政治

「政権担当能力を競い合う党首討論に」

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 8月12日、安倍晋三内閣の支持率低下に対し、日本株は逆行して上昇してきた。その背景には支持率が下がれば、財政出動など政策を打ち出すとの期待がある。都内で5月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

朝日の社説に「党首討論」「『歴史的使命』立て直せ」が書かれている。

「安倍首相は相変わらず質問に正面から答えない。そうした首相の対応を見切ってか、野党党首も自らの主張の披露に力点を置く。これではとてもかみ合った議論になるはずがない。

今国会で2度目となる党首討論がきのう開かれた。1カ月前の前回は、首相が質問と関係ない話を延々と続けたり、論点をすり替えたりして、議論の体をなさなかった。

その反省を生かせるかが焦点だった。行司役の委員長が冒頭、与野党双方に『発言は簡潔に』と求めたのもその表れだ。

だが、残念ながら、今回も緊張感のある丁々発止の議論には程遠く、党首討論の存在意義そのものが問われる危機的状況と言わざるを得ない。

まずは首相の対応である。

共産党の志位和夫委員長は、加計学園が首相の名をたびたび使って、愛媛県や今治市から巨額の補助金を『かすめとった』ことにならないかと追及した。首相は『県・市が主体的に判断することで、私はあずかり知らない』と評価を避け続けた。

森友問題では、無所属の会の岡田克也代表の質問に対し、過去の国会答弁の内容を長々と説明し、時間を空費した。

一方の野党はどうか。立憲民主党の枝野幸男代表は『安倍政権の問題点を7つ列挙したい』と切り出し、約6分間、森友・加計問題や、米軍機の墜落事故をめぐる首相答弁への疑義を一気に並べ立てた。

前回、枝野氏は持ち時間19分のうち12分を、首相の一方的な説明に費やされてしまった。その轍を踏むまいということだったのだろうが、これでは首相の手法と同じではないか。

枝野氏は前回の討論後、『意味のないことをダラダラとしゃべる首相を相手に、今の党首討論はほとんど歴史的意味を終えた』と語った。首相はきのうの討論の中で、この発言を引いて『本当に歴史的な使命が終わってしまった』と言い放った。

党首討論は英国議会をモデルに、国会論戦の活性化を狙って00年に正式に導入された。与野党のトップ同士が大局的な見地から議論を深める意義は、決して失われてはいない。民主党政権下での野田首相と野党自民党の谷垣禎一総裁との討論が、社会保障と税の一帯改革につながった例もある。

『歴史的な使命』を終わらせるのではなく、与野党がともに、本来あるべき姿を実現するための方策に知恵を絞るのが筋だ。何より大事なのは、議論を通じて政治の質を高めようという意思である」。

社説の主旨である「歴史的使命立て直せ」に異論がある。

党首討論の歴史的使命を終わらせたのは、野党が一方的な印象操作に終始したからである。もりかけ問題で安倍晋三首相の関与の決定的証拠を提示せず、安倍首相が権力を乱用したとの印象操作を繰り返したからである。国策を巡る大局見地からの政権担当能力を競い合う討論には程遠いと言わざるを得ない。

問題は、もりかけ問題が朝日・野党が仕掛けたフェイクニュースによる倒閣運動であったことだ。1年半続いたもりかけ問題で確かに内閣支持率は今年の2月から急落、不支持率が支持率を逆転したが、6月に入ってからは、支持率が反転上昇し、再度不支持率を逆転、日経調査では内閣支持率が52%、不支持率42%と2月の水準に戻している。一方、反安倍の野党の支持率の合計が15%前後であり、与党支持率の3分の1しかない。安倍晋三首相への不信が薄れ、野党への不信が増幅したとなる。朝日・野党の倒閣運動は失敗したとなるが。その象徴が、朝日の「『歴史的使命』立て直せ」の文言となる。政権担当能力を競い合う党首討論に、である。

産経の「石平のChina Watch」に「茶番となった『一帯一路』」が書かれている。

「中国の習近平国家主席肝煎りの『一帯一路』構想が今、窮地に立たされている。

昨年1年間で、パキスタンやネパール、ミャンマーで中国関与のインフラ建設案件が相次いで中止や延期に追い込まれた。先月にはマレーシアが、中国が『一帯一路』の主要事業として受注攻勢をかけていたマレー半島高速鉄道計画の廃止を表明した。

当初は『一帯一路』への協力に積極的だった西側諸国も、この〝壮大なる構想″の危うさに気がついた。

やはり先月には、欧州連合(EU)加盟国28カ国のうち27カ国の駐中国大使が、『中国に利するように設計されている』とし、『一帯一路』を厳しく批判する報告書をまとめている。

このように、アジアなどの地域で中国主導の投資プロジェクトの展開を主な内容とする『一帯一路』は今、投資される方のアジア諸国と投資を期待される方のEU諸国の両方からそっぽを向かれ、もはや風前のともしび、四面楚歌の状況である。

『一帯一路』がこのような大失敗を演じている事実は中国国内ではほとんど報道されていないが、最近、中国のメディアに登場する『一帯一路』の関連ニュースは、次のようなものだ。

今月18日、上海国際映画祭で『一帯一路映画文化フォーラム』が催された。関係諸国の映画監督たちが一堂に集まり、『一帯一路映画祭』の創設を討議したという。

同じ18日、『一帯一路・シルク文化の旅』というイベントが中国の黒竜江省、深?市、そして香港・マカオなどの各地で同時に開催され、多くの芸術家たちが『一帯一路』をテーマとした舞台や作品を披露した。

そして同19日付の江西日報の報道によると、江西省サッカー協会は26日から、タイやイランなどの6カ国からサッカーチームを招き、『一帯一路国際サッカー親善試合』を開催する、というのである。

こんなニュースを目にして、筆者の私は思わず噴き出してしまった。

『映画祭』の開催にしても、『文化の旅』にしても、『国際サッカー親善試合』にしても、それらが一体、インフラ建設を内容とする『一帯一路』と何の関係があるというのか。

多くの投資プロジェクトが中止や延期の憂き目にあい、『一帯一路』が開店休業状態となっている中で、中国当局は何とかして『やっている感』を演出してみせるために、サッカーも映画も無理やり『一帯一路』に関連づけて国民の目をごまかそうとしているのだろう。

鳴り物入りの『一帯一路』はすでにその本来の意味を失って、単なる茶番となりつつあるのである。

その中で、『一帯一路』の提唱者である習主席もこの壮大なる茶番に登場した。

今月7日、習主席はカザフスタンのナザルバエフ大統領と首脳会談を行ったが、この会談において、ナザルバエフ大統領は『一帯一路』にほとんど触れていないのに、習主席は一方的に熱心に吹聴した。

『一帯一路が積極的な成果を上げた』と自画自賛した上で、『成果を上げたのは世界の潮流に順応したからだ』と、『成功の原因』を分析してみせたのである。

もちろん、彼の言う『積極的な成果を上げた』のも『世界の潮流に順応している』のも、単なる虚言でしかない。上述のように、事実はその正反対である。

一枚看板の『一帯一路』が大きく挫折している今、習主席は結局、自らの体面と威信を保つために公然と虚言を吐くこととなっているのだ。要するに彼は、自らが『裸』であることを承知していながらも『裸の王様』を演じていく以外にないのである」。

中国の習近平国家主席主導の「一帯一路」構想が窮地に立たされている。6月、EU加盟国28カ国のうち27カ国の駐中国大使が中国を利するだけとして「一帯一路」構想批判の報告書をまとめた。同じく6月、政権交代したマレーシアが中国主導のマレー半島高速鉄道計画の廃止を表明した。パキスタン、ネパール、ミャンマーのインフラ建設案件が中止か延期である。理由は資金不足である。そこに米中貿易戦争である。「一帯一路」構想のとん挫必至となる。

日経の「世論調査考」「安倍内閣 強さともろさ」に「首相20代の人気高く」「安定志向、投票率は低く」が書かれている。

「安倍内閣の支持率を下支えしているのは若者だ。日本経済新聞社の22~24日の世論調査で、年代別の内閣支持率を見ると、最も高いのは18~29歳の63%。30代の56%と合わせ、比較的若い世代で全体平均よりも支持率が高い傾向が浮かぶ。

50代は内閣支持率が44%で不支持率は53%、60代は支持率44%、不支持率52%で、いずれも不支持が支持を上回る。安倍内閣は若年層と中高年層で支持に濃淡がある。

<就職環境を評価>

18~29歳で安倍内閣を支持すると答えた人に理由を複数回答で聞くと、『安定感がある』『国際感覚がある』が4割を超える。大学生の就職環境は良い。若者にとってはこのまま改善し続けるのが望ましく、安定志向が強いとの指摘は多い。安倍晋三首相の外交姿勢への評価も支持につながっている。

9月の自民党総裁選で誰が選ばれるのがふさわしいか聞く質問で、18~29歳は45%が安倍首相をと答えた。全体で安倍首相を選んだ人は30%なので、突出ぶりが目立つ。

若者の内閣支持率は2012年12月の第2次安倍内閣発足の当初から高かったわけではない。発足から2カ月後の13年2月調査では20代の内閣支持率は約5割、30代は66%と全体の70%より低い。就職環境が良くなるに伴って、若者の内閣支持率が全体を上回ることが多くなった。足元は若者人気が鮮明で、今年の1~6月の18~29歳の支持率は平均して全体より10ポイントも高い。

06年9月に発足した第1次安倍内閣の支持率を振り返ると、第2次以降と逆の傾向が浮かぶ。20代、30代の支持率は全体よりも低いことが多かった。むしろ60代や70歳以上の支持が目立った。

<改憲にも影響>

若者の人気に支えられて内閣支持率が高くても、実際の選挙で若者が投票に行かなければ、自民党が勝利できるかは見通せない。内閣不支持率が高い50代や60代の投票率が上がれば、政権批判票が増す可能性はある。

総務省によると、17年衆院選の投票率(小選挙区)は18歳が47・87%、19歳が33・25%で、いずれも全体の53・68%を下回る。20代も33・85%と低い。一方、50代は5月63・32%、60代は72・04%と全体平均を上回る。

17年衆院選の街頭演説に臨んだ首相が感じたのは、スマホの写真で首相を収めようと前列に並ぶ若者の熱気だった。『若い人がちゃんと選挙に行ってくれるといいんだけどね』。首相が周囲に漏らしたように、若者人気が集票力につながるかは投票率にも左右される。

首相がめざす憲法9条に自衛隊を明記する改憲案の成否も似た構図になる。4月調査で、18~29歳は賛成54%、反対28%。全体では賛成40%、反対41%と拮抗していた。50代は賛成42%、反対46%、60代は賛成36%、反対47%、70歳以上は賛成34%、反対46%で、中高年は反対の方が多い」。

日経調査で18~29歳の内閣支持率は63%もある。その反対が50代、60代の44%である。19ポイント差はネット世代とTV世代の違いとなる。もりかけ問題の影響の有無となる。40代、50代の支持率アップと18~30代の投票率アップには、自民党支持層の思想武装が必須となるが。

「国政選挙5連勝の結果としての数の力」

政治

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朝日の社説に「国会最終盤」「自民よまた『数の力』か」が書かれている。

「国会が最終盤にさしかかり、いよいよ自民党が『数の力』をむき出しにしてきた。安倍政権下でさんざん繰り返されてきた会期末の横暴を、これ以上許してはいけない。

与党はきのう、さまざまな疑問や矛盾が指摘されている『カジノ法案』の採決を衆院内閣委員会で強行した。刑法が禁じる賭博を解禁する全251条からなる新規立法で、約20年前に成立した介護保険法(215条)以来の大型法案だ。にもかかわらず、与党は慎重審議を求める野党の反対を押し切った。

さきの新潟県知事選での与党の勝利が、強気の国会運営に拍車をかけた。会期延長を視野に、次々に採決を強行する可能性が高まっている。

なかでも目を疑うのは、与党の党利党略があらわな参院の選挙制度改革の強引さだ。野党との協議を打ち切って法案を国会に提出し、今国会での成立をめざす姿勢を鮮明にした。

憲法改正での合区解消を唱え続けてきた自民党は今月になって、唐突に比例区4、選挙区2の定数6増案をまとめた。個人名得票の多い順に当選する比例区に、各党が優先的に当選させられる特定枠を設けたのは、合区された『島根と鳥取』『徳島と高知』の現職議員を比例区で救済する意図が明白だ。

民主主義の土俵をつくる選挙制度改革では、党派を超えた幅広い合意が求められる。こんなお手盛りの法案が成立すれば、その下で選ばれる参院議員の正統性にも傷がつく。

思い返されるのは、昨年の通常国会での『共謀罪』法の採決強行だ。委員会採決を省略できる『中間報告』という奇策で一方的に委員会審議を打ち切り、本会議で採決した。

安倍政権と自民、公明の与党には、異論に耳を傾け、納得ずくで物事を進める姿勢が決定的に欠落している。

参院の選挙制度改革では、自民党出身の伊達忠一議長の対応も信じがたい。野党に求められた『議長あっせん案』の提示を拒み、自民党の姿勢に同調した。中立的な立場から、熟議と幅広い合意形成を主導すべき議長の重い責任を放棄したも同然だ。

この先、政権が今国会の目玉と位置づける働き方改革法案など、いくつもの法案がヤマ場を迎える。数の力におごらず、討論と熟慮を尽くす。その過程があってこその議会だ。自民党の『採決ありき』の姿勢は、国会の権威を失墜させ続けるだけだ」。

社説の主旨である「自民よまた『数の力』か」に、異論がある。議会制民主主義の要諦は多数決の原理である。与党が衆参で3分の2以上の議席を有しているのだから、全ての法案は、最後は、与党の数の力で押し切ることになる。野党が最後まで抵抗するからである。

問題は、与党が衆参で3分の2以上の議席=数の力を持ったのは、安倍晋三首相が国政選挙で5連勝した結果である。民意が安倍晋三首相に、数の力を与えたのである。民意の支持を受けた与党が、最後は数の力で押し切るのは、議会制民主主義の原則に沿ったものである。野党が何故、民意の支持=数の力を得られないのかを、猛省することが最優先課題となるが。

朝日の「時時刻刻」に「強行国会 カジノでも」「審議18時間のみ、課題山積のまま」が書かれている。           

「怒号が飛び交う中で、カジノ実施法案の採決が15日、衆院内閣委委員会で強行された。ギャンブル依存症が増える懸念もあり、世論の反対も根強い。だが、わずか18時間10分の審議で、指摘された問題点は解消されないままだった。『数の力』を背景に、与党が最終盤国会を突き進め始めた。

『審議続行動機!』『動議!動議!』。衆院内閣委で山際大志郎委員長(自民党)が開会を宣言すると、立憲民主党の森山浩行氏がマイクを通して連呼した。

野党議員が委員長席を取り囲み、動議の提出を訴える中、山際氏は無視してカジノ実施法案の採決を強行。与党理事が手を上げて合図を送ると、与党の委員らが一斉に起立し、法案は可決された。わき起こる拍手――。委員会は、わずか1分で散会した。

2016年12月にも同じ光景があった。衆院内閣委で6時間20分の審議後、今回の法案の前提となるカジノ解禁法の採決が強行された。審議入りから2日という強引な運営だった。

カジノ実施法案は19日にも衆院本会議で可決され、論戦の舞台は衆院に移る。ただ、衆院の審議では問題点が次々と浮上した。

5月31日の参考人質疑。多重債務問題に詳しい新里宏二弁護士がこう訴えた。

『現場で(賭け金を)貸し出すことはあってはならない。ギャンブル依存症に直結する』

法案には、カジノ事業者が利用者に賭け金を貸す制度が盛り込まれている。既存のパチンコや公営ギャンブルに同様の制度はない。

政府は、借金できる対象が訪日外国人や資金力のある日本人に限定される点を強調する。特に日本人の場合は事前に多額の金をカジノ事業者に預けることが条件で、事業者が返済能力を調べて限度額を定める仕組みだ。

政府の有識者会議の委員を務めた美原融・大阪商業大教授は、富裕層ならカジノに現金を持参しないことを指摘し、『制度を認めないとVIPは1人も来られない』と主張する。

とはいえ、富裕層にもギャンブル依存症になるリスクはある。106億円を失った大王製紙の元会長は自著で、カジノで借りた金によって『自転車操業の資金繰りが続き、破滅への一本道はおそろしく加速度を増した』とつづった。

カジノでの借金は、借り入れを年収の3分の1までに制限する貸金業法の『総量規制』も適用されない。政府は『カジノ事業者は貸金業法の事業者ではない』ことを理由としているが、利用者の借入金がかさむことを黙認する仕組みになっており、多重債務を助長させる恐れがある。

野党が15日に開いた合同ヒアリングでは、監督機関である『カジノ管理委員会』の公正性に関する議論が再燃した。

石井啓一国土交通相は8日の審議で、カジノ事業者から事務局職員を採用する可能性に言及。15日のヒアリングでは、中川真内閣審議官が『カジノの電子プログラムなどについて知見を持つ人間がいないといけない』と述べた。

野党は、原子力規制庁の全職員について原子力推進に関わる組織や企業への異動を禁じる『ノーリターンルール』があると指摘。しかし、中川氏はカジノ管理委でこうしたルールを設ける必要性を否定した。

≪働き方・参院選改革も攻防、終盤へ急ぐ与党 野党抗戦≫
今国会で重要法案の採決強行は、働き方改革関連法案に続く2回目。参院の採決でも強行を辞さない構えだ。さらに参院選の『一票の格差』是正や合区対策として定数を6増する公職選挙法改正案は野党との協議を打ち切り、今国会成立に向けて提出に踏み切った。

転機は、与野党対決となった10日投開票の新潟県知事選だ。政府・与党は『負けたらIR(カジノ実施法案)もあきらめて国会を閉じるところだった』(政権幹部)と危機感を募らせていた。知事選の勝利は、強気の国会運営を支える。

ただ、会期を延長しなければ残る重要法案は成立できない。政府・与党は7月10日ごろまで延長する方針だが、野党側が委員長の解任決議案などで抵抗すれば、成立が見通せない法案もある。参院自民党からは『7月いっぱいは必要』との声も出た。

一方、国会を開いている限り、野党から森友・加計問題などの追及が続く。安倍晋三首相は7月中旬から訪欧を予定しており、自民党国会対策委員会幹部は『外遊前に閉じてほしいのが官邸の本音』と明かす。通常国会は会期の延長が1回しかできず、会期末ぎりぎりまで延長幅を見極めることになるという。

これに対し、立憲民主党の辻元清美国対委員長は15日、記者団に『あらゆる手段を使って日本をギャンブルから守る。1日でも1秒でも採決をさせないことの積み重ねだ』と訴えた。

野党各党は参院でも委員長の解任決議案や閣僚に対する問責決議案を次々と出す方針。その都度、法案審議をストップさせるのが狙いだ。野党国対委員長の一人は『世論も盛り上げ、最後には内閣不信任決議案を出す』と語った。

だが、野党内にも温度差がある。衆院内閣委での採決強行の際、野党議員が委員長席に詰め寄る中で国民民主党の議員は自分の席に座ったまま。『野党の典型だった乱闘国会をもうやめにしたい』(泉健太国対委員長)という『野党像』の違いが表れた」。

カジノ実施法案が15日、審議18時間のみで衆院内閣委員会で強行採決されたとしているが、野党が反対ありきだから止むを得ない。カジノは世界120カ国以上で合法化されており、世界で2000件以上が存在し、観光資源の一つとして競争が行われている。そもそも野党の言う「日本をギャンブルから守る」「500万のギャンブル依存症の拡大を許すな」との反対理由に,事実誤認がある。500万人はパチンコ依存症であり、入場制限のあるカジノでは、拡大の余地がないが。

読売の「補助線」に小田尚・調査研究本部客員研究員が「『モリカケ』が終わらない」が書かれている。

国会で森友・加計問題が取り上げられて、1年4か月も経つ。

野党はどう追及してきたか。森友学園への国有地払い下げでの大幅な値引きに安倍首相の口利きはなかったか。新設計画があった小学校の名誉校長を引き受けていた安倍昭恵首相夫人への忖度が財務省になかったのか。

加計学園に獣医学部新設が1校だけ認可されたのは、安倍首相が友人の加計孝太郎理事長に便宜を図ったためではないのか。

この間、首相は全面否定し続けた。事実、首相夫妻が直接かかわった証拠や証言は出てこない。

5月30日の1年半ぶりの党首討論で、立憲民主党の枝野代表が初めに持ち出したのは森友問題だった。質問通告に『国家の基本政策について』としながらである。

『森友学園から<優遇を受けられないか>という打診を受けた安倍昭恵夫人が、夫人付職員の谷査恵子氏を通じて関与し、財務省に問い合わせしている。働きかけにほかならないではないか』

枝野氏は、首相が昨年2月17日の衆院予算委員会で『(森友問題に)私や妻が関係したなら、首相も国会議員も辞める』と答弁したことの脇の甘さを突くが、夫人の地位悪用とまでは言えまい。

首相は『問題の本質は、なぜあの値段で国有地が籠池泰典理事長(当時)側に引き渡されたのか、なぜ小学校として認可されるのかだったはずだ』と反論した。

現に、その『なぜ』は、財務省や検察当局などの調査で解明されつつある。昨年11月、会計検査院は、8億円の値引きの根拠としたゴミの地中混入量が過大計算だった、との見解を示している。

財務省がゴミ撤去費用をあいまいにし、籠池氏側がこわもてで付け入ったために、小学校開設の遅れという訴訟リスクを恐れ、値引きをのまざるを得なかった。これが問題の本質ではないか。

3月に財務省の森友関連の決裁文書の改竄問題が発覚し、廃棄したはずの森友との交渉記録も出てきた。うかがえるのは、組織防衛の論理である。焦点は、首相夫妻の関与の有無から離れていく。

加計問題の本質は、国家戦略特区諮問会議、それに続く文部科学省の大学設置・学校法人審議会で不正があったかどうかだろう。

諮問会議は昨年1月、愛媛県今治市に加計学園の獣医学部設置を認め、民間議員は、『政策判断、既成改革のプロセスには一点の曇りもない』と説明した。昨年11月には林文科相が設置審の答申を尊重し、認可している。

諮問会議に向け、日本獣医師会は当時、『加計排除』のため、与野党へ政治工作を強めていた。加計が首相官邸に働きかけたことが一方的に問題視されている。

そもそも、十数年も門前払いされてきた加計側に対し、『首相案件』の国家戦略特区がある、と首相秘書官らが誘導することが、ひた隠しにするような罪なのか。

なぜ『モリカケ政局』は、なかなか収束しないのだろう。

森友問題は、財務省の公文書改竄・廃棄問題に拡大し、国会に対して財務省が虚偽の方向をしていたことで、麻生副総理兼財務相が批判の矢面に立ったためだ。

改竄・廃棄を主導した佐川宣寿前国税庁長官が5月31日、大阪地検の捜査で不起訴となり、かえって財務省の説明責任を問う声が与野党から上がる。今月4日の財務省の調査報告書では、改竄の動機は解明されなかった。

自民党総裁選絡みの政争に、麻生氏の責任問題も利用される。自民党の竹下総務会長は5日の総務会後、財務省の調査に不十分だとの異論が出たことを踏まえ、岸田政調会長の下で党独自に検証する考えを表明している。

加計問題では、愛媛県が5月に国会に提出した文書に、首相が2015年2月に加計理事長の説明を受け、『新しい獣医大学はいいね』と述べたと記載されていた。加計側は誤った情報を県に伝えたと釈明したが、疑念は残る。

小泉進次郎筆頭副幹事長は、6日の党の会合で『県に嘘をつくのはおかしい』と述べ、国会に調査特別委員会の設置を求めた。

野党に戦略目標がないことも影を落とす。首相の総裁3選阻止なのか、来年の参院選での勝利なのか、的が絞りきれていない。国会でモリカケを追及すると、内閣支持率が低下するのに味をしめ、野党は首相夫妻の関与の程度などを繰り返し質問する。それが楽なのだろう。自らの支持率が上向かないことには、少し目をつむるらしい」。

コラムの主旨である「『モリカケ』が終わらない」に異論がある。大阪地検特捜部の佐川氏を初めとする38人の財務省職員の不起訴処分発表で「もり」問題は終わった。8億円の値引きと文書改ざんに違法性はないとなったからである。安倍晋三首相夫妻の関与なしが立証された。一方「かけ」問題は、安倍晋三首相が友人の加計理事長に便宜を図ったのではないか、であるが、抵抗勢力である日本獣医師会からの石破4条件の閣議決定で無実が立証されている。今年4月獣医学部が開校した時点で終わっている。朝日・野党が終わらせないだけである。

「1人当たりの労働生産性の底上げが急務」

政治

国会

朝日の社説に「待遇格差訴訟 納得して働ける賃金に」が書かれている。

「正社員かそうでないかによって、賃金に不合理な格差を設けることは許されない。最高裁がそんな判決を言い渡した。

労働契約法に明記されていることだが、何をもって『不合理』とするか、明確に線引きするのは難しい。同じ会社の制度をめぐっても、地裁と高裁の評価が分かれるなどの混乱があるなか、最高裁が一定の判断基準を示した意義は大きい。

企業は、判決が説くところを理解し、自社の賃金体系に不備がないかを点検し、必要に応じて見直す必要がある。

浜松市の物流会社をめぐる裁判では、給食や通勤など6つの手当の支給に差があることの当否が争われた。最高裁はうち5つを不合理と判断した。

『長く働く正社員の意欲を高めるためだ』と会社側が主張していた皆勤手当についても、最高裁は有期契約の人に支給しない理由にはならないと述べた。仕事の内容や課せられた責任と関係のない格差は、原則として認められないという姿勢を明確にしたものといえる。

一方、横浜市の運送会社に定年後再雇用された人が、仕事は同じなのに各種手当が削られ、以前よりも年収が2割下がったと訴えていた裁判では、最高裁はある程度のダウンは法律に違反しないとの立場をとった。

年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、企業は希望する労働者を65歳まで雇うことが義務づけられている。そうした事情を踏まえたものだろう。

ただし無条件で許されたわけではない。この会社では、再雇用した社員について、稼働状況に応じた歩合給を優遇したり、年金が支払われるまでの調整給を支払ったりしていた。判決は、これらの措置が組合との団体交渉を経て決められた経緯などにも着目して、合法との結論を導きだしている。全体としてバランスがとれ、社内で適正な手続きを踏むことが大切だというメッセージを、くみ取らなければならない。

いまや非正規労働者は2千万人を超え、働く人の約4割に達する。だが賃金水準は正規の6割程度で、底上げは急務だ。

国会で審議中の働き方改革関連法案は「同一労働同一賃金」の実現を柱の一つに据える。政府は、どのような格差は許されないかを具体的に示したガイドライン案を公表している。最高裁が示した考えとも重なる部分が多いが、さらに分かりやすい内容に進化させる必要がある。だれもが納得して働ける社会に向けて、今回の判決も参考にしながら議論を深めたい」。

社説の主旨である「納得して働ける賃金に」は、正論である。「正社員かそうでないかによって、賃金に不合理な格差を設けることは許されない」との最高裁の判決は、「同一労働同一賃金」の原則に沿ったものだからである。

問題は、非正規労働者が2000万人を超え、働く人の約4割に達しているのに、賃金水準が正規の6割程度であることだ。底上げが急務となる。その方策が、1人当たりの労働生産性の底上げとなる。OECD加盟国中、日本は21位という低さのアップに、高プロ創設が不可欠なのに、である。朝日・野党は、高プロ創設を柱の一つとする働書き方改革関連法案を廃案に追い込もうとしている。矛盾である。「同一労働同一賃金」と「高プロ創設」は、セットであり、「納得して働ける賃金に」資するものとなるが。

朝日に「『非核化』米朝なお溝」「正恩氏側近、トランプ氏に親書」が書かれている。

「トランプ米大統領は1日、金正恩朝鮮労働党委員長の側近、金英哲副委員長から正恩氏の親書を受け取り、非核化の意志が固いかどうかを見極める。いったん中止した12日の米朝首脳会談が再設定されるかが注目されるが、米朝の立場の違いはいぜん大きい。

『真の進展があった』

ポンペオ米国務長官は5月31日、米ニューヨークで英哲氏と会談した後、記者団に手応えを語った。その上で、『今後数週間、数カ月で、金委員長が決断できる指導者かどうか、試す機会を持つことになる』と語り、早期の完全な非核化を決断するよう求めた。

ポンペオ氏は、日韓が懸念する在韓米軍縮小の可能性について、『米朝の合意は(日韓も)署名できる結果になるだろう』と述べ、両国と足並みをそろえて対応する方針を強調した。

ただ、最大の課題である北朝鮮の完全な非核化をめぐっては、米朝の溝の深さもうかがわせた。記者団から『米朝間で非核化とは何を意味するのか、合意しているのか』と問われると、ポンペオ氏は『難しい問題だ。まだ多くのやるべきことが残っている』。

米国にとって、北朝鮮の核兵器の『完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄』(CVID)は絶対に譲れない立場だ。北朝鮮がCVIDを履行して初めて『北朝鮮の体制保障や経済支援を与える』(米国務省高官)という方針を立てている。

だが、北朝鮮との交渉が進むにつれ、米政権内では、早期のCVIDは難しい、という見方も出始めている。北朝鮮には大量の各部室や核関連施設があり、米ニューヨーク・タイムズ紙は28日、核専門家の話として、北朝鮮の非核化を達成するには『15年はかかる』との見通しを伝えた。

トランプ氏による『首脳会談ありき』で走り始めており、最近になって北朝鮮との交渉経験がある高官らが交渉に加わったものの、北朝鮮との間で詳細な非核化の行程を詰める時間的な余裕がないのが実情だ。

米朝首脳会談を『歴史的』としたいトランプ氏は、米側が主張してきた核の一括廃棄の後に見返りを与える方針を改め、『段階的な非核化』を容認する柔軟な姿勢を示している。トランプ氏は31日、記者団に首脳会談について『1回ですべてが終わるというわけではない。2回目、または3回目も会談しないといけないかもしれない』と述べ、今後、複数回の会談を重ねる可能性も示唆した。

≪板門店・シンガポール実務協議続く≫

板門店での米朝高官の実務協議は、継続して行われる見通しだ。米韓関係筋によれば、27日と30日に北朝鮮の崔善姫外務次官らと会談したソン・キム元北朝鮮政策特別代表らは、韓国滞在を延長した。同筋は『金英哲氏の訪米結果を受け、更に実務協議を重ねる見通しだ』と語った。

米朝首脳会談の予定地シンガポールでも、米朝の実務協議が進んでいる。市街地から車で約30分のセントーサ島では、遊園地や水族館に囲まれた高級ホテルは一般客の出入りが制限されている。米大使館の車両や、北朝鮮代表団を乗せたとみられるドイツ製高級車が出入りしているのが確認された。今月中旬まで一般の宿泊予約ができなくなっており、首脳会談に利用される可能性がある。

米側はヘイガン大統領首席補佐官代理ら約30人。警備や日程などについて話し合っているようだ。一方の北朝鮮代表団を率いる正恩氏の秘書役、キム・チャンソン氏は、金正日総書記時代から書記局で勤務し、『金氏一家の執事』の異名をとる。韓国政府関係者は『チャンソン氏に直接交渉にあたらせているのは、開催に自信を持っている証しだろう』と語る」。

トランプ氏は31日、記者団に首脳会談を複数回重ねる可能性を示唆した。1回では金正恩氏のCVID履行への決断は難しいとの判断である。先ずは歴史的第1歩を、である。

朝日に「政治責任 取らぬ政権」「首相、麻生財務相の続投明言」が書かれている。

「森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざん問題で、財務省は4日に調査結果と関係者の処分を公表する。安倍晋三首相は1日の参院本会議で、麻生太郎財務相は続投させる方針を改めて表明。文書改ざんや意図的廃棄、事務次官のセクハラといった前代未聞の不祥事が続いても政治責任を取ろうとしない体質が厳しく問われている。

1日の参院本会議で、首相は文書改ざんについて、『誠に遺憾で、国民の皆様におわびを申し上げる』と陳謝。しかし、麻生氏については『厳正な処分を行った上で、再発防止に全力を挙げて取り組んでもらいたい』と述べ、あくまで続投させる方針を明言した。

しかし、第2次安倍政権が発足した2012年から副総理兼財務相を5年半にわたって務めている麻生氏にとって、文書改ざんや交渉記録の廃棄はすべて在任中に起きた不祥事だ。

加えて福田淳一前財務事務次官のセクハラ問題があった。佐川宣寿理財局長を国税庁長官に、福田氏を次官に起用したのも麻生氏。省のトップとしての監督責任や国会を混乱に陥れた重い政治責任がある。さらに改ざん問題では『個人の問題。組織全体でやっている感じはない』と強弁。セクハラ問題では『(福田氏が)はめられたという可能性は否定できない』と述べて撤回するなど、自身の問題意識の低さを露呈する発言を繰り返してきた。

朝日新聞が5月19、20日に実施した世論調査では『辞任すべきだ』が47%、『辞任する必要はない』は40%。立憲民主党の枝野幸男代表は『麻生大臣の責任追及に全力を挙げる』と述べるなど、野党の辞任要求も収まらない。

与党でも公明党からは厳しく政治責任を問う声が高まっている。それでも『続投』というのは、麻生氏の辞任が安倍政権の存続や自民党総裁選での3選を危うくするという首相の理屈だ。自民党内でも『辞めるべき人は辞めて、すっきりできないものか。いつまでも問題が終わらない』(ベテラン)との声が漏れる」。

安倍晋三首相が、1日の参院本会議で麻生太郎財務相の続投を明言したのは、31日、大阪地検特捜部が、佐川氏を含む38人の財務省職員を不起訴処分としたからである。違法性も贈賄もないとなったのだから、麻生氏の政治責任は問えない。だから、続投となったのである。そもそも、直近の朝日調査で、辞任すべき47%、辞任必要なし40%と、わずか7ポイント差では、野党の辞任要求は無理筋である。違法性も贈賄もないからである。

「内閣支持率反転上昇、3・7ポイント増の42・4%」

政治

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東京に「共同世論調査」「佐川氏証言72%納得できず」「改ざん『首相に責任』依然65%」が書かれている。

「共同通信社が3月31日、4月1日の両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、学校法人『森友学園』への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で証人喚問を受けた佐川宣寿前国税庁長官の証言に関し『納得できない』との回答が72・6%に上った。納得できるは19・5%。改ざん問題で『安倍晋三首相に責任があると思う』は65・0%で、3月17、18両日の前回調査(66・1%)と横ばい。内閣支持率は42・4%で、前回から3・7ポイント増えた。不支持は47・5%(前回比0・7ポイント減)で支持を上回るが逆転状態が続いた。

≪内閣不支持47%、支持42% 逆転状態続く≫

森友問題に絡み、改ざんについて『首相に責任はない』は27・5%だった。国有地売却を巡って安倍昭恵首相夫人の国会招致が必要だとする答えは60・7%(前回65・3%)、不要は34・8%(同29・0%)だった。麻生太郎副総理兼財務相の責任に関しては『辞任すべきだ』は47・3%で、前回比4・7ポイント減った。辞任不要は43・2%。

政権が今国会の最重要課題と位置付ける『働き方』関連法案について、今国会で成立させるべきかの問いでは『必要はない』が69・9%に対し『成立させるべきだ』は18・5%にとどまった。

番組の公序良俗、政治的公平や多角的報道も求めた放送法の条文撤廃など放送制度改革を検討する安倍政権の方針の賛否を聞くと、反対(61・3%)が賛成(23・0%)を大きく上回った。

9月に実施される自民党総裁選について次期総裁にふさわしい人を一人だけ選ぶ質問では、石破茂元幹事長が24・1%でトップ。小泉進次郎筆頭副幹事長23・5%、安倍首相23・1%と続き、前回と同じ順位。

憲法9条に自衛隊の存在を明記することを検討する自民党改憲案に関して賛成は42・5%、反対は45・0%だった。政党支持率は、自民党が前回比2・9ポイント増の39・1%、立憲民主党も2・7ポイント増の14・2%となった。希望の党は1・3%、公明党は3・9%。民進党0・9%、共産党8・9%、日本維新の会2・2%、自由党0・7%、社民党0・6%。『支持する政党はない』とした無党派層は32・0%だった」。

内閣支持率が前回調査(3月17,18日)より3・7ポイント増の42・4%、不支持率は0・7ポイント減の47・5%、自民党支持率は2・9ポイント増の39・1%となった。3月27日の国会での証人喚問での佐川氏の証言に納得できないが72・6%もあるが、安倍首相に責任があると思うが1・1ポイント減の65・0%、昭恵夫人の国会招致が必要だが4・6ポイント減の60・7%、麻生氏は辞任すべきだが4・7ポイント減の47・3%となったからである。佐川氏の「安倍首相夫妻、麻生財務相、官邸の関与なし」との証言が奏功したといえる。

問題は、安倍首相に責任があると思う65・0%が朝日・野党による印象操作の所産であることだ。安倍首相夫妻が8億円の値引きと改ざん問題に関与した決定的証拠がないのに、関与したとの印象操作を図ったからである。フェイクニュースそのものであり、魔女狩りと同義である。そもそも、8億円の値引きに安倍首相夫妻が関与する必然的理由があるのか、である。金銭授受な一切ないのに、である。「首相に責任がある」65%が、フェイクニュースであると解り出したから、支持率は反転上昇したのである。自民党支持層への思想武装が急務となる。

読売の「スキャナー」に「信頼回復へ首相正念場」「支持率続落」「外交に活路・『働き方』『IR』火種」が書かれている。

「森友学園を巡る財務省の決裁文書の改ざん問題を受け、読売新聞社が実施した全国世論調査で安倍内閣の支持率が続落した。 政権に対する国民の疑念は払拭されておらず、安倍首相は失った信頼を取り戻せるか、正念場を迎えている。

<体力>

首相は1日昼、東京・富ヶ谷の私邸周辺を約1時間散歩した。立ち寄った代々木公園では若い女性に取り囲まれ、写真撮影や握手の求めに笑顔で応じた。『若い人には人気があるんだ』。首相はその後、自宅を訪れた谷口智彦内閣官房参与におどけてみせた。 

だが、改ざん問題は確実に政権の体力を奪っている。今回の全国世論調査不支持が支持を逆転。不支持理由の『首相が信頼できない』は54%に達し、第2次内閣以降で最高を記録した。

首相周辺は『佐川氏(宣寿・前国税庁長官)の証人喚問が終わり、これ以上新しい材料は出てこない。今が底だ』と期待を込める。菅官房長官は1日のラジオ日本の番組で、『内外の重要な取り組みに一つ一つ対応し、国民から信頼される政治を取り戻したい』と強調した。政策の成果を着実に積み上げ、反転攻勢の機会をうかがう戦略だ。

とはいえ、内政面では政権浮揚につながる材料は乏しい。

政府・与党は今国会の最重要法案と位置づける働き方改革関連法案を近く閣議決定し、月内にも審議入りさせたい考えだ。しかし、法案の中核となる。高収入の一部専門職を労働時間の規制対象外とする脱時間給(高度プロフェッショナル)制度の創設に関しては、野党が『残業代ゼロ法案』と反発。世論の理解も十分に進んでいない。『法案審議が本格化すれば、むしろ政権の体力を奪う』(自民中堅)との見方もある。

今国会での成立を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の実施法案も世論の賛否は分かれている。

<「置き去り」懸念>

カギを握るのは外交だ。春は首相の外交日程が目白押しで、今月中旬には日米首脳会談に臨む。南北首脳会談と米朝首脳会談を前に、対北朝鮮政策で緊密な連携を確認する方針だ。

『何よりも大切な拉致問題が置いていかれることになっては決してならない』。首相は3月30日、首相官邸で面会した北朝鮮による拉致被害者の家族らにこう強調した。トランプ米大統領との会談で、拉致問題の解決に向けた協力を求める方針も伝えた。

もっとも、北朝鮮と米中韓3カ国との対話の機運が高まる中、緊張緩和に向けた動きで『日本だけが置き去りにされかねない』(自民関係者)との懸念が出ている。首相は過去にも支持率の下落を外交成果で反転させてきたが、『今回は成果を上げるのは容易ではない』(閣僚経験者)と不安視する向きもある。

<青木の法則>

支持率下落を受け、永田町では青木幹雄・元官房長官が唱えたとされる『青木の法則』も飛び交うようになった。内閣支持率と与党第1党の支持率の合計が50%を切れば、政権は瓦解する――というものだ。

法則に照らすと、支持率の合計は78%で『まだ危機的な状況ではない』との見方もある。自民党支持率が微減にとどまる一方、立憲民主党をはじめ、一様に支持率が伸び悩む野党に助けられている側面もある。

それでも、自民党幹部は『野党が<反安倍>で糾合すれば状況は一変しかねない』と危機感を募らせる。与党で憲法改正の国会発議に必要な3分の2の議席を失う可能性があるため、衆院解散のカードも封印せざるを得ない。首相は局面の打開に向けて難しいかじ取りを迫られている。

≪総裁選の行方 混沌≫

全国世論調査で次の自民党総裁に誰がふさわしいと思うか聞いたところ、安倍首相(党総裁)は前回の2月調査から6ポイント減の26%で、30%の小泉進次郎・筆頭副幹事長に首位を明け渡した。前回から1、2位が入れ替わった。改ざん問題を受け、首相の連続3選が有力視されてきた秋の総裁選の行方は混沌としてきた。

小泉氏は改ざん問題に関し、『全ての権力は腐敗する。謙虚な姿勢を持たないといけない』と首相をけん制するなど、政府に厳しい発言を続けてきた。そのスタンスが一定の支持を得た格好だ。石破茂・元幹事長も前回からほぼ横ばいの22%で首相に肉薄した。

ただ、自民支持層に限れば、首相は53%で、19%の小泉氏、15%の石破氏を大きく引き離している。出身派閥で党内最大の細田派をはじめ、麻生派、二階派の首相支持は変わらず、連続3選に向けて『首相の足元に動揺は見られない』(党幹部)との声が多い。

もっとも、統一地方選と参院選を来年に控え、地方組織からの不満がいつ噴出するかは分からない。首相は2012年総裁選で石破氏に党員票で敗れている。その際に石破氏支持に回った小泉氏の動向によっては、『党員票が雪崩を打って石破氏に流れることもあり得る』(党中堅)と見る向きもある。改ざん問題を抱える首相は当面、慎重な政権運営を余儀なくされそうだ。一方、戦力不保持を規定した憲法9条2項を維持しつつ、自衛隊の根拠規定を追加する首相の改憲案については、賛成44%、反対41%で拮抗した。石破氏は2項削除を主張しており、憲法改正が総裁選の争点となる可能性がある」。

青木の法則に照らせば、42%+36%=78%となり、政権瓦解の50%ラインから28ポイントも上回っている。問題は、9月の総裁選への朝日・野党の介入である。反安倍の石破氏への統一戦線工作である。自民支持層での首相53%に対して、小泉氏19%+石破氏15%=34%となるから、石破氏の孤立化が急務となるが。後ろから弾を撃つな、である。

産経の「美しき勁き国へ」に、櫻井よし子氏が「いつまで『森友』なのか」を書いている。

「国際情勢が激変する中で、日本の政治家、政党はいつまで森友問題なのか。財務省の文書改竄は確かに重要だが、国家としての日本の在り方を問う憲法改正や安全保障問題を政局絡みで矮小化することは国民への背信である。

金正恩朝鮮労働党委員長の3月下旬の電撃訪中とその後の平和攻勢が、朝鮮半島情勢を過去の不毛な構図へと、一気に引き戻しかねない。日米韓の結束に中国も加わって形成した北朝鮮包囲態勢が突き崩され、日米韓VS.中朝の二分構図に戻った感がある。

これで、北朝鮮の非核化が実現できるのか、見通しはつきにくい。日米の主張する非核化は北朝鮮の保有する全核物質、核関連施設、核兵器開発計画そのものを『完全かつ検証可能で不可逆的に解体(CVID)』することだ。

一方、正恩氏は『金日成主席と金正日総書記の遺訓に従い、朝鮮半島の非核化実現に努力する』と述べたと中国政府は発表した。また『(米国が)段階的で同時並行的な措置を取れば(核問題は)解決する』とも述べたそうだ。これでは従来の時間稼ぎと同じであり、日米には全く受け入れられない。

何の新味もない提案だが、正恩氏は韓国、中国、米国を相手に派手派手しい平和攻勢をかけ続ける。わが国の安倍晋三首相だけが取り残されたとの指摘があるが、皮相な見方であろう。北朝鮮が平和攻勢に転じたのは日本の攻めの姿勢ゆえだ。北朝鮮の過去の行動を分析し、一致団結して圧力をかけることが唯一の方法だという日本の説得に、米国も国連安全保障理事会も制裁措置を全会一致で決議した。

トランプ米大統領は国務長官にポンぺオ中央情報局長官を、安全保障問題担当補佐官にボルトン元国連大使を指名し、対北朝鮮強硬派を並べた。正恩氏が米国の斬首作戦を真に恐れ、平和攻勢に転じた可能性は少なくないだろう。究極の圧力作戦が正恩氏を動かしたのである。

突然重要なプレーヤーとなった中国の動きを楽観するのには慎重でありたい。彼らは金日成、金正日の時代から、北朝鮮の核開発に苦言を呈しながらも事実上黙認を貫いた。国連による制裁にはおよそいつも反対し北朝鮮をかばった。直近のように中国が厳しい制裁に同意し実行したのは、核やミサイル実験というより、北朝鮮が中国の意向を無視し続けたからだろう。

だが、いまや正恩氏は習近平国家主席の言葉を真剣にメモし、あらゆる事案に関して『遅滞なく習同志に状況を報告する』と語る。正恩氏が従順であり続ける限り、中国が正恩氏の核保有に目をつぶる可能性は否定できない。北朝鮮の非核化と共に拉致問題も解決したい日本にとっては最悪の状況である。

米中は際どいせめぎ合いの中でも水面下の交渉を続けている。トランプ大統領は3月16日、台湾旅行法に署名し、米台間の閣僚や政府高官の相互訪問の活発化を可能にした。同月22日には中国による知的財産権の侵害に最大で600億ドル(約6・6兆円)の制裁関税を課す大統領令に署名した。23日には米駆逐艦が南シナ海で中国の人工島の『領海』を航行する自由作戦を行った。台湾への関与強化は中国の最も警戒する点である。

トランプ氏が、それぞれのカードにどれだけの深い意味を込め、長期的視点に立っているのかは明確ではない。氏の得手とする眼前のディールのための強硬手段だとすると、米国にとって現実的に最も取り分が多くとも、短期的勝利でしかない解決策に落ち着く可能性がある。その中で、中国がコントロールするという合意の下で北朝鮮の核を事実上許容する危険性も否定できない。

韓国情勢にも多くの懸念がついて回る。文在寅大統領が目指すのは、金日成時代から北朝鮮が考えてきた韓国併合策としての連邦政府の樹立である。連邦政府は南北朝鮮統一への第一歩であり、実現すれば北朝鮮の脅威から韓国を守るという位置づけの米韓同盟は存在理由を失う。

文大統領の統一外交安保特別補佐官、文正仁(ジョンイン)氏が3月31日、東京都内で講演し、北朝鮮の非核化には時間がかかる。従って『段階ごとに北朝鮮に見返りを提供することが必要』だと、対北宥和策を説いた。氏は今年2月27日、米ワシントンで次のようにも語った。

▽韓国大統領が在韓米軍に出ていけと言えば米軍は撤退しなければならない
▽米国の軍事行動を阻止する最善の方法は米朝国交正常化だ

文大統領の連邦政府構想の根底に、米軍排除の思想があるのは明らかだ。仮に韓国側から米軍撤退を促す動きが表面化すればトランプ氏はどう対応するだろうか。それを米軍撤退の絶好の口実とする可能性も、北朝鮮を中国に任せる発想に傾く可能性も、日本は考えておかなければならない。

米韓同盟解消を願う南北朝鮮と中国の思惑、北朝鮮への中国支配、文大統領の対北宥和策。日本の眼前でこれらがないまぜになって同時進行中だ。こんな重大で深刻な危機に日本はどう対応できるのか。日本国民と日本を守るのは日本国でしかあり得ないのである。にもかかわらず、わが国は国民の命も国家の安全も、『平和を愛する』国際社会の『公正と信義』にすがり続けている。気概なき他力頼みと一国平和主義を70年も続けている。

今こそ、全政治家に問いたい。日米安保体制を強化するとともに、なぜ、日本国の自力を高めるべく憲法改正に真剣に向き合わないのか、と。憲法改正で日本国の歴史に名を刻む栄誉を担うのが真の政治家だ」。

朝鮮半島情勢が激変している今こそ憲法9条改正の秋なのに、その唯一の推進者である安倍晋三首相を朝日・野党は「森友問題」で倒閣を目論んでいる。中国共産党主導の間接侵略の走狗と化している。問題は、自民党の石破氏が走狗となっていることである。自民党支持層の思想武装が急務となるが。

「官僚は倒閣運動の道具か」

政治

 8月12日、安倍晋三内閣の支持率低下に対し、日本株は逆行して上昇してきた。その背景には支持率が下がれば、財政出動など政策を打ち出すとの期待がある。都内で5月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

朝日の社説に「政官のゆがみ」「官僚は政権の道具か」が書かれている。

「安倍1強体制の下での政官関係のゆがみを示す出来事が、立て続けに起きている。

一つは、政権に批判的な発言をしていた前川喜平前次官が名古屋市の中学で行った講演内容を、文部科学省が調べた件だ。自民党の赤池誠章参院議員と池田佳隆衆院議員が、同省に経緯を尋ねたり、市教委あての質問内容を点検したりしていた。

あの異様な調査の裏に、やはり政治家の存在があった。

もう一つは、同じ自民党の和田政宗議員がおとといの参院予算委でとった言動である。

財務省の太田充理財局長が民主党政権時代に首相秘書官を務めたことを取り上げ、『安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているのではないか」と責め立てた。

共通するのは、官僚を政権を守る道具としてしか見ない姿勢だ。公務員を『全体の奉仕者』と定める憲法を無視し、権力は教育や人の内心に土足で踏み入ってはならぬという、戦後社会が築いてきた原則をわきまえない。見識を欠くこと甚だしい。

赤池、池田両氏は問題発覚後も文科省の陰に隠れ、メディアが名前を報じるまで沈黙していた。両氏のみならず、林芳正文科相の責任もまた重い。文科省が前川氏の講演を知ったのは議員側からの照会がきっかけだったのに、当初、報道で知ったと事実と異なる説明をし、今なお『あくまで省の主体的判断だ』と主張する。

質問事項を議員に示し、意見を聞いて修正までしながら、主体的といえるのか。学校現場には政治的中立を求める文科省が、自らは与党議員の意をくんで中学の個別授業に介入する。この矛盾をどう考えるのか。

一方の和田氏の発言は、さすがに不適切とされ、議事録から一部削除されることになった。国会の質疑は政権のためにあるのではない。国民のために事実を語り、ていねいに説明する。当たり前の話だ。

それなのに、現政権に不利な話はするなとばかり議員が迫る。許されるものではない。

公文書を改ざんした財務省を追求するのは当然だ。だが同省に責任を負わせて片づく問題ではない。なぜこんなことが起きたのかを徹底解明し、行政に対する監視機能を果たす。それがいま、与野党を超え立法府に課せられた使命ではないか。

今回の二つの出来事は、熟議を拒み、『敵』とみなした人々を批判し、排除することを繰り返してきた、この5年間の安倍政権の体質を映し出す。深刻な事態である」。

社説の主旨である「官僚は政権の道具か」に異論がある。

安倍政権への倒閣運動ありきである。政権に批判的な発言をしていた前川喜平前次官が名古屋市の中学で行った講演内容を文科省が調べた件で、自民党の2人の政治家が介入したことを問題視しているが、教育基本法第42条2項の「政治的中立」に前川氏の講演が抵触している疑いがあるからだ。法令に基づいた適法である。

問題は、前川喜平前次官の講演内容である。安倍政権批判一色である。しかも氏は国家公務員法違反者である。加計学園問題で朝日・野党と組んでの倒閣運動の急先鋒である。安倍政権を敵とみなし、排除することを目論む倒閣運動に、政府・与党が戦うのは必然である。「官僚は倒閣運動の道具か」である。

日経に「全人代2018」「習氏『強国』実現へ」「開幕演説、2期目スタート」「国際秩序に積極関与」が書かれている。         

中国の国会に相当するぜ人代が20日閉幕し、習近平(シー・ジンピン)指導部の2期目が本格始動した。習国家主席は演説で「中華民族復興の夢への道筋を描いた』と         強調。国際社会を主導し、米国に伍する強国を目指す決意を示した。憲法改正によって長期政権を可能にし、共産党による1党支配を続けることへの自信ものぞかせた。

『世界の統治システムの変革や建設に積極的に関わっていく』。習氏は全人代閉幕の演説で、米国が主導する現行の国際秩序に中国の主張を反映させていく考えを表明した。21世紀半ばまでに強国になるとの目標も改めて掲げ、『世界一流の軍事力の形成』を加速させると強調。経済面では『対外開放を拡大して質の高い経済成長を推し進め、総合的な国力を強化する』と語った。

中国の台頭を警戒する中国脅威論には『脅すのに慣れている者には何でも脅迫に映る』と米国を念頭に反論。台湾や香港などで独立を目指す動きがあることには『我が祖国のわずかな土地もゆずらない』とけん制した。

習氏が特に強調したのは、共産党による社会統制の教科だ。『共産党は中国人民と中華民族の永遠の柱だ』とし、党による指導こそが強国目標の実現を『保証する』と訴えた。胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席の時代に期待された『民主』は影を潜め、1党支配の継続が鮮明となった。

習氏の自信の裏付けとなったのは、全人代で実現した憲法改正だ。憲法には『あらゆることを党が指導する』との文言を盛り込み、党による社会統制を正当化した。国家主席の『2期10年まで』との任期制限を撤廃し、習氏は2期目が終わる2023年以降も続投して長期政権を築くことが可能になった。

習氏は昨秋の党大会で、35年までに『社会主義の現代化』を基本的に完了し、50年までに『社会主義現代化強国』になるとの長期目標を打ち出している。全人代で決まった指導部の枢要ポストには習氏の側近がずらりと並んだ。権力基盤を固め、自らが率いる党による治世を長期にわたり続けるという思惑と強い決意がうかがえる。

習氏の演説は30分以上続き、中国語で約4千800字に上った。このため、演説の後に控えていた李克強(リー・クォーチャン)首相の記者会見は、当初の開始予定から約20分遅れた。この演説は国家主席が最高指導者となった1993年以降で最も長い。江沢民(ジアン・ズォーミン)と胡両元国家主席の全人代演説と比べ、3倍以上だ。毛沢東、鄧小平両氏に匹敵する歴史的指導者として別格の立場を見せつけたと言える。
   
≪改革開放40年目の逆走≫高橋哲史・中国総局長

歴史の歯車が逆回転を始めたようにみえる。中国は改革開放の開始から40年目の全国人民代表大会(全人代)で、国家主席の任期撤廃という過去への逆走を疑わざるをえない決断をした。中国を支配する共産党は、自らに合わせて世界の姿すら変えよう   としている。  

全人代の期間中、国営の中央テレビが繰り返し流した映像がある。『主席、人民はあなたを『愛載』しています』。ひとりの男性が習近平(シー・ジンピン)国家主席の前に飛び出し、握手を求める場面だ。

『愛戴』は『敬愛』を強めた中国語で、ふだんはめったに使わない。1966年から10年にわたった文化大革命のさなか、建国の父である毛沢東氏をたたえる際に用いたことばである。

国家主席の任期をなくす憲法改正と合わせ、個人崇拝の復活を思わせる習氏への礼賛が続く。毛沢東氏は82歳で亡くなるまで最高指導者の地位を手放さなかった。それを意識するように、習氏は2030年代を見据えた長期政権のレールを敷こうとしている。

鄧小平氏が1978年に改革開放を始めたとき、世界は中国がついに変わると歓喜した。

『中国はこんなに貧しい。人民に申し訳ない』。鄧氏は文革で荒廃した経済を立て直すために、市場原理を大胆に取り入れて民間の力を引き出そうとした。任期付けの集団指導体制を築き、毛氏の時代に逆戻りしないように歯止めをかけた。

日本や欧米諸国がそんな鄧氏の試みを支援したのは、中国が豊かになればやがて民主主義や人権を大切にする国になると信じたからだ。

89年に人民解放軍が民主化運動を弾圧した天安門事件が起きても、この考えは変わらなかった。2001年には世界貿易機関(WTO)に入るのを認め、グローバルな経済体制に中国をがっちりと組み込んだ。

だが、いつか中国に民主主義が根づくとの見通しは、甘すぎたと言わざるをえない。

転換点となったのは08年のリーマン・ショックだ。中国は巨額の公共投資で景気を急回復に導き、世界経済の救世主ともてはやされた。

10年には国内総生産(GDP)が日本を抜き、米国に次ぐ世界2位の経済大国に躍り出た。世界が中国を変えるのでなく、中国が世界を変える。多くの中国人がそう考えるようになった。

そして、権力を固めた習氏が『中華民族の偉大な復興』に向けてラストスパートをかける。

集団指導体制に幕を引き、あらゆる権限を習氏が頂点に立つ党に集める。経済は民間より国有部門が大きくし、党による市場や企業への統制を強める。『鄧小平時代』に区切りをつけ、それ以前に戻ろうとしているようにしかみえない。

座視できないのは、民主的でない中国流の統治が自分たちにも合っていると考える『中国化(チャイナイゼーション)』の動きが世界に広がっていることだ。

習氏は『人類運命共同体』『新型の国際関係』を外交の基本方針に掲げる。中国の仲間を世界に増やし、米国がまん中に立つ国際秩序を変えていこうという意思表明にほかならない。

天安門事件が起こり、ベルリンの壁が崩壊した1989年。米国の政治学者、フランシス・フクヤマ氏は『歴史の終わり』と題する論文で次のように予言した。

君主制やファシズム、共産主義を打ち破った『リベラルな民主主義』は人類にとって最後の統治形態になる――。

中国は歴史の流れに逆らおうとしているのか。中国をここまで大きくしてしまった日米欧の責任は重い。いまこそ民主主義を守る決意を示さなければ、世界が中国で染まってしまう」。

習近平国家主席は35年までに「社会主義の現代化」との強国を目指すが、最大のアキレス腱は、対米貿易黒字40兆円である。トランプ政権との貿易戦争により半減すれば、強国路線はとん挫する。共産党政権は70年を超えられないとの歴史法則からして2019年が正念場となるが。

朝日に「改ざん喚問で何語る」「だれが、政治家の指示は、なぜ、首相答弁の影響は」が書かれている。

「森友学園との土地取引をめぐる決裁文書の改ざん発覚後、国税庁長官を辞任した佐川宣寿氏(60)の証人喚問が20日、決まった。その国会答弁が改ざんの原因と政府が主張する佐川氏が、約9カ月ぶりとなる国会で何を語るのか。与野党の思惑は食い違い、疑惑解明につながるかは見通せない。

<佐川氏9カ月ぶり国会へ>

証人喚問で解明が求められる最も大きなポイントは『だれ』が主導し、『何のため』に改ざんしたかだ。

『書き換えを指示したのか』。佐川氏は国税庁長官を辞任した9日、報道陣からそう問われると『捜査を受けているのでコメントを控える』と明言を避け、辞任の理由は文書提出時の担当局長だったためと説明した。

12日に財務省が改ざんを認めた後、政府は佐川氏の責任を強調している。太田充理財局長は16日、『(佐川氏が改ざんを)知っていたと認識している』と答弁。麻生太郎財務相も20日の参院予算委員会で『関与の度合いは大きかったのではないか』と述べた。

一方、野党側は『政治家の指示も調べるべきだ』と追及。佐川氏が主導したとの見方を疑問視している。

では、『何のため』に文書は改ざんされたのか。

財務省は、改ざんの原因が佐川氏の答弁にあったとする見方を強調している。

『書き換えの文言を見る限り、それまでの国会答弁が誤解を受けないようにするため』。太田氏は20日の予算委でもそう説明した。

どの答弁が改ざんのきっかけになったのか。太田氏は19日、『<書類なり何なりがないのでお答えできない>という答弁』を例として挙げた。

佐川氏は、学園との交渉記録はないのかと野党から聞かれると、『面会等の記録は廃棄した』と繰り返してきた。ところが改ざんで、国有地の貸し付けから売却に至る詳しい交渉経過が大幅に削除されていたことが分かった。

佐川氏は学園との事前の価格交渉や、政治家からの不当な働きかけも否定していた。太田氏は、こうした答弁も改ざんのきっかけとして挙げた。改ざん後の文書では、『価格提示を行う』などの記述や、複数の政治家から問い合わせを受けていた経緯の記述が何カ所も削除されていた。

ただ、改ざんのきっかけが佐川氏の答弁だとすると、関連がはっきりしない点も残る。例えば、一連の取引の始まりとなる契約に向けた決裁文書には『日本会議』と学園との関わりに触れる記載があったが、すべて削除された。一方、国会では日本会議と学園との関係についての質疑はほとんど行われず、佐川氏自身が答弁した形跡は見当たらない。

野党は、安倍晋三首相の妻の昭恵氏の名前が削除されたことを問題視。首相が昨年2月に『私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員も辞める』と答弁したことが改ざんの契機になったのではないかと追及している。

太田氏も『首相や大臣の答弁もあった。政府全体の答弁を気にしていた』と述べ、首相答弁が影響した可能性を否定していない。

ただ、佐川氏が経緯をどこまで説明するかは不透明だ。証人喚問では虚偽の証言をすれば偽証罪に問われることになり、刑事訴追の恐れがある場合は証言を拒否することができる。太田氏によると、佐川氏は財務省の福田淳一事務次官に対しても、『刑事訴追の可能性』を理由に改ざんへの関与について説明を避けたという。

≪追い込まれた与党 昭恵氏を狙う野党≫

『野党から非常に強い要望があり、<佐川さんの関与が大きかった>との政府の答弁もある』。20日午後、自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長の会談を終えた自民党の森山裕・国対委員長は、証人喚問に応じた理由を記者団に語った。

改ざん問題の影響で、年度内の成立が必要な法案の審議が想定より遅れた。野党が佐川氏の証人喚問に応じなければ審議拒否も辞さない姿勢を示すなか、審議や採決を強行すれば厳しい批判を受けかねなかった。

報道各社の世論調査が示す『民意』にも追い込まれた。内閣支持率は急落。首相は20日昼、公明の山口那津男代表との会談で、『深刻に受け止めている』『信頼回復に誠実に努めていかなければならない』などと語ったという。証人喚問を求める声が強まるなか、自公の幹事長、国対委員長の会談で方針を決め、与党主導を演出するのが精いっぱいだった。

野党側は佐川氏を突破口に、昭恵氏の証人喚問を狙う。昭恵氏は森友学園が開設予定だった小学校の名誉校長に一時就任し、改ざん前の決裁文書でも学園との関わりが記されていた。

野党側は昭恵氏のほかにも、当時の昭恵氏付の政府職員で、国有地取引についての学園との交渉状況を財務省に問い合わせていた谷査恵子氏、売却交渉当時の理財局長の迫田英典氏の証人喚問も求める方針だ。

立憲民主党の辻元清美国対委員長は20日、記者団に『佐川さんの証人喚問は第一歩。全容解明につなげたい』。『証人喚問で幕引きをしようとするならとんでもない』とくぎを刺した。

与党側は昭恵氏らの証人喚問には一切応じられないとの立場だ。昭恵氏については首相が答弁に立ち、14日の参院予算委でも首相が『書き換え前の文書を見ても、私や私の妻が関わっていないということは明らか』としている。記者団から昭恵氏らの証人喚問について問われた森山氏は『考えていません』と一蹴した。

ただ、自民党国対委員会のメンバーからは『どこかで区切りをつけたいが、難しい』との声も漏れる。自民党中堅は佐川氏の証言内容に気をもむ。『(証人喚問の後)首相や麻生氏にどう答弁してもらうか。先のことを考えなければならない』」。

佐川氏の証人喚問のポイントは誰が主導し、何のために改ざんしたか、だ。改ざん前の文書を精査すれば、佐川氏が主導し、国会答弁との整合性のためにとなる。政治家の関与も夫人の関与も、官邸の関与もない。朝日と野党の「官邸の関与」はフェイクとなるが。

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