三首相支持を内外に示すことで、総裁選後の人事も視野に派の存在感を高める狙いだ。

派閥を率いる二階俊博幹事長は研修会の講演で『安倍総理への絶対の支持を表明する。国民が真のリーダーシップを託すことができるのは、安倍総理をおいて他にいない』と述べ、首相の3選支持を表明した。

二階氏は3015年の総裁選前にも、派閥研修会で首相支持の署名を所属議員から集め、首相官邸に提出。無投票再選の流れをつくった。翌年、幹事長に起用されると、総裁任期を『連続2期6年』から『3期9年』に延長する党則改正を主導。森友・加計問題などで内閣支持率が低迷して以降も、首相支持の立場を堅持してきた。

外交面でも首相を側面支援する。研修会には経済界などから約300人が同行。これまでも中国やロシアなどに同様のスタイルで出張し、経済協力を絡めた議員外交を展開してきた。今回は軍事境界線がある板門店の視察や李洛淵首相との会談などを通じ、日韓関係重視の姿勢を示す。首相も研修会にビデオメッセージを寄せ、二階氏流の外交を『ただただ驚嘆をし、敬意を表する』と評価した。

二階氏の視線の先にあるのは、首相3選を前提にした総裁選後の政権運営だ。派内からは『首相が3期できるのは二階さんのおかげだ。幹事長を代えるのはありえない』との声が上がり、幹事長続投による派の影響力維持に関心が向く。二階氏は31日、記者団から派内に幹事長続投の期待感があることについて問われ、『よく熟慮した上で対応したい』と語った。

<石破氏「出馬の際よろしく」 岸田氏らと会食 支援求める> 

自民党の岸田文雄政調会長と石破茂・元幹事長らが31日夜、東京都内で会食した。岸田氏が党総裁選への立候補を見送ったことについて説明したのに対し、石破氏は『もし自分が(総裁選に)出るとなったら、よろしくお願いします』と支援を求めたという。

会合には、石原伸晃・前経済再生相と中谷元・元防衛相も同席した。7月29日に61歳となった岸田氏の誕生日祝いが名目。岸田、石破、石原の3氏はそれぞれ自身の派閥を率い、中谷氏も谷垣グループの幹部を務める。石原派と谷垣グループは総裁選での対応が決まっていない」。

参院竹下派21人は石破支持となるが、衆院34人の8割は安倍支持である。竹下派としては自主投票になり、派閥分裂となるが。態度未決の石原派12人、谷垣派8人は安倍支持となるが。

米中貿易戦争が最大限の圧力

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産経の主張に「米国の対米交渉」「『最大限の圧力』に復帰を」が書かれている。

「金正恩朝鮮労働党委員長が米朝首脳会談で約束した『非核化』は、やはりまやかしだったということか。
 訪朝した米国のポンペオ国務長官が高官級協議で、核計画・戦力の申告や『完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄(CVID)』を求めた。だが北朝鮮は『強盗的な要求』と反発したのである。
 
核・ミサイル戦力を放棄する気がないことがはっきりした。北朝鮮が高官級協議で提示したのは、朝鮮戦争の終戦宣言や大陸間弾道ミサイル(ICBM)エンジン実験場の廃棄などで、核廃棄には直接つながらないものばかりだ。協議を長引かせて核保有国であり続けようとしているだけである。
 
事態は極めて深刻だと受け止めるべきだ。CVIDを受け入れなければ、実効性ある話し合いにはならない。一体何のための米朝首脳会談だったのか。
 
ポンペオ氏は、8日の日米韓外相会談で、北朝鮮と『誠実で生産的な協議ができた』と説明した。日韓両国は米国を後押しすることになったが、楽観的すぎる。
 
トランプ米大統領が米朝首脳会談を大成功と位置づけているから、ポンペオ氏は北朝鮮との協議がはかばかしくないのに取り繕ってはいないか。
 
高官級協議で拉致問題を提起した点は歓迎できるが、ポンペオ氏は核・ミサイルで『生産的な協議』をしたと裏付ける具体的進展は何ら示さなかったのである。
 
北朝鮮は外務省報道官談話でトランプ氏への『信頼は維持している』と強調した。トランプ氏だけを持ち上げて油断させることで、米国からの圧力をかわそうという魂胆があらわである。
 
偽りの非核化をちらつかせ、制裁解除や体制保証を米国から取り付けたいのだろう。だが、核・ミサイルを持ち続ける北朝鮮は脅威であり、決して認められない。
 
トランプ氏から一度は首脳会談中止を突きつけられて慌てふためいた北朝鮮が、不誠実な交渉者に戻ったのはなぜか。中国という後ろ盾ができたこともさることながら、トランプ氏が米韓軍事演習の中止という一方的な譲歩で、軍事的圧力を弱めてしまったことが大きい。
 
ならば、北朝鮮にとるべき態度は決まっている。経済、軍事両面で名実共に『最大限の圧力』をかける路線に復帰することだ」。

主張の主旨である「『最大限の圧力』に復帰を」に異論がある。

トランプ政権は、「最大限の圧力」を今もかけ続けているからである。7月6日からの米中貿易戦争がそれである。北朝鮮の金正恩委員長が6月12日の米朝首脳会談後の3度目の訪中によって、習近平国家主席から体制の保証と経済支援を取り付けてから、米朝協議が3週間も遅れ、金正恩氏のCVID履行への覚悟が揺らいでいるのは事実であるが、トランプ政権にとっては想定内である。だからこその米中貿易戦争による中国への制裁なのである。

問題は、金正恩氏のCVID履行への覚悟の揺らぎを収め確固たるものにすることである。米中貿易戦争のトランプ政権の本気度は、金正恩氏への最大限の圧力となっている。米朝協議の渋滞は、米韓合同軍事演習の再開=斬首作戦の実行を招くとの恐怖心を、煽るからである。米中貿易戦争による中国バブル経済の崩壊の兆しが、金正恩氏をしてCVID履行への覚悟を固め直すことになるが。

 産経の「湯浅博の世界読解」に「中国悪弊封じ 同盟国と協力を」が書かれている。

「太平洋を挟んだ貿易戦争がついに始まった。米国の大型貨物船『ピークペガサス』は、全速力で大海原を西に向かっていた。船倉には、米西海岸で積んだ中国向けの大豆を満載している。

ピークペガサスがまだ洋上にある6日正午(北京時間)すぎ、ワシントンは事前の布告どおりに中国製品に対する制裁関税を発動させた。理由は、中国による国際ルール無視の知的財産権侵害による悪弊にある。

船長は中国が対抗して報復関税の引き金を引く前に、大連港での荷揚げを済ませたいと急いでいた。

だが、大型船の入港直前に中国が報復を発動させた。ピークペガサスは多くの米中両国の貿易会社やビジネスマンとともに、この貿易戦争の最初の犠牲者になった。全米商工会議所のトーマス・ドナビュー会頭は、『関税は誰にとっても、価格を引き上げる増税と同じである』と嘆いた。

減税案を掲げるトランプ政権が『増税』とはどういうことなのか。確かに、貿易戦争によって高関税を払うのは外国企業ではない。自動的にモノの値段が上がって、つまりは米国の消費者が支払うことになる。すると、その分が政府の懐に歳入として入ることになるから、会頭のいうように『増税』と少しも変わらないことになる。

トランプ大統領の支持基盤である米中西部の人々は、はじめは追加関税に留飲を下げても、やがては物価の上昇、株価の下落、農産物は中国市場を失う懸念が現実化する。それは、中国におけるピークペガサスの大豆も同じことになる。

とはいえ、トランプ政権が中国の国際ルール無視の振る舞いに、乱暴ではあるが対抗措置に踏み切るのは当然なのだ。

周知の通り、中国の対外政策はどこまでも自己中心的である。広域経済圏構想の『一帯一路』は、途上国のインフラ整備に高利で貸し付け、返済不能になると『租借』名目で港湾などを巻き上げる。習近平政権の産業政策『中国製造2025』計画は、他国の技術を強制的に移転し、知的財産権の侵害も辞さない。

もっとも、トランプ政権のやり方が賢明であるとは思わない。貿易政策は、中国だけではなく同盟国の貿易黒字まで標的にして、結果的に中国を利することになる。米国はカナダや欧州にまで追加関税を課したから対抗上、彼らも報復関税の引き金を引かざるを得なくなる。そうなると、元凶の中国は国家の体面上からも、やはり報復に踏み切ることになった。

こうなると、経済ナショナリズムは暴走して、互いに引くにひけなくなる。トランプ政権の追加関税は、世界貿易機関(WTO)に違反するから、中国の国際ルール違反を米国がルール違反で正すことに正当性がなくなるだろう。

むしろ、トランプ政権がとるべき政策は、同盟国と協力して、中国の悪弊を封じこめることではないのか。米議会では共和、民主両党が、米国によるインド太平洋地域への関与を許可する『アジア再保証イニシアチブ法案』を審議し、米政府に同盟国との関係強化、台湾への支援、多国間貿易協定の促進を求めることにしている。これにより、トランプ政権の危うい外交政策が軌道修正されることを期待するばかりだ」。

米中貿易戦争の勝者は米国であり敗者は中国となることは明らかである。11月の米中間選挙までに結果は出る。中国封じ込めの同盟国との協力はそれ以降となる。

 日経の「真相 深層」に「太平洋『米中二分論』を微修正」「習氏、周辺国に融和サイン」「対米長期戦へ仲間づくり」が書かれている。

「中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が6月27日、訪中したマティス米国防長官に『太平洋は米中とその他の国を受け入れることができる』と語った。従来は米中二分論を主張してきたが、唐突に『その他の国』が加わった。周辺国に配慮したような発言の変化には何があるのか。会談の4日前に開かれた重要会議を読み解くと、友好国を増やして長期的に米国と対峙する戦略が浮かぶ。

太平洋二分論は2007年、中国軍高官が米軍に提唱して衝撃を与えた。習氏自身も2012年、国家副主席として訪米した際、当時のオバマ米大統領に『広大な太平洋は中米両国を受け入れる十分な広さがある』と呼びかけた。少なくとも西太平洋は主導権を握りたいとの発想で、その後も繰り返し主張している。だが、今回は米中だけでなく『その他の国』が共存することを認めた。

<重要会議で表明>

中国の外交関係者によると、発言を読み解く鍵は共産党が6月下旬に4年ぶりに開いた『中央外事工作会議』にあるという。これまで06年と14年の2回しか開いていない外交政策の大方針に関する最重要会議だ。

習近平氏は会議で対外政策を3つに分けて説明した。①大国関係はうまく整え、安定的でバランスよい関係に向けた枠組み作りを目指す②周辺外交に取り組み、中国に有利な近隣環境をつくる③発展途上国は国際実務における生来の『同盟軍』であり、強力と団結に取り組む――。太平洋二分論を微修正した一義的な意味は、周辺国の対中警戒に対する配慮と言える。

関係者は習氏が自ら表現ぶりを決めた一節が最重要だと指摘する。『現在の国際情勢を見るだけでなく、歴史の望遠鏡を使って歴史の法則を理解し歴史が向かう大勢をとらえる』ことが必要だと説いた部分だ。内部説明聞いた人物によると、発言の意味するところは次のような趣旨だ。

大国は歴史の中で興亡を繰り返してきた。米国も衰退期に入り、いずれ中国の時代が来る。ただ、現時点では米国の方が強大だ。周辺国や発展途上国と連携して国力を高め、機が熟すのを待つ--。わざわざ重要会議を開いたのは、この方針を党や政府はもちろん、軍や民間企業にも徹底させるためだったという。

これを裏付けるように中国の外交当局者は最近、抑制的な外交姿勢を心がけた鄧小平の『韜光養晦(とうこうようかい)』という概念によく言及する。軍事的な能力や野心は隠し、その間に力を蓄えるとの外交方針だ。久しく耳にしなくなっていたが、他国の外交官らと接触する場で再び使われ始めている。

もちろん過去と違い大国となった今の中国には隠しきれない爪がある。台湾や南シナ海など『核心的利益』と位置づける重要権益では、強硬姿勢をあらわにする。それでも、従来よりは融和路線の方向に政策の舵を動かしたようだ。中国への警戒を薄れさせ、味方になる国を増やすためだ。

<危機感の裏返し>

北京の国際政治学者は『習指導部は対米関係を重視するあまり、米国の動きに対処する〝反応式外交″に陥っている』と指摘する。北朝鮮との関係改善に動いたのは、トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長の接近に対抗するため。対米通商摩擦は米国の制裁に応戦を迫られているだけで、中国から仕掛けたわけではない。

米国が対中強硬姿勢を続ければ、いずれ軍事的な緊張につながる。習氏がこれまで通りの勇ましい外交政策を掲げていれば、現場の部隊が過度に反応するリスクがある。党内で1強の地位を確立しても、組織の末端まで方針を伝えるのは容易でない。重要会議を開き、党内の勉強会を通じて浸透させる必要があった。発言の微修正はしたたかな戦略だけでなく、危機感の裏返しでもある。

この見方に立てば、中国は引き続き日本を含む周辺国との関係改善を進めるだろう。南シナ海の軍事拠点化は続けるが、米軍が最重視するスカボロー礁(中国名・黄岩島)への着手は慎重にならざるを得ない。北朝鮮には米国と競うように接近を続ける。朝鮮半島の混乱を避け、米国への交渉カードとするためだ」。

トランプ政権による米中貿易戦争の仕掛けは、強大国中国のアキレス腱を突くものとなった。対米貿易黒字40億ドル(年間)の半減が狙いである。習政権の強権統治と軍事力拡大の原資である外貨準備高(ドル)が消滅してしまうのである。習近平体制の存続の危機である。

「政権担当能力を競い合う党首討論に」

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 8月12日、安倍晋三内閣の支持率低下に対し、日本株は逆行して上昇してきた。その背景には支持率が下がれば、財政出動など政策を打ち出すとの期待がある。都内で5月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

朝日の社説に「党首討論」「『歴史的使命』立て直せ」が書かれている。

「安倍首相は相変わらず質問に正面から答えない。そうした首相の対応を見切ってか、野党党首も自らの主張の披露に力点を置く。これではとてもかみ合った議論になるはずがない。

今国会で2度目となる党首討論がきのう開かれた。1カ月前の前回は、首相が質問と関係ない話を延々と続けたり、論点をすり替えたりして、議論の体をなさなかった。

その反省を生かせるかが焦点だった。行司役の委員長が冒頭、与野党双方に『発言は簡潔に』と求めたのもその表れだ。

だが、残念ながら、今回も緊張感のある丁々発止の議論には程遠く、党首討論の存在意義そのものが問われる危機的状況と言わざるを得ない。

まずは首相の対応である。

共産党の志位和夫委員長は、加計学園が首相の名をたびたび使って、愛媛県や今治市から巨額の補助金を『かすめとった』ことにならないかと追及した。首相は『県・市が主体的に判断することで、私はあずかり知らない』と評価を避け続けた。

森友問題では、無所属の会の岡田克也代表の質問に対し、過去の国会答弁の内容を長々と説明し、時間を空費した。

一方の野党はどうか。立憲民主党の枝野幸男代表は『安倍政権の問題点を7つ列挙したい』と切り出し、約6分間、森友・加計問題や、米軍機の墜落事故をめぐる首相答弁への疑義を一気に並べ立てた。

前回、枝野氏は持ち時間19分のうち12分を、首相の一方的な説明に費やされてしまった。その轍を踏むまいということだったのだろうが、これでは首相の手法と同じではないか。

枝野氏は前回の討論後、『意味のないことをダラダラとしゃべる首相を相手に、今の党首討論はほとんど歴史的意味を終えた』と語った。首相はきのうの討論の中で、この発言を引いて『本当に歴史的な使命が終わってしまった』と言い放った。

党首討論は英国議会をモデルに、国会論戦の活性化を狙って00年に正式に導入された。与野党のトップ同士が大局的な見地から議論を深める意義は、決して失われてはいない。民主党政権下での野田首相と野党自民党の谷垣禎一総裁との討論が、社会保障と税の一帯改革につながった例もある。

『歴史的な使命』を終わらせるのではなく、与野党がともに、本来あるべき姿を実現するための方策に知恵を絞るのが筋だ。何より大事なのは、議論を通じて政治の質を高めようという意思である」。

社説の主旨である「歴史的使命立て直せ」に異論がある。

党首討論の歴史的使命を終わらせたのは、野党が一方的な印象操作に終始したからである。もりかけ問題で安倍晋三首相の関与の決定的証拠を提示せず、安倍首相が権力を乱用したとの印象操作を繰り返したからである。国策を巡る大局見地からの政権担当能力を競い合う討論には程遠いと言わざるを得ない。

問題は、もりかけ問題が朝日・野党が仕掛けたフェイクニュースによる倒閣運動であったことだ。1年半続いたもりかけ問題で確かに内閣支持率は今年の2月から急落、不支持率が支持率を逆転したが、6月に入ってからは、支持率が反転上昇し、再度不支持率を逆転、日経調査では内閣支持率が52%、不支持率42%と2月の水準に戻している。一方、反安倍の野党の支持率の合計が15%前後であり、与党支持率の3分の1しかない。安倍晋三首相への不信が薄れ、野党への不信が増幅したとなる。朝日・野党の倒閣運動は失敗したとなるが。その象徴が、朝日の「『歴史的使命』立て直せ」の文言となる。政権担当能力を競い合う党首討論に、である。

産経の「石平のChina Watch」に「茶番となった『一帯一路』」が書かれている。

「中国の習近平国家主席肝煎りの『一帯一路』構想が今、窮地に立たされている。

昨年1年間で、パキスタンやネパール、ミャンマーで中国関与のインフラ建設案件が相次いで中止や延期に追い込まれた。先月にはマレーシアが、中国が『一帯一路』の主要事業として受注攻勢をかけていたマレー半島高速鉄道計画の廃止を表明した。

当初は『一帯一路』への協力に積極的だった西側諸国も、この〝壮大なる構想″の危うさに気がついた。

やはり先月には、欧州連合(EU)加盟国28カ国のうち27カ国の駐中国大使が、『中国に利するように設計されている』とし、『一帯一路』を厳しく批判する報告書をまとめている。

このように、アジアなどの地域で中国主導の投資プロジェクトの展開を主な内容とする『一帯一路』は今、投資される方のアジア諸国と投資を期待される方のEU諸国の両方からそっぽを向かれ、もはや風前のともしび、四面楚歌の状況である。

『一帯一路』がこのような大失敗を演じている事実は中国国内ではほとんど報道されていないが、最近、中国のメディアに登場する『一帯一路』の関連ニュースは、次のようなものだ。

今月18日、上海国際映画祭で『一帯一路映画文化フォーラム』が催された。関係諸国の映画監督たちが一堂に集まり、『一帯一路映画祭』の創設を討議したという。

同じ18日、『一帯一路・シルク文化の旅』というイベントが中国の黒竜江省、深?市、そして香港・マカオなどの各地で同時に開催され、多くの芸術家たちが『一帯一路』をテーマとした舞台や作品を披露した。

そして同19日付の江西日報の報道によると、江西省サッカー協会は26日から、タイやイランなどの6カ国からサッカーチームを招き、『一帯一路国際サッカー親善試合』を開催する、というのである。

こんなニュースを目にして、筆者の私は思わず噴き出してしまった。

『映画祭』の開催にしても、『文化の旅』にしても、『国際サッカー親善試合』にしても、それらが一体、インフラ建設を内容とする『一帯一路』と何の関係があるというのか。

多くの投資プロジェクトが中止や延期の憂き目にあい、『一帯一路』が開店休業状態となっている中で、中国当局は何とかして『やっている感』を演出してみせるために、サッカーも映画も無理やり『一帯一路』に関連づけて国民の目をごまかそうとしているのだろう。

鳴り物入りの『一帯一路』はすでにその本来の意味を失って、単なる茶番となりつつあるのである。

その中で、『一帯一路』の提唱者である習主席もこの壮大なる茶番に登場した。

今月7日、習主席はカザフスタンのナザルバエフ大統領と首脳会談を行ったが、この会談において、ナザルバエフ大統領は『一帯一路』にほとんど触れていないのに、習主席は一方的に熱心に吹聴した。

『一帯一路が積極的な成果を上げた』と自画自賛した上で、『成果を上げたのは世界の潮流に順応したからだ』と、『成功の原因』を分析してみせたのである。

もちろん、彼の言う『積極的な成果を上げた』のも『世界の潮流に順応している』のも、単なる虚言でしかない。上述のように、事実はその正反対である。

一枚看板の『一帯一路』が大きく挫折している今、習主席は結局、自らの体面と威信を保つために公然と虚言を吐くこととなっているのだ。要するに彼は、自らが『裸』であることを承知していながらも『裸の王様』を演じていく以外にないのである」。

中国の習近平国家主席主導の「一帯一路」構想が窮地に立たされている。6月、EU加盟国28カ国のうち27カ国の駐中国大使が中国を利するだけとして「一帯一路」構想批判の報告書をまとめた。同じく6月、政権交代したマレーシアが中国主導のマレー半島高速鉄道計画の廃止を表明した。パキスタン、ネパール、ミャンマーのインフラ建設案件が中止か延期である。理由は資金不足である。そこに米中貿易戦争である。「一帯一路」構想のとん挫必至となる。

日経の「世論調査考」「安倍内閣 強さともろさ」に「首相20代の人気高く」「安定志向、投票率は低く」が書かれている。

「安倍内閣の支持率を下支えしているのは若者だ。日本経済新聞社の22~24日の世論調査で、年代別の内閣支持率を見ると、最も高いのは18~29歳の63%。30代の56%と合わせ、比較的若い世代で全体平均よりも支持率が高い傾向が浮かぶ。

50代は内閣支持率が44%で不支持率は53%、60代は支持率44%、不支持率52%で、いずれも不支持が支持を上回る。安倍内閣は若年層と中高年層で支持に濃淡がある。

<就職環境を評価>

18~29歳で安倍内閣を支持すると答えた人に理由を複数回答で聞くと、『安定感がある』『国際感覚がある』が4割を超える。大学生の就職環境は良い。若者にとってはこのまま改善し続けるのが望ましく、安定志向が強いとの指摘は多い。安倍晋三首相の外交姿勢への評価も支持につながっている。

9月の自民党総裁選で誰が選ばれるのがふさわしいか聞く質問で、18~29歳は45%が安倍首相をと答えた。全体で安倍首相を選んだ人は30%なので、突出ぶりが目立つ。

若者の内閣支持率は2012年12月の第2次安倍内閣発足の当初から高かったわけではない。発足から2カ月後の13年2月調査では20代の内閣支持率は約5割、30代は66%と全体の70%より低い。就職環境が良くなるに伴って、若者の内閣支持率が全体を上回ることが多くなった。足元は若者人気が鮮明で、今年の1~6月の18~29歳の支持率は平均して全体より10ポイントも高い。

06年9月に発足した第1次安倍内閣の支持率を振り返ると、第2次以降と逆の傾向が浮かぶ。20代、30代の支持率は全体よりも低いことが多かった。むしろ60代や70歳以上の支持が目立った。

<改憲にも影響>

若者の人気に支えられて内閣支持率が高くても、実際の選挙で若者が投票に行かなければ、自民党が勝利できるかは見通せない。内閣不支持率が高い50代や60代の投票率が上がれば、政権批判票が増す可能性はある。

総務省によると、17年衆院選の投票率(小選挙区)は18歳が47・87%、19歳が33・25%で、いずれも全体の53・68%を下回る。20代も33・85%と低い。一方、50代は5月63・32%、60代は72・04%と全体平均を上回る。

17年衆院選の街頭演説に臨んだ首相が感じたのは、スマホの写真で首相を収めようと前列に並ぶ若者の熱気だった。『若い人がちゃんと選挙に行ってくれるといいんだけどね』。首相が周囲に漏らしたように、若者人気が集票力につながるかは投票率にも左右される。

首相がめざす憲法9条に自衛隊を明記する改憲案の成否も似た構図になる。4月調査で、18~29歳は賛成54%、反対28%。全体では賛成40%、反対41%と拮抗していた。50代は賛成42%、反対46%、60代は賛成36%、反対47%、70歳以上は賛成34%、反対46%で、中高年は反対の方が多い」。

日経調査で18~29歳の内閣支持率は63%もある。その反対が50代、60代の44%である。19ポイント差はネット世代とTV世代の違いとなる。もりかけ問題の影響の有無となる。40代、50代の支持率アップと18~30代の投票率アップには、自民党支持層の思想武装が必須となるが。

「国政選挙5連勝の結果としての数の力」

政治

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朝日の社説に「国会最終盤」「自民よまた『数の力』か」が書かれている。

「国会が最終盤にさしかかり、いよいよ自民党が『数の力』をむき出しにしてきた。安倍政権下でさんざん繰り返されてきた会期末の横暴を、これ以上許してはいけない。

与党はきのう、さまざまな疑問や矛盾が指摘されている『カジノ法案』の採決を衆院内閣委員会で強行した。刑法が禁じる賭博を解禁する全251条からなる新規立法で、約20年前に成立した介護保険法(215条)以来の大型法案だ。にもかかわらず、与党は慎重審議を求める野党の反対を押し切った。

さきの新潟県知事選での与党の勝利が、強気の国会運営に拍車をかけた。会期延長を視野に、次々に採決を強行する可能性が高まっている。

なかでも目を疑うのは、与党の党利党略があらわな参院の選挙制度改革の強引さだ。野党との協議を打ち切って法案を国会に提出し、今国会での成立をめざす姿勢を鮮明にした。

憲法改正での合区解消を唱え続けてきた自民党は今月になって、唐突に比例区4、選挙区2の定数6増案をまとめた。個人名得票の多い順に当選する比例区に、各党が優先的に当選させられる特定枠を設けたのは、合区された『島根と鳥取』『徳島と高知』の現職議員を比例区で救済する意図が明白だ。

民主主義の土俵をつくる選挙制度改革では、党派を超えた幅広い合意が求められる。こんなお手盛りの法案が成立すれば、その下で選ばれる参院議員の正統性にも傷がつく。

思い返されるのは、昨年の通常国会での『共謀罪』法の採決強行だ。委員会採決を省略できる『中間報告』という奇策で一方的に委員会審議を打ち切り、本会議で採決した。

安倍政権と自民、公明の与党には、異論に耳を傾け、納得ずくで物事を進める姿勢が決定的に欠落している。

参院の選挙制度改革では、自民党出身の伊達忠一議長の対応も信じがたい。野党に求められた『議長あっせん案』の提示を拒み、自民党の姿勢に同調した。中立的な立場から、熟議と幅広い合意形成を主導すべき議長の重い責任を放棄したも同然だ。

この先、政権が今国会の目玉と位置づける働き方改革法案など、いくつもの法案がヤマ場を迎える。数の力におごらず、討論と熟慮を尽くす。その過程があってこその議会だ。自民党の『採決ありき』の姿勢は、国会の権威を失墜させ続けるだけだ」。

社説の主旨である「自民よまた『数の力』か」に、異論がある。議会制民主主義の要諦は多数決の原理である。与党が衆参で3分の2以上の議席を有しているのだから、全ての法案は、最後は、与党の数の力で押し切ることになる。野党が最後まで抵抗するからである。

問題は、与党が衆参で3分の2以上の議席=数の力を持ったのは、安倍晋三首相が国政選挙で5連勝した結果である。民意が安倍晋三首相に、数の力を与えたのである。民意の支持を受けた与党が、最後は数の力で押し切るのは、議会制民主主義の原則に沿ったものである。野党が何故、民意の支持=数の力を得られないのかを、猛省することが最優先課題となるが。

朝日の「時時刻刻」に「強行国会 カジノでも」「審議18時間のみ、課題山積のまま」が書かれている。           

「怒号が飛び交う中で、カジノ実施法案の採決が15日、衆院内閣委委員会で強行された。ギャンブル依存症が増える懸念もあり、世論の反対も根強い。だが、わずか18時間10分の審議で、指摘された問題点は解消されないままだった。『数の力』を背景に、与党が最終盤国会を突き進め始めた。

『審議続行動機!』『動議!動議!』。衆院内閣委で山際大志郎委員長(自民党)が開会を宣言すると、立憲民主党の森山浩行氏がマイクを通して連呼した。

野党議員が委員長席を取り囲み、動議の提出を訴える中、山際氏は無視してカジノ実施法案の採決を強行。与党理事が手を上げて合図を送ると、与党の委員らが一斉に起立し、法案は可決された。わき起こる拍手――。委員会は、わずか1分で散会した。

2016年12月にも同じ光景があった。衆院内閣委で6時間20分の審議後、今回の法案の前提となるカジノ解禁法の採決が強行された。審議入りから2日という強引な運営だった。

カジノ実施法案は19日にも衆院本会議で可決され、論戦の舞台は衆院に移る。ただ、衆院の審議では問題点が次々と浮上した。

5月31日の参考人質疑。多重債務問題に詳しい新里宏二弁護士がこう訴えた。

『現場で(賭け金を)貸し出すことはあってはならない。ギャンブル依存症に直結する』

法案には、カジノ事業者が利用者に賭け金を貸す制度が盛り込まれている。既存のパチンコや公営ギャンブルに同様の制度はない。

政府は、借金できる対象が訪日外国人や資金力のある日本人に限定される点を強調する。特に日本人の場合は事前に多額の金をカジノ事業者に預けることが条件で、事業者が返済能力を調べて限度額を定める仕組みだ。

政府の有識者会議の委員を務めた美原融・大阪商業大教授は、富裕層ならカジノに現金を持参しないことを指摘し、『制度を認めないとVIPは1人も来られない』と主張する。

とはいえ、富裕層にもギャンブル依存症になるリスクはある。106億円を失った大王製紙の元会長は自著で、カジノで借りた金によって『自転車操業の資金繰りが続き、破滅への一本道はおそろしく加速度を増した』とつづった。

カジノでの借金は、借り入れを年収の3分の1までに制限する貸金業法の『総量規制』も適用されない。政府は『カジノ事業者は貸金業法の事業者ではない』ことを理由としているが、利用者の借入金がかさむことを黙認する仕組みになっており、多重債務を助長させる恐れがある。

野党が15日に開いた合同ヒアリングでは、監督機関である『カジノ管理委員会』の公正性に関する議論が再燃した。

石井啓一国土交通相は8日の審議で、カジノ事業者から事務局職員を採用する可能性に言及。15日のヒアリングでは、中川真内閣審議官が『カジノの電子プログラムなどについて知見を持つ人間がいないといけない』と述べた。

野党は、原子力規制庁の全職員について原子力推進に関わる組織や企業への異動を禁じる『ノーリターンルール』があると指摘。しかし、中川氏はカジノ管理委でこうしたルールを設ける必要性を否定した。

≪働き方・参院選改革も攻防、終盤へ急ぐ与党 野党抗戦≫
今国会で重要法案の採決強行は、働き方改革関連法案に続く2回目。参院の採決でも強行を辞さない構えだ。さらに参院選の『一票の格差』是正や合区対策として定数を6増する公職選挙法改正案は野党との協議を打ち切り、今国会成立に向けて提出に踏み切った。

転機は、与野党対決となった10日投開票の新潟県知事選だ。政府・与党は『負けたらIR(カジノ実施法案)もあきらめて国会を閉じるところだった』(政権幹部)と危機感を募らせていた。知事選の勝利は、強気の国会運営を支える。

ただ、会期を延長しなければ残る重要法案は成立できない。政府・与党は7月10日ごろまで延長する方針だが、野党側が委員長の解任決議案などで抵抗すれば、成立が見通せない法案もある。参院自民党からは『7月いっぱいは必要』との声も出た。

一方、国会を開いている限り、野党から森友・加計問題などの追及が続く。安倍晋三首相は7月中旬から訪欧を予定しており、自民党国会対策委員会幹部は『外遊前に閉じてほしいのが官邸の本音』と明かす。通常国会は会期の延長が1回しかできず、会期末ぎりぎりまで延長幅を見極めることになるという。

これに対し、立憲民主党の辻元清美国対委員長は15日、記者団に『あらゆる手段を使って日本をギャンブルから守る。1日でも1秒でも採決をさせないことの積み重ねだ』と訴えた。

野党各党は参院でも委員長の解任決議案や閣僚に対する問責決議案を次々と出す方針。その都度、法案審議をストップさせるのが狙いだ。野党国対委員長の一人は『世論も盛り上げ、最後には内閣不信任決議案を出す』と語った。

だが、野党内にも温度差がある。衆院内閣委での採決強行の際、野党議員が委員長席に詰め寄る中で国民民主党の議員は自分の席に座ったまま。『野党の典型だった乱闘国会をもうやめにしたい』(泉健太国対委員長)という『野党像』の違いが表れた」。

カジノ実施法案が15日、審議18時間のみで衆院内閣委員会で強行採決されたとしているが、野党が反対ありきだから止むを得ない。カジノは世界120カ国以上で合法化されており、世界で2000件以上が存在し、観光資源の一つとして競争が行われている。そもそも野党の言う「日本をギャンブルから守る」「500万のギャンブル依存症の拡大を許すな」との反対理由に,事実誤認がある。500万人はパチンコ依存症であり、入場制限のあるカジノでは、拡大の余地がないが。

読売の「補助線」に小田尚・調査研究本部客員研究員が「『モリカケ』が終わらない」が書かれている。

国会で森友・加計問題が取り上げられて、1年4か月も経つ。

野党はどう追及してきたか。森友学園への国有地払い下げでの大幅な値引きに安倍首相の口利きはなかったか。新設計画があった小学校の名誉校長を引き受けていた安倍昭恵首相夫人への忖度が財務省になかったのか。

加計学園に獣医学部新設が1校だけ認可されたのは、安倍首相が友人の加計孝太郎理事長に便宜を図ったためではないのか。

この間、首相は全面否定し続けた。事実、首相夫妻が直接かかわった証拠や証言は出てこない。

5月30日の1年半ぶりの党首討論で、立憲民主党の枝野代表が初めに持ち出したのは森友問題だった。質問通告に『国家の基本政策について』としながらである。

『森友学園から<優遇を受けられないか>という打診を受けた安倍昭恵夫人が、夫人付職員の谷査恵子氏を通じて関与し、財務省に問い合わせしている。働きかけにほかならないではないか』

枝野氏は、首相が昨年2月17日の衆院予算委員会で『(森友問題に)私や妻が関係したなら、首相も国会議員も辞める』と答弁したことの脇の甘さを突くが、夫人の地位悪用とまでは言えまい。

首相は『問題の本質は、なぜあの値段で国有地が籠池泰典理事長(当時)側に引き渡されたのか、なぜ小学校として認可されるのかだったはずだ』と反論した。

現に、その『なぜ』は、財務省や検察当局などの調査で解明されつつある。昨年11月、会計検査院は、8億円の値引きの根拠としたゴミの地中混入量が過大計算だった、との見解を示している。

財務省がゴミ撤去費用をあいまいにし、籠池氏側がこわもてで付け入ったために、小学校開設の遅れという訴訟リスクを恐れ、値引きをのまざるを得なかった。これが問題の本質ではないか。

3月に財務省の森友関連の決裁文書の改竄問題が発覚し、廃棄したはずの森友との交渉記録も出てきた。うかがえるのは、組織防衛の論理である。焦点は、首相夫妻の関与の有無から離れていく。

加計問題の本質は、国家戦略特区諮問会議、それに続く文部科学省の大学設置・学校法人審議会で不正があったかどうかだろう。

諮問会議は昨年1月、愛媛県今治市に加計学園の獣医学部設置を認め、民間議員は、『政策判断、既成改革のプロセスには一点の曇りもない』と説明した。昨年11月には林文科相が設置審の答申を尊重し、認可している。

諮問会議に向け、日本獣医師会は当時、『加計排除』のため、与野党へ政治工作を強めていた。加計が首相官邸に働きかけたことが一方的に問題視されている。

そもそも、十数年も門前払いされてきた加計側に対し、『首相案件』の国家戦略特区がある、と首相秘書官らが誘導することが、ひた隠しにするような罪なのか。

なぜ『モリカケ政局』は、なかなか収束しないのだろう。

森友問題は、財務省の公文書改竄・廃棄問題に拡大し、国会に対して財務省が虚偽の方向をしていたことで、麻生副総理兼財務相が批判の矢面に立ったためだ。

改竄・廃棄を主導した佐川宣寿前国税庁長官が5月31日、大阪地検の捜査で不起訴となり、かえって財務省の説明責任を問う声が与野党から上がる。今月4日の財務省の調査報告書では、改竄の動機は解明されなかった。

自民党総裁選絡みの政争に、麻生氏の責任問題も利用される。自民党の竹下総務会長は5日の総務会後、財務省の調査に不十分だとの異論が出たことを踏まえ、岸田政調会長の下で党独自に検証する考えを表明している。

加計問題では、愛媛県が5月に国会に提出した文書に、首相が2015年2月に加計理事長の説明を受け、『新しい獣医大学はいいね』と述べたと記載されていた。加計側は誤った情報を県に伝えたと釈明したが、疑念は残る。

小泉進次郎筆頭副幹事長は、6日の党の会合で『県に嘘をつくのはおかしい』と述べ、国会に調査特別委員会の設置を求めた。

野党に戦略目標がないことも影を落とす。首相の総裁3選阻止なのか、来年の参院選での勝利なのか、的が絞りきれていない。国会でモリカケを追及すると、内閣支持率が低下するのに味をしめ、野党は首相夫妻の関与の程度などを繰り返し質問する。それが楽なのだろう。自らの支持率が上向かないことには、少し目をつむるらしい」。

コラムの主旨である「『モリカケ』が終わらない」に異論がある。大阪地検特捜部の佐川氏を初めとする38人の財務省職員の不起訴処分発表で「もり」問題は終わった。8億円の値引きと文書改ざんに違法性はないとなったからである。安倍晋三首相夫妻の関与なしが立証された。一方「かけ」問題は、安倍晋三首相が友人の加計理事長に便宜を図ったのではないか、であるが、抵抗勢力である日本獣医師会からの石破4条件の閣議決定で無実が立証されている。今年4月獣医学部が開校した時点で終わっている。朝日・野党が終わらせないだけである。

「1人当たりの労働生産性の底上げが急務」

政治

国会

朝日の社説に「待遇格差訴訟 納得して働ける賃金に」が書かれている。

「正社員かそうでないかによって、賃金に不合理な格差を設けることは許されない。最高裁がそんな判決を言い渡した。

労働契約法に明記されていることだが、何をもって『不合理』とするか、明確に線引きするのは難しい。同じ会社の制度をめぐっても、地裁と高裁の評価が分かれるなどの混乱があるなか、最高裁が一定の判断基準を示した意義は大きい。

企業は、判決が説くところを理解し、自社の賃金体系に不備がないかを点検し、必要に応じて見直す必要がある。

浜松市の物流会社をめぐる裁判では、給食や通勤など6つの手当の支給に差があることの当否が争われた。最高裁はうち5つを不合理と判断した。

『長く働く正社員の意欲を高めるためだ』と会社側が主張していた皆勤手当についても、最高裁は有期契約の人に支給しない理由にはならないと述べた。仕事の内容や課せられた責任と関係のない格差は、原則として認められないという姿勢を明確にしたものといえる。

一方、横浜市の運送会社に定年後再雇用された人が、仕事は同じなのに各種手当が削られ、以前よりも年収が2割下がったと訴えていた裁判では、最高裁はある程度のダウンは法律に違反しないとの立場をとった。

年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、企業は希望する労働者を65歳まで雇うことが義務づけられている。そうした事情を踏まえたものだろう。

ただし無条件で許されたわけではない。この会社では、再雇用した社員について、稼働状況に応じた歩合給を優遇したり、年金が支払われるまでの調整給を支払ったりしていた。判決は、これらの措置が組合との団体交渉を経て決められた経緯などにも着目して、合法との結論を導きだしている。全体としてバランスがとれ、社内で適正な手続きを踏むことが大切だというメッセージを、くみ取らなければならない。

いまや非正規労働者は2千万人を超え、働く人の約4割に達する。だが賃金水準は正規の6割程度で、底上げは急務だ。

国会で審議中の働き方改革関連法案は「同一労働同一賃金」の実現を柱の一つに据える。政府は、どのような格差は許されないかを具体的に示したガイドライン案を公表している。最高裁が示した考えとも重なる部分が多いが、さらに分かりやすい内容に進化させる必要がある。だれもが納得して働ける社会に向けて、今回の判決も参考にしながら議論を深めたい」。

社説の主旨である「納得して働ける賃金に」は、正論である。「正社員かそうでないかによって、賃金に不合理な格差を設けることは許されない」との最高裁の判決は、「同一労働同一賃金」の原則に沿ったものだからである。

問題は、非正規労働者が2000万人を超え、働く人の約4割に達しているのに、賃金水準が正規の6割程度であることだ。底上げが急務となる。その方策が、1人当たりの労働生産性の底上げとなる。OECD加盟国中、日本は21位という低さのアップに、高プロ創設が不可欠なのに、である。朝日・野党は、高プロ創設を柱の一つとする働書き方改革関連法案を廃案に追い込もうとしている。矛盾である。「同一労働同一賃金」と「高プロ創設」は、セットであり、「納得して働ける賃金に」資するものとなるが。

朝日に「『非核化』米朝なお溝」「正恩氏側近、トランプ氏に親書」が書かれている。

「トランプ米大統領は1日、金正恩朝鮮労働党委員長の側近、金英哲副委員長から正恩氏の親書を受け取り、非核化の意志が固いかどうかを見極める。いったん中止した12日の米朝首脳会談が再設定されるかが注目されるが、米朝の立場の違いはいぜん大きい。

『真の進展があった』

ポンペオ米国務長官は5月31日、米ニューヨークで英哲氏と会談した後、記者団に手応えを語った。その上で、『今後数週間、数カ月で、金委員長が決断できる指導者かどうか、試す機会を持つことになる』と語り、早期の完全な非核化を決断するよう求めた。

ポンペオ氏は、日韓が懸念する在韓米軍縮小の可能性について、『米朝の合意は(日韓も)署名できる結果になるだろう』と述べ、両国と足並みをそろえて対応する方針を強調した。

ただ、最大の課題である北朝鮮の完全な非核化をめぐっては、米朝の溝の深さもうかがわせた。記者団から『米朝間で非核化とは何を意味するのか、合意しているのか』と問われると、ポンペオ氏は『難しい問題だ。まだ多くのやるべきことが残っている』。

米国にとって、北朝鮮の核兵器の『完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄』(CVID)は絶対に譲れない立場だ。北朝鮮がCVIDを履行して初めて『北朝鮮の体制保障や経済支援を与える』(米国務省高官)という方針を立てている。

だが、北朝鮮との交渉が進むにつれ、米政権内では、早期のCVIDは難しい、という見方も出始めている。北朝鮮には大量の各部室や核関連施設があり、米ニューヨーク・タイムズ紙は28日、核専門家の話として、北朝鮮の非核化を達成するには『15年はかかる』との見通しを伝えた。

トランプ氏による『首脳会談ありき』で走り始めており、最近になって北朝鮮との交渉経験がある高官らが交渉に加わったものの、北朝鮮との間で詳細な非核化の行程を詰める時間的な余裕がないのが実情だ。

米朝首脳会談を『歴史的』としたいトランプ氏は、米側が主張してきた核の一括廃棄の後に見返りを与える方針を改め、『段階的な非核化』を容認する柔軟な姿勢を示している。トランプ氏は31日、記者団に首脳会談について『1回ですべてが終わるというわけではない。2回目、または3回目も会談しないといけないかもしれない』と述べ、今後、複数回の会談を重ねる可能性も示唆した。

≪板門店・シンガポール実務協議続く≫

板門店での米朝高官の実務協議は、継続して行われる見通しだ。米韓関係筋によれば、27日と30日に北朝鮮の崔善姫外務次官らと会談したソン・キム元北朝鮮政策特別代表らは、韓国滞在を延長した。同筋は『金英哲氏の訪米結果を受け、更に実務協議を重ねる見通しだ』と語った。

米朝首脳会談の予定地シンガポールでも、米朝の実務協議が進んでいる。市街地から車で約30分のセントーサ島では、遊園地や水族館に囲まれた高級ホテルは一般客の出入りが制限されている。米大使館の車両や、北朝鮮代表団を乗せたとみられるドイツ製高級車が出入りしているのが確認された。今月中旬まで一般の宿泊予約ができなくなっており、首脳会談に利用される可能性がある。

米側はヘイガン大統領首席補佐官代理ら約30人。警備や日程などについて話し合っているようだ。一方の北朝鮮代表団を率いる正恩氏の秘書役、キム・チャンソン氏は、金正日総書記時代から書記局で勤務し、『金氏一家の執事』の異名をとる。韓国政府関係者は『チャンソン氏に直接交渉にあたらせているのは、開催に自信を持っている証しだろう』と語る」。

トランプ氏は31日、記者団に首脳会談を複数回重ねる可能性を示唆した。1回では金正恩氏のCVID履行への決断は難しいとの判断である。先ずは歴史的第1歩を、である。

朝日に「政治責任 取らぬ政権」「首相、麻生財務相の続投明言」が書かれている。

「森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざん問題で、財務省は4日に調査結果と関係者の処分を公表する。安倍晋三首相は1日の参院本会議で、麻生太郎財務相は続投させる方針を改めて表明。文書改ざんや意図的廃棄、事務次官のセクハラといった前代未聞の不祥事が続いても政治責任を取ろうとしない体質が厳しく問われている。

1日の参院本会議で、首相は文書改ざんについて、『誠に遺憾で、国民の皆様におわびを申し上げる』と陳謝。しかし、麻生氏については『厳正な処分を行った上で、再発防止に全力を挙げて取り組んでもらいたい』と述べ、あくまで続投させる方針を明言した。

しかし、第2次安倍政権が発足した2012年から副総理兼財務相を5年半にわたって務めている麻生氏にとって、文書改ざんや交渉記録の廃棄はすべて在任中に起きた不祥事だ。

加えて福田淳一前財務事務次官のセクハラ問題があった。佐川宣寿理財局長を国税庁長官に、福田氏を次官に起用したのも麻生氏。省のトップとしての監督責任や国会を混乱に陥れた重い政治責任がある。さらに改ざん問題では『個人の問題。組織全体でやっている感じはない』と強弁。セクハラ問題では『(福田氏が)はめられたという可能性は否定できない』と述べて撤回するなど、自身の問題意識の低さを露呈する発言を繰り返してきた。

朝日新聞が5月19、20日に実施した世論調査では『辞任すべきだ』が47%、『辞任する必要はない』は40%。立憲民主党の枝野幸男代表は『麻生大臣の責任追及に全力を挙げる』と述べるなど、野党の辞任要求も収まらない。

与党でも公明党からは厳しく政治責任を問う声が高まっている。それでも『続投』というのは、麻生氏の辞任が安倍政権の存続や自民党総裁選での3選を危うくするという首相の理屈だ。自民党内でも『辞めるべき人は辞めて、すっきりできないものか。いつまでも問題が終わらない』(ベテラン)との声が漏れる」。

安倍晋三首相が、1日の参院本会議で麻生太郎財務相の続投を明言したのは、31日、大阪地検特捜部が、佐川氏を含む38人の財務省職員を不起訴処分としたからである。違法性も贈賄もないとなったのだから、麻生氏の政治責任は問えない。だから、続投となったのである。そもそも、直近の朝日調査で、辞任すべき47%、辞任必要なし40%と、わずか7ポイント差では、野党の辞任要求は無理筋である。違法性も贈賄もないからである。

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