社会

歴代内閣法制局長官の任務放棄

国際 政治 社会 経済

abe-08

産経の「正論」に西修・駒沢大学名誉教授が「違憲ありきの参院審議に違和感」を書
いている。
安全保障法制に関する参議院審議においても、違憲論が先行している。その主たる論
拠は、憲法学者の多数が違憲であると主張していることと、複数の元内閣法制局長官
が内閣の憲法解釈変更に異を唱えていることにある。私は、いずれにも強い違和感を
覚えずにいられない。

<学説は多数決になじまない>
第一に、いくつかの報道機関による憲法学者へのアンケートがなされ、圧倒的多数の
憲法学者が違憲と判断している旨、発表されている。あたかも多数の憲法学者の違憲
判断が正しく、少数派の合憲判断が間違っているような印象を多くの国民に植えつけ
ている感がある。
いったい学説は多数決原理になじむだろうか。『学説』とは文字通り、学問研究の成
果として導き出される考えの表明である。ある条文について自らの学説を確立するた
めには、その条文のよって立つ基本理念、成立経緯、比較法的な側面を十分に考慮に
入れて総合的に判断される。そこから引き出される解釈は、それぞれが到達した価値
判断といえる。少数説も、それが学問的な研究結果の上に積み立てられたものであれ
ば、最大限に尊重されなければならない。
率直に言って、多数派の違憲論は第9条に関する成立経緯の検証、各国憲法との比較
研究、国連憲章との関連性などが十分に反映されていると思われない。表層的解釈が
中心であって『寄らば大樹の陰』という感じを強く受ける。
学説の最大のキーポイントは、その学説がいかなる筋立てで組み立てられているかと
いう点にある。そこには『正解』は存在しない。『妥協』する必要もない。それが『
学説の世界』といえる。
一方、多数決原理は、民主主義社会にあって、それぞれの意見を大切にしつつ、最終
的に意見集約に向けてなされる政治的、社会的解決方法である。選挙、集会、議会で
の審議など、討議と妥協を通じ、政治的、社会的な場で取り入れられる原理である。
なんらかの結論が出されなければ、政治・社会生活は維持されないからだ。多数派は、
一応の合理性を得て、支配することが許される。ときの少数派は、将来の多数派をめ
ざして、賛成者の獲得に努力する。

<意味不明の内閣法制局解釈>
こうしてみると、学説と多数決原理は、最も相いれない関係にあるといわなければな
らない。にもかかわらず、違憲派と合憲派を数で峻別し、正否を判断するというがご
とき『数の論理』が憲法学の世界に入り込もうとしている。そしてまたそれが、政治
の世界で利用されている。異様な光景だ。
第二に、複数の元内閣法制局長官が、従来の政府解釈を変更することに異を唱え、限
定的にせよ、集団的自衛権を認めることは憲法に反すると主張している。内閣法制局
は、内閣に意見を具申する事務などをつかさどる内閣の補佐機関である。内閣がおか
れた状況に影響を受けることは否めない。たとえば、『戦力』に関し、自衛隊の前身、
保安隊の時代は、『近代戦争を遂行するに足る装備編成をもつものであって、保安隊
はそれに当たらない』との解釈を示していたが、自衛隊が創設されると、『戦力とは、
自衛のため、必要最小限度の範囲を超えているため、憲法上、認められない』という
意味不明の解釈をとるにいたった。

<集団的自衛権は国際法の常識>
国連憲章第51条は、個別的自衛権も、集団的自衛権もともに、加盟各国が保有して
いる『固有の権利』(自然権)と明記している。人間が生まれながらにもっている権
利が、自然権であるように、国家がその存立のために当然に保有している権利が、個
別的自衛権であり、集団的自衛権なのである。これが国際的な共通認識である。国際
法の常識でもある。
わが国が自衛のための必要な措置をとりうることは『国家固有の権能の行使として当
然のことといわなければならない』(昭和34年12月の砂川事件に対する最高裁判
決)という自明の論理に鑑みれば、わが国の存立に重大な影響を及ぼすような必要最
小限度の集団的自衛権は容認されると解釈すべきであった。激変する安全保障関係も
考慮し、本来、解釈の幅を残しておくべきだったのである。それが内閣を補佐すべき
内閣法制局の任務のはずだ。そのような任務を怠ったツケが現在、露呈している。元
内閣法制局長官らは、自らの任務を果たしえなかったことに反省の弁をこそ語るべき
だろう。

自らが最高裁判所にとってかわり、『憲法解釈の番人』であるような振る舞いは、三
権分立の原則を没却させる傲岸不遜の態度であるように映る」。
氏が指摘している「わが国が自衛のための必要な措置をとりうることは『国家固有の
権能の行使として当然のことといわなければならない』(昭和34年12月の砂川事
件に対する最高裁判決)という自明の論理に鑑みれば、わが国の存立に重大な影響を
及ぼすような必要最小限度の集団的自衛権は容認されると解釈すべきであった。激変
する安全保障関係も考慮し、本来、解釈の幅を残しておくべきだったのである。それ
が内閣を補佐すべき内閣法制局の任務のはずだ。そのような任務を怠ったツケが現在、
露呈している」は、正鵠を突いている。
そもそも、集団的自衛権は国際法の常識であり、国連憲章第51条に「固有の権利」
として明記されているのだから、1959年の最高裁の砂川判決を、内閣法制局長官
が「必要最小限度の集団的自衛権は容認される」と解釈すべきであった。ここが「違
憲論争」の肝である。

産経の「石平のChina Watch」に、「習政権『谷内氏厚遇」の理由」が書
かれている。
「今月中旬、訪中した国家安全保障会議(NSC)の谷内正太郎局長に対し、中国側は
『ハイレベル』な連続会談で対処した。
16日には外交を統括する楊潔?国務委員が夕食を挟み、5時間半にわたって会談し、
翌日午前には、常万全国防相が会談に応じた。そして、その日の午後、会談に出てき
たのは党内序列ナンバー2で首相の李克強氏である。
外交上の格式を重んじる中国で外国の『事務方官僚』へのこのような厚遇は前代未聞
である。それは谷内氏が単なる『一官僚』にとどまらず、安倍晋三首相の信頼が厚く、
日本外交父のキーマンであることを、 中国側がよく知っているゆえの対応であろう。
そのことは、中国の指導部が今、安倍首相を非常に丁寧に取り扱おうとしていること
の証拠だ。安倍首相を粗末にできないと思っているからこそ、『腹心官僚』の谷内氏
を手厚く歓待したのである。
昨年11月、習近平政権下の最初の日中首脳会談が北京で行われたとき、習主席は客
である安倍首相を先に立たせて、自分が後になって出てくるという無礼千万な態度を
取った。今回の対応ぶりとは雲泥の差である。この間、日中の間で一体何が起きたの
か。

日本側の動きから見れば、まずは今年4月下旬、安部首相が訪米し、オバマ大統領と
の間で日米同盟の強化で合意した。5月21日には、安倍首相が今後5年間、アジア
に1100億ドルのインフラ投資を行う計画を表明した。そして谷内局長訪中の当日、
東京では、安保法案が衆院を通過して成立のメドが立った。
この一連の動きは、中国側の目から見れば、まさに習政権が進めるアジア太平洋戦略
に『真っ向から対抗する』ものである。今、南シナ海問題をめぐって米中が激しく対
立する中、日米同盟の強化は当然、両国が連携して中国の南シナ海進出を牽制する意
味合いがある。
実際、常にアメリカと共同して中国の海洋拡張を強く批判しているのは安倍首相だ。
そして、集団的自衛権の行使を可能にする安保法案が成立すれば、今後日本は、同盟
国や準同盟国と連携して、中国の南シナ海支配を実力で封じ込めることもできるよう
になるのだ。
その一方、安倍首相が表明した『1100億ドルのアジア投資計画』は、誰の目から
見ても、まさに中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)計画への対抗措置で
あり、安倍首相による『AIIB潰し』ともいうべきものであろう。
つまり、習政権が進めるアジア太平洋戦略の要となる南シナ海進出とAIIB計画に
対し、日本の安倍政権は今や『大いなる邪魔』となっているのである。
そして、安倍政権の今後の出方によっては、習政権肝いりのこの2つの『目玉戦略』
は大きく頓挫してしまう可能性もあるのだ。
したがって習政権としては、安倍政権をそれ以上『野放し』にすることはもはやでき
なくなった。だからこそ、安倍首相と真剣に向き合って対話しなければならないと思っ
たのであろう。

今回、中国指導部は安倍首相の『腹心官僚』の谷内氏をあれほど厚遇して、9月の安
倍首相訪中を積極的に働きかけた。楊国務委員が谷内氏と5時間半にもわたって会談
したことは、まさに中国側の本気さの表れである。
対話から何かが生まれるかは今後次第だが、少なくとも、中国への日本の対抗力が強
化されたことが、習政権を日本との真剣対話に引き出したといえるであろう。『抑止
力あっての外交』とは、まさにそういうことではないのか」。
習政権が進める南シナ海進出とAIIB計画に「大いなる邪魔」となっている安倍政
権に対して、習政権は9月安倍訪中を受け入れざるを得ないのである。これが「抑止
力あっての外交」である。

日経の「政策レーダー」に、「最低賃金上げ、首相『介入』」「支持率低下、
焦り隠せず?」が書かれている。
「『最低賃金を1円上げたらどのくらい経済的な効果がでるか、消費にどういう影響
がでるのか』。16日の経済財政諮問会議。最低賃金に話題が及ぶと、安倍晋三首相
が突如、語気を強めて内閣府に調査を指示した。
最低賃金は厚生労働省の審議会で労使の協議で決める仕組み。政治家が介入する余地
は少ない。『諮問会議での首相の発言は予定されていなかった』(内閣府幹部)。想
定外の発言に首相の熱意を感じ取った霞が関は敏感に反応した。
『10~20円の引き上げで、所得の増加額は400億~900億円』。1週間後の
23日の諮問会議。内閣府が調査結果を報告すると、経済産業省は『中小企業への支
援を講じ最低賃金の引き上げの環境整備に全力をあげる』と支援策を表明。首相がそ
の場で『大幅な引き上げ』を言及する異例の展開となった。
内閣の介入劇に当惑したのが労働組合の代表である連合だ。上げ幅が決まった29日。
『内閣府が20円を上限とした調査結果を公表したから、18円に収まってしまった』
。審議会後に連合幹部はこう不満を漏らした。過去最大の賃上げは政権側の実績とな
り、労組側はお株を奪われた。
安全保障関連法案の衆院採決などをきっかけに政権の支持率は下がっており、最低賃
金での介入劇からは官邸側の焦りも透ける。『政労使会議はもう開かなくてもいいの
ではないか』。政府関係者からは参院選で対決する民主党の支持母体である連合とは
当面距離をおくべきだとの声すら漏れる。
内閣府が公表した経済見通しで16年度の消費者物価はガソリン価格などの上昇で1・
6%程度あがる。賃上げが進まないままでは有権者離れを招きかねない。参院選の勝
敗を決する1人区が多い地方はガソリン高の影響をもろに受ける。アベノミクスの改
革の果実への期待が高まるにつれ、経済運営は難しさを増している」。
16日の経済財政諮問会議での安倍首相の「最低賃金上げ」への介入発言によって、
29日、上げ幅が過去最大の18円に決まった。所得の増加は400億~900億円
である。内閣支持率引き上げと参院選対策のために、である。

 

 

編集 持田哲也

偏向教育ありき

政治 社会

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朝日の社説に「18歳と政治」「教室まで威圧するのか」が書かれている。
「自民党は、教育現場まで威圧しようというのだろうか。来夏の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることを受け、自民党が主権者教育についての提言を安倍首相に出した。
政府に対し、教員の政治的中立性を徹底させ、その政治的行為の制限違反に罰則を科す法改正を求める内容だ。
選挙権の拡大には、政治参加の間口を広げ、若者に積極的に投票してもらう狙いがある。そのための主権者教育をどう充実させていくか、各地の教育委員会や学校で様々な試行錯誤をしている段階だ。
政治的中立性はそうした積み重ねの中で定まっていくものであり、だれかが一方的に認定するものではない。いきなり罰則を振りかざして介入しようという姿勢も受け入れられない。

自民党議員が勉強会で報道機関を『懲らしめる』と発言して問題になったばかり。今回の提言には異論を封じようとする同じ根の発想がうかがえる。
提言は、教員の指導や政治活動について、『教育公務員の政治的行為の制限違反に罰則を科すための法改正を行い、偏向を防ぐ具体的手立てを確立すべきだ』と明記した。
もちろん、教員が特定の政党や政策の支持、不支持を生徒に強要することがあってはならない。一方で、生徒が政治についての知識や判断力を養うには、具体的な政策課題を取り上げていくことも必要だ。

例えば、山口の県立高校で先月、国会で審議中の安全保障関連法案について生徒が議論し、説得力のある意見に投票する授業があった。
ところが後日、県議会で自民党議員から、この授業のやり方を問題視する質問が出た。
こうした空気がある中での党本部の提言である。主権者教育の経験に乏しく、ただでさえ及び腰になりがちな教育現場を萎縮させることになりかねない。
提言はまた『高校生の政治的活動は学校内外において基本的に抑制的であるべきだ』との見解も示したが、これにも首をかしげる。校内での活動にはルールが必要だとしても、選挙権を得る以上、その自由は最大限に尊重されるべきだ。

提言には、教職員組合に収支報告を義務づける法改正も含まれている。これを見れば、全体として民主党を選挙で支援する日教組を牽制する狙いがあることは明白だ。
いずれも選挙権拡大の趣旨に反する内容だ。安倍政権と各党は、こんな策はとらないとの姿勢を早く明確にすべきだ」。
社説の主旨である「教室まで威圧するのか」に異論がある。
既に、教室で日教組による政治的中立性に違反する偏向教育がなされているからである。
社説でも書いている「教員が特定の政党や政策の支持、不支持を生徒に強要することがあってはならない」を強要しているのである。
教室で日教組の教員が、民主党、共産党への投票を強要する現実が先行しているのである。この政治的行為を法的に規制するのは当然となる。
18歳までの選挙権拡大の趣旨にとって必須の法改正となるが。威圧された教室を自由な教室にするために、である。

産経に「辺野古承認撤回を提言」「県有識者委方針『職員の過誤』指摘」が書かれている。
「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、沖縄県の有識者委員会が、辺野古沖埋め立ての承認審査での環境保全措置などに関する県職員の瑕疵を指摘し、承認の取り消し・撤回を翁長雄志知事に提言する方向になっていることが分かった。複数の県関係者が9日、明らかにした。有識者委は月内に報告書をまとめる。
県関係者によると、有識者委では主な論点として、

○埋め立て予定地でのサンゴ礁など環境の保全○米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備の影響○防衛省による環境保全措置の実効性――などが浮上している。
審査に関わった課長級などの職員を会合に呼び、ヒアリングも行っている。
ヒアリングでは環境保全について、防衛省が予定している埋め立て予定地のサンゴ礁の移植計画や保護措置に関し、委員が『技術が試験段階で不確か』
『環境保全措置とはいえない』と指摘。職員は『実行可能な計画・措置だ』とし、環境保全に配慮しており埋め立て承認の基準に適合していると判断したと説明した。

オスプレイについては、埋め立て承認申請の前提となる環境影響評価の手続きの途中で沖縄配備が決まったことや騒音を問題視。
委員は『手続きに瑕疵があったのでは』と追及したが、職員は『オスプレイ配備は環境影響評価のやり直しが必要な計画変更にあたらない』との認識を示した。
防衛省の実効性に関しては、環境対策で仲井真弘多前知事が提出した意見の扱いを追及。意見に対する防衛省の回答をチェックしただけで、それ以外の項目を確認しなかった理由をただした。
職員は『知事意見に対する防衛省の見解は全て示されており、環境保全で問題点は見つからなかった』と答えた。
委員側は職員側の説明に納得しておらず、これらの論点を絞り込み、承認審査の法的瑕疵として指摘する公算が大きくなっている。
有識者委は弁護士3人と環境などの専門家3人で構成し、委員長は大城浩・元沖縄弁護士会会長。2月から12回の会合を開き、仲井真氏の埋め立て承認手続きを検証している。

<県職員に責任転嫁狙う>
沖縄県の有識者委員会が名護市辺野古の埋め立て承認取り消し・撤回を提言するにあたり、承認手続きに関わった県職員をスケープゴートにする意図があると指摘される。
手続きに明確な瑕疵を見つけられない証しで、強引な論法との批判があがっている。

県幹部は『手続きの瑕疵とは本来、外形的に明確なものを指す』と指摘。踏むべき手続きや審査が欠落していれば瑕疵となり得る。
有識者委の議論ではそのような瑕疵は見つかっていない。職員に対するヒアリングでも、瑕疵を認めるような発言は一切ない。これでは承認の取り消し・撤回に向け、有識者委は翁長雄志知事の背中を押せない。
そこで防衛省が予定する環境保全措置には不備があると決めつけ、審査にあたった職員が不備を見過ごしたことは瑕疵にあたると結論づける挙に出ようとしている。このことが職員のスケープゴート化とされる。
ヒアリングで環境保全措置への職員の見解をただしているのもそのためで、認識の甘さや不作為を強引に認めさせようとしている。
ただ、ヒアリングで浮かび上がったのは、あくまで環境保全措置をめぐる委員と職員の『見解の相違』にすぎない。

政府高官は『見解の相違を瑕疵認定につなげていくことは客観性に欠け、無理筋だ』と断じる。
翁長氏が承認の取り消し・撤回に踏み切れば政府との法廷闘争に発展する見通しで、有識者委の提言は法廷闘争を支える論拠としても極めて薄弱だといえる」。
沖縄県の有識者委員会が、「職員の過誤」を指摘し、「辺野古承認撤回」を提言しようとしている。
問題は「職員の過誤」とは「見解の相違」であり、「手続きの瑕疵」ではなく、客観性に欠けるものであり、無理筋である。
法廷闘争を支える根拠になり得ないが。翁長氏の負けは必至となる。

産経に「民主、本音は警戒、解散風」「首相『全く考えていない』」「選挙準備指示も進まぬ擁立」「今は不利、党内引き締め」が書かれている。
「安倍晋三首相は9日、安全保障関連法案をめぐり衆院解散・総選挙に踏み切る可能性について『全く考えていない』と明言した。都内で講演した後の質疑で『解散を行う考えはあるか』との質問に答えた。
首相は安保関連法案について『議論を進めていけば理解は増えていく。丁寧にわかりやすく説明する』と述べ、今国会での成立に重ねて意欲を示した。
昭和35年に退陣と引き換えに日米安保条約改定を果たした祖父の岸信介元首相にも触れ、『私の祖父は50年たてば(改定が)必ず理解されると言っていたが、25年か30年で支持は多数となった。
今回も間違いなく抑止力は向上する』と強調。その上で、中国の急速な海洋進出を踏まえ、『国際社会から認められる行動を中国に求めたい。日米で連携し、東南アジアの国々とも協力していく』と述べた。

民主党執行部が最近、しきりと『解散風』をあおっている。岡田克也代表は早期解散を念頭に党所属議員らに選挙準備に入るよう指示した。
不意を突かれて敗北した昨年12月の衆院選の反省を踏まえた動きだが、党の支持率は伸び悩んでおり、擁立作業は順調とはいえない。
党内を引き締め、安倍晋三首相が解散に踏み切りにくい状況をつくりたいのが本音のようだ。
今国会の大幅延長方針が固まった6月22日、民主党幹部の一人は周囲に『解散の可能性は30%だ』と明言した。
95日間延長が正式に決まった23日には枝野幸男幹事長が正副幹事長会議で『私は選挙の準備に入る』と宣言。以降、党内に解散風が一気に吹き荒れ、永田町にも噂が広がった。

岡田氏は今月3日の記者会見で『早期解散は全くないとは言えない』と語り、菅直人元首相も4日のブログで『8月解散説』があるとして、『総選挙準備を急ぐ必要がある』と訴えた。
前回の衆院選からまだ7カ月で、常識的には首相が解散に踏み切る可能性は低い。だが、複数の民主党幹部は、安全保障関連法案の是非を問うために首相が解散を断行する可能性を警戒する。
昨年の解散も想定外だったとの教訓もある。
このため、民主党は候補者擁立作業を急ぐ考えだ。同党は6月1日、次期衆院選で選挙区に擁立する公認候補53人を早々に内定させた。

しかし、現職を合わせても126人にとどまり、目標である約250選挙区での擁立にはほど遠い。
野党間の選挙協力に向けた機運も高まっていない。公認内定者のうち4選挙区で維新の党の現職と重複し、維新が激怒した経緯もある。両党は国会対応もバラバラだ。
民主党は今月3日、『大補強2015』と題して大々的な候補者公募を始めたが、安全関連法案への世論の批判が民主党の支持率向上に結びついているわけでもない。
党幹部の一人は『早期解散されたら野党が不利だ。解散しないように追い込むことが大事だ』と漏らし、意図的に解散風を吹かせていることを認めた」。
民主党執行部が意図的に解散風を吹かしているが、党内を引き締めるために、である。
内閣支持率、自民党支持率いずれも下落しているのに、民主党支持率が上昇していないからである。
安保法案反対の世論が追い風にならないのは、民主党が、民意から未だに、政権の受け皿として認知されていないからである。

編集 持田哲也

『異常な異論封じ』をしているのはどっち

国際 政治 社会

国会

朝日の社説に「異常な異論封じ」が書かれている。
 
<自民の傲慢は度し難い>

 

「これが、すべての国民の代表たる国会議員の発言か。
無恥に驚き、発想の貧しさにあきれ、思い上がりに怒りを覚える。
安倍首相に近い自民党若手議員の勉強会で、出席議員が『マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。
経団連に働きかけて欲しい』『悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい』などと発言していた。
権力を監視し、検証して批判する。民主主義国の新聞やテレビならば当たり前の仕事である。
それに対して、政権与党の議員が『反論』でも『批判』でもなく、『懲らしめる』というのだから恐れ入ってしまう。
【懲らしめる】制裁を加えて、悪いことはもう二度としないという気持ちにさせる(「明鏡国語辞典」)
 
正義は我にあり。気に入らない言論には圧力をかけ、潰してしまって構わない――。
 
有志による非公式な会であっても、報道の自由、表現の自由を脅かす発言を見過ごすわけにはいかない。
勉強会には加藤勝信官房副長官や、首相側近の萩生田光一総裁特別補佐も出席していた。
谷垣幹事長は『クールマインドでやってほしい』と他人事だが、党として事実関係を調査し、厳正に対処すべきだ。
さらに講師として招かれた、前NHK経営委員で、作家の百田尚樹氏が『沖縄の二つの新聞社は潰さないといけない』
『米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い』などと発言していた。
 
地元の2紙については出席議員も『左翼勢力に完全に乗っ取られている。沖縄の世論のゆがみ方を正しい方向に持っていく』と主張したという。沖縄県民全体に対する明らかな侮辱である。
きのうの安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会で、民主党の寺田学氏に、百田氏の話を聞いた感想を求められた加藤副長官は、『大変拝聴に値すると思った』と応えた。
首相は『事実であるなら大変遺憾』としたものの、『沖縄の人たちにおわびすべきではないか』との寺田氏の指摘には、『言論の自由こそが民主主義の根幹であり、当然尊重されるべきものだ』と一般論で応じた。
傲慢と怠慢。安保関連法案をめぐってはリスク論議が盛んだ。しかし、異論には耳を貸さず、力で踏みつぶせばいいのだという政治家に、国民の生死がかかった判断を委ねてしまうことこそ、最大のリスクだ。
 
<最悪の国会にするのか>
 
戦後最長、95日間の大幅延長となった国会で、安全保障関連法案をめぐる衆院特別委員会の審議が再開した。だがきのうの審議でも、安倍首相らの政府答弁に説得力がないのは相変わらずだった。
象徴的なのは、法整備がなぜ必要なのか、根本的な理由だ。首相らは『安全保障環境の変化』と繰り返すが、それが何を指し、法案とどう関係するのが納得できる説明はない。
それなのに、首相は『どこかの時点で議論が尽くされたという議会の判断がなされれば、決める時には決める』と、早くも採決に前のめりだ。
まともな説明のない審議をいくら積み重ねても、議論を尽くしたことにはならない。早期採決など、もってのほかだ。
さらに耳を疑うのは、自民党執行部の異常なまでの『異論封じ』の動きである。若手リベラル系議員の勉強会を『時期が悪い』と中止に追い込み、党の幹部会議では『法制を批判するOB議員を黙らせるべきだ』という声まで出た。
異論に耳を傾け、議論を通じてより良い結論を探る。そんな言論の府の使命を、今の自民党は忘れたとしか思えない。
ましてや日本の安保政策を大転換させる今回の法案である。多様な意見を踏まえ、丁寧な議論を重ねなければ、国民の理解が広がるはずもない。
 
実際、朝日新聞の最新の世論調査では、法案への賛成29%に対し、反対53%。首相の説明が『丁寧ではない』と考える人が69%。
『丁寧だ』の12%を大きく上回った。国民の理解を欠いた安保政策が円滑に機能すると思っているのか。
憲法学者や内閣法制局長官OB、弁護士、広範な専門分野の有識者、多くの市民団体も強い反対の声をあげている。
それがまったく聞こえないかのように、政権の言うことをただ信じればいい、とばかりに振る舞う政権は、民主主義の土台を掘り崩しつつある。
首相は、60年の日米安保条約改定や92年の国連平和維持活動(PKO)協力法成立の時も強い反対があった例を挙げ、『法案が実際に実施される中で理解が広がっていく側面もある』と述べた。
そういう側面があったとしても、異常な『異論封じ』を正当化する理由にはならない。
国会議員に問いたい。このまま、戦後最長にして最悪の国会にしていいのか。問われているのは、言論の府の矜持であり、民主主義と法治の理念そのものである」。
 
社説の主旨である「異常な異論封じ」「自民の傲慢は度し難い」「最悪の国会にするのか」は、暴論である。
真逆である。異常な異論封じをし、国会審議を遅らせ、最悪の国会に作為しようとしているのが、民主党・共産党を中心とする野党と、朝日を中心とする一部メディアの度し難い傲慢さによるものだからである。
野党とメディアを主導する共産主義イデオロギ-のなせる業である。
そもそも、中国共産党主導する中国に言論の自由、民主主義はあるのか、である。共産党一党独裁である。その中国共産党が日本に仕掛けた戦争が「平和と言う名の戦争」である。
安保法案は「戦争法案」、「違憲法案」だとのレッテルを貼り付け、今国会成立反対6割の民意を作為し、安保法案を廃案にとの目論見である。
朝日の社説でいう「異常な異論封じ」「自民の傲慢は度し難い」「最悪の国会にするのか」は、同じくレッテル貼りである。「平和と言う名の戦争」の先兵である朝日を潰すには、朝日の全国的不買運動が必須となるが。
 
産経に「中国バブル崩壊前兆」「上海株7・4%急落、2週間パニック売り」が書かれている。
「中国で株式市場の下落が止まらない。上海市場全体の値動きを示す上海総合指数は26日、前日終値比7・4%の急落となる4192・9で引けた。
前週末19日の終値からみて、連休明け23日からの4日間で6%を超える下落だ。その前週は5日間で13%も暴落。
2008年のリーマン・ショック以来の大きな下げ幅で、市場関係者は『バブル相場崩壊の前兆ではないか』とみている。
 
製造業などは軒並み不振で、実体経済の裏打ちのない株式相場の脆弱性が浮き彫りになった格好だ。
上海では昨年11月の3年4カ月ぶりの利下げや、香港との株式相互取引スタートを材料に、携帯電話などで1日に何度も短期売買を繰り返す個人投資家が中心となって買いが殺到。
2度の追加利下げによる金融緩和期待なども膨らんで、今月12日には年初来最高値の5178・2を付けた。
しかし、リスクの高い信用取引への規制強化や金融政策の先行きに対する懸念が広がった。
『半年以上にわたる上昇相場が勢いを失うとの高値警戒感から2週間で個人投資家の多くがパニック売りに走った』(市場関係者)という。
26日は深も総合指数が7・9下落。香港ハンセン指数が1・6%下げて中国株はほぼ全面安の展開だった。
 
日米欧などの市場が機関投資家中心なのに対し、中国は市場の8割が売買経験の少ない個人投資家という状況で、わずかな材料でも相場が大きく変動する。
その分、身近な経済政策に敏感に反応する。経済アナリストによると新たに不安視され始めたのは、『2020年に名目の国内総生産(GDP)と個人所得を10年比で倍増させる』と中国共産党が12年11月に
打ち上げた公約に“黄信号”がともり始めたこと。共産党と政府が年内にも策定する16年からの『第13次5カ年計画』で、年率の成長率目標が現行より0・5ポイント低い6・5%に設定される、との報道が相次いでいる。
市場では11~15年の第12次5カ年で設定された目標と同じ7・0%を継続しなければ、GDPも個人所得も倍増計画の達成は難しいとの見方が主流。株式以外に頼みの綱の不動産市況も低迷続きだ。
このため、成長率目標の見直し観測で個人投資家は所得倍増計画は達成できず、株式市場も伸び悩むとみて資金を預金に戻すケースが増えてきた。
思惑買いのバブル相場となった中国株は、個人投資家の失望感とともに引き潮が始まったようだが、下落局面が週明け以降も続けば鈍化傾向にある中国の製造業や不動産などの資金調達にも影を落とし、実体経済の足を引っ張る。
東京やニューヨークなどの市場にも飛び火する懸念があり、市場は警戒を強めている」。
上海株は、1年間で2倍以上も急騰したが、6月12日に最高値を付けた後は急落している。実体経済とのかい離が理由であるが、2億人の個人投資家がパニック売りとなっている。中国バブル崩壊の前兆である。
 
産経の「緯度経度」に、古森義久氏が「ゆがみに満ちた村山談話、継承は論外」を書いている。
「安倍晋三首相の戦後70年談話をめぐる論議は村山富市元首相の戦後50年談話の継承の度合いが主要な争点となってきた。
だがこの村山談話自体に国際的な史観からみても、日本国民の一般認識からみても、ゆがみと呼べる欠陥があることがいままた検証されるべきである。
 
村山談話のゆがみとは簡単にいえば、日清、日露の両戦争をも事実上、『誤り』と断じ、『侵略』扱いして、『お詫び』の対象としている点である。
具体的には以下の記述だ。『わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました』だから『心からのお詫びの気持ちを表明』するというのだ。
 
日本の『植民地支配』といえば、台湾と朝鮮である。欧米列強の植民地支配とは違う要素があったとしても、長期的かつ制度的な他領土の統治としての植民地という表現が適用できるのはまず台湾、朝鮮だろう。
対米戦争の開始後の領土の占拠は植民地支配とはいえない。
その台湾の割譲、朝鮮の併合はそれぞれ日清戦争、日露戦争の主要な結果だといえる。だから村山談話は『国策を誤った戦争』の結果としての『植民地支配』と『侵略』を詫びることで日清、日露戦争をも悪かったと断じているわけだ。
この点、村山氏自身、同談話発表時は『誤り』や『侵略』をどの時期からとするかについては『断定は適当ではない』と述べていたが、首相辞任後には『やはり日清、日露からずっとだ』と明言した。
村山氏が委員長を務めた日本社会党が明治時代の日清戦争など日本の対外的な動きを『侵略』と決めつけていたのだから自然でもあろう。
だがこの見解はあくまでマルクス主義系の特殊な史観である。中国共産党や日本共産党の主張でもある。
 
とくに中国では日清戦争を『日本が仕かけた中国侵略戦争』と呼び、『日本軍の残虐行為』を中高校の歴史教科書で膨大な分量、教えている。日露戦争も日本を悪の侵略国として描く点では同様である。
だが国際社会一般となると事情はまるで異なる。日本の侵略を糾弾した極東国際軍事裁判でさえ、日清、日露の両戦争は視野の外においていた。
ましていまの世界の歴史観では村山談話的な『明治時代の日本侵略非難』は超少数派だといえよう。いまの日本国民一般の認識も明確だろう。
 
現在、慰安婦問題などで日本の歴史認識を批判する米国の歴史学者たちの間でも日清、日露両戦争をも『侵略』と断じる声はまずない。
米ウィスコンシン大学博士課程の日本歴史研究学者ジェーソン・モーガン氏は次のような見解を語った。『日清、日露両戦争は日本の侵略などではなく、日露戦争はとくにロシアの朝鮮半島侵略を防ぐ防衛の戦いだった。
日本側で両戦争を自国による対外侵略だとする声があれば、戦後の米軍占領時の『恥と罪の意識』教育の結果といえるマゾヒズム(被虐性)歴史認識の名残だろう。
でなければ、それを利用した村山氏の例のような特定の政治主張だと思う』
これほどのゆがみに満ちた村山談話の継承は論外であり、日本の未来のため、清算してもおかしくはないだろう。
村山談話にある「日清、日露の両戦争は侵略戦争」は誤りであり、その継承は論外だ、は正論である。中国共産党、日本共産党の主張であり、マルクス主議史観によるものであり、世界の歴史観の超少数派だからである。
安倍晋三首相は、中国共産党主導の「歴史戦の罠」を打破すべきである。

 
編集 持田哲也

登録は正の歴史で

国際 政治 社会

20150530

東京の社説に「世界遺産と日韓」「登録は負の歴史含めて」が書かれている。

世界文化遺産の有力候補になった『明治日本の産業革命遺産』に、韓国が反対している。
近代日本の発展を支えた施設が並ぶが、負の歴史も各国に丁寧に説明し、世界遺産の登録を目指したい。

 

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関『イコモス』は日本が提出した
23件から構成される『産業革命遺産』について、ユネスコに対し世界遺産に登録するよう勧告した。

 

政府は推薦理由を『日本が非西欧地域で最初の産業国家となり、半世紀ほどで製鉄や造船技術を確立した』と説明した。
確かに明治以降の発展はアジア諸国のモデルとなり、当時に中国や韓国からも多くの留学生が訪れた。

 

しかし、韓国政府は登録に異議を唱えている。炭鉱や製鉄所、造船所など7件の施設で、植民地時代に朝鮮人が強制的に動員され死傷者が出たと指摘し、
『人権の面からも世界遺産には不適当だ』と主張する。日韓外務省の実務協議が22日に行われたが、歩み寄りはなかった。
中国も過去に自国民の徴用があったとして、反対を表明した。

 

政府は『遺産としての対象期間は(明治時代末の)1910年までで、戦時中の朝鮮人徴用と時期が異なる』と主張するが、この区切り方が説得力を欠く。
炭鉱や製鉄所はその後も存続した。明治以降の日本は『富国強兵』を掲げたが、重工業が戦争遂行を支え、
戦時には隣国の労働者の強制徴用があったことは否定できない。戦前は日本人労働者も含めて過酷な労働環境に置かれた。
戦後の経済成長期を迎えても、炭鉱では大事故が続いた。

 

登録を審議する世界遺産委員会は6月末に始まる。日韓を含む21カ国で構成され、投票国の3分の2以上の賛成で決まる。
政府はいま副大臣らを委員国に派遣しているが、疑問が示された施設について、負の歴史も含めて説明する必要がある。
各施設の展示や説明資料の記述を充実させ、海外からの見学者の共感も得るよう努力すると伝えることも、登録への理解を助けるだろう。

 

英国リバプールは2004年世界文化遺産に選定された。18,19世紀の産業革命と7つの海をまたぐ交易で『海商都市』として評価された。
一方でアフリカからの奴隷貿易の中継港だったため、現地には奴隷に関する資料も展示されている、歴史の光と影をともに表現してこそ、世界遺産の名に値するのではないか」。
社説の主旨である「登録は負の歴史含めて」に異論がある。

 

世界文化遺産の有力候補となった「明治日本の産業革命遺産」は、正の歴史として登録されるべきだからである。
韓国と中国が7件の施設で、植民地時代、及ぶ戦時中に朝鮮人、中国人が強制徴用されたとして「人権の面から世界遺産には不適当」だと反対しているのは、言いがかりだからである。

 

ユネスコの諮問機関「イコモス」が、日本が提出した23件から構成される「産業革命遺産」について、ユネスコに対して世界遺産に登録するように勧告したのは、
1987年から1910年までが対象期間であり、日韓併合、第2次大戦前であり、強制徴用以前である。「日本が非西洋地域で最初の産業国家となる、
半世紀ほどで製鉄や造船技術を確立した」ことを評価したものであり、まぎれもなく正の歴史であり、歴史の光である。社説が言う「登録は負の歴史含めて」は、
中国共産党主導の「歴史戦」の罠にはまった言葉である。そもそも、「負の歴史含めて」では,趣旨が違うのだから、登録自体ができないが。(5月23日記)

 

毎日に「背景に中国脅威論」「米『次は12カイリ内進入』」(南シナ海人工島、領有主張を批判)が書かれている。
「米国防総省のウォレン報道部長は21日、中国が南シナ海で造成した人工島の『領海』と主張する12カイリ(約22キロ)内に米軍を侵入させるのが『次の目標』だと明言した。
南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島周辺で続く中国の埋め立て作業をけん制するのが狙いとみられる。
これに対し、中国外務省の洪磊副報道局長は22日、『他国の領空と領海に好き勝手に乗り入れることのできる国などない』と、強く反発した。

 

会見でウォレン氏は、人口島の12カイリ以内への米軍の侵入時期は決まっていないと述べ、当面はこの範囲外で米軍艦船・航空機による哨戒活動を続ける意向を示した。
オバマ米政権が哨戒活動の継続や強化を打ち出した背景には、米国内で高まる中国脅威論がある。
米軍や国防総省幹部が埋め立て急拡大に警鐘を鳴らし、政策決定に影響力を持つ有力シンクタンクや主要メディアが大きく取り上げた。
議会でも政府による強硬な対応を求める声が出ていた。
米国は、岩礁埋め立てで造成した人工島を拠点に中国が『領土』『領海』を主張し、周辺への接近を妨げる手法を、
航行・飛行の自由や商業の自由といった国際的な原則に反するものとして強く懸念。ケリー国務長官が17日、北京で中国の習近平国家主席と会談した際も懸念を伝達した。

 

だが、その後も動きは止まらず、米CNNは20日、南沙諸島の永暑(英語名ファイアリクロス)礁に接近した米国の哨戒機に対し、中国海軍が立ち去るよう警告する様子を報道。
ラッセル米国務次官補は21日の記者会見で『世界中の砂で埋め立てても主権を作ることはできない』と厳しく批判した。

 

また、シアー国防次官補(アジア・太平洋担当)は今月の議会公聴会で、埋め立て地に中国の領有権は発生しないとの見解を示し、周辺海域への米軍艦船派遣も辞さない姿勢を示していた。
国連海洋法条約によると、満潮時に水没する岩礁などは島に該当せず、領海・領空の主権を構成しない。
排他的経済水域(EEZ)のような海洋の管轄権を主張することもできない。埋め立てで人工島化しても島という法的地位は得られない。

 

一方、中国は『南沙諸島で近海には争いようのない主権を有しており、自分の島の上での建設は完全に主権の範囲内だ』と繰り返している。
中国海軍の呉勝利司令官は4月、米海軍制服組トップのグリナート作戦部長とテレビ会談。埋め立てや施設の建設について『航行や飛行の自由を脅かすものではなく、
気象予報や海難救助など公共サービスの能力を高めるためだ。将来、米国を含む関係国や国際組織が施設を利用することを歓迎する』と述べた。
CNNによると、この言葉とは正反対に今回、中国海軍は米軍哨戒機に『我々の軍事警戒圏(Military Alert Zone)に近づいている』という言葉を使って警告した。
米軍機に警告という強制力を行使したことは、中国が国際空域に独自に「権限」を設定したとの見方が出ている。

 

複数の安全保障専門家は『軍事警戒圏という言葉は、領空や防空識別圏(ADIZ)とは違う概念として中国が独自に作り出した可能性もある」と指摘。
中国が事実上の防空識別圏を南シナ海に設定したか、設定に向けて動いていると警戒を強めている』。
中国海軍は米軍哨戒機に「我々の軍事警戒圏に近づいている」と警告した。
中国が事実上の防空識別圏を南シナ海に設定しようとしている証左である。日本のシ-レンが危うい。これこそ「中国の脅威」の現実である。

 

産経の「水平垂直」に「NPT最終文書案」「『広島・長崎訪問』は削除」
「中国、歴史で押し切る」が書かれている。
「国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議のフェルキ議長は閉幕日の22日、採集文書案を各国に提示した。
被爆地の広島、長崎への訪問を世界の指導者に促す文言は削除された。
また、核兵器の非人道性をめぐる記述が目立つ一方、核軍縮の促進手段となる『核兵器禁止条約』の記述が削除された。
内容には核保有国、非核保有国がそれぞれ不満を表明し、文書採択は困難な情勢となった。
『被爆地訪問』は日本が実現を目指したが、中国の反対で素案から削除されていた。日本は中国と折衝を重ねて文言復活を要請したが、
中国は妥協せず、『核兵器の影響を受けた人々や共同体の経験を直接共有するよう促す』との表現で決着が付いた。

 

文書案はまた、『核兵器禁止条約』の記述を削除する一方、法規制を含む核軍縮の『効果的措置』を検討する作業部会を国連総会に設置するよう勧告。
核保有国に対しては、核弾頭の数や具体的種類などを明示することの重要性を考慮しつつ、核軍縮の状況を定期的に報告することを求めた。
また、中東地域の非核化を目指す国際会議を2016年3月までに実施するよう国連事務総長に託した。

 

5年ごとに開かれる再検討会議で、05年は文書採択に失敗したものの、10年はオバマ米大統領が『核兵器のない世界』を
提唱した翌年だっただけに追い風となり、行動計画を盛り込んだ文書が採択された。
NPT再検討会議の最終文書案で、被爆地の広島、長崎への訪問を世界の指導者に促す文言は復活しなかった。
日本は巻き返しを図ったものの、『歴史認識』をからめて攻勢に出た中国に押し切られた格好だ。
一方、最終文書案は、主要争点をめぐって核保有国と非核保有国との“溝”が埋まらないまま議長裁量で各国に提示され、決裂やむなしとの悲観論が大勢を占めた。

 

『歴史の歪曲だ』『日本は戦争の被害者の立場を強調している』――。核兵器の惨禍を世界に訴えようと、『被爆地訪問』実現を求めた日本側に対し、
中国のセン聡軍縮大使が、今月中旬、『過去』を持ち出して日本を批判したことは、議場の各国代表団を驚かせた。
今年は中国にとり、『抗日戦争と反ファシズム戦争勝利70周年』。
今夏に安倍晋三首相が戦後70年談話を出すことも念頭に置いた牽制だったとはいえ、日本には予期せぬ冷や水となった。

 

最終文書採択は全会一致が原則だ。『被爆地訪問』への支持は着実に広がり、日本は20日、
中国と少なくとも2回交渉を行ったが『立ちはだかる壁』(外交筋)を前に、対処のしようがなかったという。
一方、最終文書案の内容をめぐっては、核保有国と非核保有国との対立が浮かび上がった。『核兵器禁止条約』の文言が
最終文書案で削除されたのは、文言の追及に慎重姿勢を見せる米英両国に加え、強く反対するフランスに配慮した結果だ。
しかし、オーストリアなど非核保有国側からは批判が出た。核兵器がもたらす『非人道性』をめぐる記述についても異論は多かった。
『核兵器は使用されてはならない』と記述したことや、核軍縮教育の重要性を盛り込んだことが
非人道性の認識を高めることにつながり、『前回会議より前進した』と考える国が多い半面、核保有国側は懸念を強めた。

 

事実上の核保有国であるイスラエルを念頭に置いた中東地域の『非核化』問題では、アラブ諸国が今年11月末までの『国際会議』開催を目指していた。
これに対し、イスラエルの友好国の米国などは『早期開催』にとどまっていた。
最終文書案では開催時期について、折衷案の「2016年3月まで」となったが、双方ともに不満が残った」。
NPT最終文書案に、「広島・長崎訪問」を世界の指導者に促す文言は削除された。
「歴史認識」からめ手の中国に押し切られたからである。中国共産党主導の「歴史戦」の横車である。
「被爆地訪問」を「歴史の歪曲だ」「日本は戦争の被害者の立場を強調している」と反対したことが、である。

編集 持田哲也

中国共産党主導の『歴史戦』に勝つ

国際 政治 社会

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日経に「首相、試練の歴史認識」「戦後70年」「持論と外交配慮のぞくジレンマ」が書かれている。
「2015年は戦後70年の節目を迎え、安倍晋三首相の外交が試練にさらされている。首相は夏に出す談話で先の大戦への『反省』を表明するとみられるが、過去の侵略への謝罪には重点を置かない構えだ。中国や韓国は歴史認識の修正と警戒する。首相談話の表現が焦点で、歴史認識が外交の火種になっている。

 

4月29日、ワシントンの米議会。日本の首相として初めて上下両院合同会議で演説した首相は先の大戦への『痛切な反省』を表明した。アジアの国民に『苦しみを与えた事実』も認めた。米国にくすぶる『首相は歴史修正主義者ではないか』との疑念を薄めようとした。議員が何度も起立して拍手を送り、米政府・議会から一定の評価を得た。
1週間前の4月22日、首相はインドネシア・ジャカルタで開いたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議の演説でも『深い反省』を示した。2回の演説は、1995年の村山富市首相談話に盛りこんだ『植民地支配と侵略』や『心からのおわび』に触れなかった点で共通する。戦後70年談話は『反省』と『アジアへの苦しみ』の2つが中核のキーワードになる可能性がある。

 

首相は4月20日のBS番組で、村山談話の『侵略』や『おわび』に関して『(歴代内閣の)基本的な考え方を引き継ぐ以上、もう一度書く必要はない』と語った。70年談話への明記には否定的だ。先の大戦を『侵略』の一言で総括し、安易に謝罪する姿勢とは一線を画したい思いがにじむ。
首相に就く前の安倍氏から『日本は謝罪をしすぎだ』と聞いた関係者は多い。侵略については『国際的な定義として確立してない』というのが持論だ。側近議員は『歴史問題で謝罪を繰り返すのは日本くらいだ。おわびは日本の地位をおとしめる』と説明する。
中国や韓国は歴史観の修正に身構える。村山談話に盛った『植民地支配と侵略』や謝罪の表現の踏襲に期待する。

 

首相は12年末に再登板すると、戦後70年談話をつくる考えを早々と示した。当初のそもそもの発想は『歴史の節目で侵略史観をリセットしたかった』(周辺)とされる。持論の歴史観を優先すべきか、それとも中国や韓国などに配慮すべきか。理念と現実のはざまでジレンマに悩んでいるようにもみえる。
首相は戦後70年談話に関する有識者懇談会(座長・西室泰三日本郵政社長)を2月に立ち上げた。3月の会合では、先の大戦を『侵略』と定義するかどうかをめぐって議論し、談話に盛り込むことに賛否両論が出た。国内世論や外国の反応を瀬踏みしながら、首相は最終的な表現を慎重に探ろうとしている」。

 

安倍首相は、70年談話に1995年の村山談話の「植民地支配と侵略」「心からのおわび」を明記せず、替わりに「反省」「アジアへの苦しみ」を明記することを決めたと思われる。正解である。
村山談話の「植民地支配と侵略」「こころからのおわび」を「70年談話」にも踏襲させることが、中国共産党主導の「歴史戦」の狙いだからである。安倍首相は、4月22日のバンドン会議と、4月29日の米上下両院会議での演説で「反省」と「アジアへの苦しみ」の言葉を使い、アジア諸国と米国から一定の評価を得ることに成功したのである。「70年談話」への布石である。中国共産党主導の「歴史戦」による「安倍首相は歴史修正主義者」との世界的包囲網を打破したのである。包囲網を作った中国・韓国が一転して孤立したのである。安倍外交の勝利であり、戦後70年談話を巡る中国共産党主導の「歴史戦」に勝利したことになるが。

 

日経に「参院選へ連休明け始動」「与野党、来夏向け準備加速」「自民、現職差し替えも」「民主、労組票固め急ぐ」が書かれている。
「与野党は連休明けから来夏の参院選に向けた準備を本格化する。7月に第1次公認を発表する予定の自民党は、議席の上積みを狙い、現職の差し替えも視野に勝てる態勢づくりを急ぐ。安倍晋三首相にとっては、憲法改正への環境整備をにらんだ選挙でもある。党勢低迷に悩む民主党は労働組合の票固めを進めるが、他党との選挙協力が課題となりそうだ。
参院選は定数の半数(121)が3年に一度改選され選挙区で73、比例代表で48の議席を各党が争う。現在、1票の格差是正へ選挙制度改革を議論しており、来夏は変更がある見込みだ。

 

『現職が衆院にくら替えして空席になっている選挙区はどうするのか』。首相は4月中旬以降、自民党の谷垣禎一幹事長や茂木敏充選挙対策委員長を相次ぎ首相官邸に呼び、参院選への状況を聴取した。統一地方選が終わっていない段階から準備を急がせた格好だ。
自民党が重視するのは、選挙結果を左右する1人区だ。執行部は現行31のうち約半数の選挙区で自民優勢だと分析。残りの選挙区では『現職であっても勝てる見込みがなければ差し替えも辞さない』(党幹部)。党の独自調査や県連の意見なども参考に調整する。

 

<自民回帰進む>
比例は業界団体の組織内候補の擁立を進める。『自民1強のなか、各団体の自民回帰が進んでいる』(党幹部)。一度、自民党から離れた全国郵便局長会も、すでに自民党から女性候補を出す方針を内定した。農協改革で対立した農業団体も擁立準備を進めている。
2014年衆院選や統一地方選では取りこぼした地域もあった。党幹部は『まずは着実にとれるところを固めていく』と話すが、非改選をあわせて改憲に必要な3分の2(162)を与党だけで得るのは難しいとの見方もある。公明党は統一地方選の総括を終えたうえで本格的な準備に入る。

 

野党第1党の民主党も連休明けに現職を中心に第1次公認を出す。比例代表では、連合傘下の産別労組ごとの組織内候補として、01年の非拘束名簿式の導入以降で最多となる12人をたてる方針を早々に固めた。
<「ダブル選」警戒>
選挙区では順次、擁立を進めたい考えだが、維新の党などとの選挙協力の道筋がまだ見えない。前回は日本維新の会(当時)などとのすみ分けができず共倒れしたケースもあった。14年衆院選でも調整が完全にはできずに終わり、不安を残す。

 

一方、次期衆院選をにらんだ動きも始めている。15日までに現職を中心に衆院選の公認申請を募る。例年より早い動きには擁立が遅れた14年の反省がある。来夏の衆参ダブル選への警戒も潜む。
維新は候補者の公募を18日から開始。17日には、大阪市を5つの特別区に分割する『大阪都構想』の是非を問う住民投票があるが、結果は他党との選挙協力に影響が出る可能性もある」。
来年7月の参院選に向けて自民党は比例区での業界団体の組織内候補の擁立を強めている。古い自民党への回帰であり、無党派層の自民党離れを加速することになるが。

 

読売に「維新『首相寄り』進む」「統一選『大阪独り勝ち』反映」「東西の温
度差際立つ」が書かれている。
「野党第2党である維新の党と安倍政権が、じわりと間合いを詰めている。統一地方選の『大阪独り勝ち』で、野党共闘を目指す江田代表らの存在感が低下し、安倍首相と近い橋下徹最高顧問(大阪市長)の発言権が増したためだ。橋下氏が進める『大阪都構想』の住民投票(17日投開票)で賛成多数が得られれば、維新と政権が急接近する可能性もある。

 

<「憲法改正」積極姿勢>
『我々としては、統治機構改革を前面に立てて、憲法改正を訴えていく』
先月28日開かれた維新の党憲法調査会の終了後、会長の小沢鋭仁・元環境相は記者団にこう語り、首相が目指す憲法改正への積極姿勢を強調した。
維新幹部は『とにかく具体的な議論に入りたい』と述べる。自民が提案した『緊急事態条項』など3テーマを優先して議論することにも前向きだ。
一方の自民党は同じ28日、カジノなど統合型リゾート(IR)を推進する『カジノ解禁法案』を維新、次世代と3党共同で国会に提出した。維新がカジノの大阪誘致に熱心であることを受け、首相官邸が法案提出を後押ししたとされる。
連休明けの後半国会では、最大の与野党対決法案である安全保障関連法案の審議が控える。安倍首相にとって維新に接近すれば野党を分断できるうえ、法案に及び腰の公明党もけん制できる。『一石二鳥』というわけだ。

 

<政府も期待>
安倍政権をめぐる維新の党内の温度差は、目に見える形でも表れている。大阪系の馬場伸幸国会対策委員長は22日の記者会見で、安保関連法案の審議について、『長く議論をすればいいというものでもない』と述べた。野党は法案審議を長引かせるのが通例で、馬場氏の発言は異例だ。
これに対し、江田代表は翌23日の記者会見で『極めて重要で国の根幹に関わる法案だ。期限を切って審議するなんてあり得ない。前例にとらわれず、十二分に議論を尽くしていくことが必要だ』と述べ、馬場氏の発言を即座に打ち消した。
首相は外遊先の米国で、法案の今国会成立を“公約”した。政府・自民党は、維新が法案の修正協議や早期裁決に応じる余地があるとみて、期待している。

 

<江田氏地元で苦戦>
維新の立ち位置が政権寄りに変化したのは、統一地方選がきっかけだ。橋下氏が代表を務める維新の地方組織『大阪維新の会』は、大阪府議選(定数88)で42議席、大阪市議選(定数86)で36議席を得て、共に第1党を獲得した。一方、江田氏の地元、神奈川県議選(定数105)は、公認候補19人中、当選は5人にとどまった。4年前の前回、江田氏が身を置いた『みんなの党』が得た15議席を大きく下回り、『大阪以外は負け』(若手議員)との受け止めが維新内に広がっている」。
統一地方選での「大阪独り勝ち」によって、野党共闘を目指す江田代表の存在感が低下し,橋下最高顧問の発言権が増した。維新は首相との共闘路線に大きく舵を切ることになる。

 

編集 持田哲也

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