日刊労働通信社 | 新党結成にみる野党の確執

新党結成にみる野党の確執

コラム 政治

 
産経の「野党漂流」に「政界再編 多難な船出」「みんなと確執、維新と安保火種」「『統一選までに』決意」が書かれている。
 
「新党『結いの党』を結成した江田憲司代表は平成27年春の統一地方選までに、日本維新の会や民主党を巻き込んだ野党再編を目指す。ただ、合流相手に想定する維新とは集団的自衛権の行使をめぐり意見が異なる。古巣であるみんなの党の渡辺喜美代表の『妨害』も激しい。試練は続く。
『次の衆院選までに野党再編も政界再編も何も起きなかったあかつきには、衆院議員を辞したい』。江田氏は18日の設立総会後の記者会見でこう語り、再編に向け並々ならぬ決意を表明した。
 
来春に維新と再び新党を結成し、来年末までに民主党の一部と合流する――。そんな構想を描く江田氏は、年明け早々に維新の橋下徹共同代表(大阪市長)と政策協議を始めたい意向だ。だが、安全保障政策はその際のネックになりそうだ。折しも18日、維新の旧太陽の党系の石原慎太郎共同代表、平沼赳夫国会議員団代表が、安倍晋三首相と官邸で昼食をともにした。『維新は是々非々で政治をするが、憲法の問題は協力してやりましょう。日本の平和と安全を守るために頑張ってください』。
石原氏がこう語りかけると首相はうなずき、『この問題はしっかり時間をかけてやらなければいけないですね』と応じた。3人が見つめる先にあるのは、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認だ。会談後、平沼氏は記者団に、結いとの連携について『全く考えていない』と切り捨てた。
江田氏が保守色の強い旧太陽系を忌避していることが念頭にあったとみられる。
 
18日の会見でも『憲法解釈を変更するにあたっては慎重にやらなければならない』と語った江田氏。そんな同氏が理想としているのは、旧太陽系以外の維新議員との合流だ。だが、集団的自衛権の行使に関しては橋下氏も容認しており、7月の参院選公約にも『集団的自衛権の行使などを定める国家安全保障体制を整備する』と明記している。旧太陽系と、それ以外とで割り切れるほど維新内は単純ではない。
渡辺氏が結いへの攻勢を強めているのも江田氏にとって頭痛の種。渡辺氏は18日夕、結いについて『民主党が言っていたイメージに近い印象だ。既視感というかデジャビュというか、すぐジ・エンドになるんじゃないか』とこき下ろした。
このまま比例代表選出の13人の会派離脱が認められなければ、結いの国会活動に支障が生じるのは確実だ。渡辺氏は所属議員の数に応じて各会派に交付される1人当たり月65万円の立法事務費を、13人に渡さない方針だ。衆院議院運営委員会の与党議員は『渡辺氏も子供じゃあるまいし、当選した議員をしばるのはいかがなものか』と苦言を呈すが、渡辺氏に一歩も譲るつもりはない」。
 
新党「結いの党」が結成されたが、政界再編の前途は、多難である。日本の維新の会の旧太陽系以外の維新議員との合流のメドが立たないからである。政界再編の軸となる「集団的自衛権行使容認」に反対であり、民主党、共産党サイドに立つからである。
  
編集 持田哲也

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