「政権担当能力を競い合う党首討論に」

政治

 8月12日、安倍晋三内閣の支持率低下に対し、日本株は逆行して上昇してきた。その背景には支持率が下がれば、財政出動など政策を打ち出すとの期待がある。都内で5月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

朝日の社説に「党首討論」「『歴史的使命』立て直せ」が書かれている。

「安倍首相は相変わらず質問に正面から答えない。そうした首相の対応を見切ってか、野党党首も自らの主張の披露に力点を置く。これではとてもかみ合った議論になるはずがない。

今国会で2度目となる党首討論がきのう開かれた。1カ月前の前回は、首相が質問と関係ない話を延々と続けたり、論点をすり替えたりして、議論の体をなさなかった。

その反省を生かせるかが焦点だった。行司役の委員長が冒頭、与野党双方に『発言は簡潔に』と求めたのもその表れだ。

だが、残念ながら、今回も緊張感のある丁々発止の議論には程遠く、党首討論の存在意義そのものが問われる危機的状況と言わざるを得ない。

まずは首相の対応である。

共産党の志位和夫委員長は、加計学園が首相の名をたびたび使って、愛媛県や今治市から巨額の補助金を『かすめとった』ことにならないかと追及した。首相は『県・市が主体的に判断することで、私はあずかり知らない』と評価を避け続けた。

森友問題では、無所属の会の岡田克也代表の質問に対し、過去の国会答弁の内容を長々と説明し、時間を空費した。

一方の野党はどうか。立憲民主党の枝野幸男代表は『安倍政権の問題点を7つ列挙したい』と切り出し、約6分間、森友・加計問題や、米軍機の墜落事故をめぐる首相答弁への疑義を一気に並べ立てた。

前回、枝野氏は持ち時間19分のうち12分を、首相の一方的な説明に費やされてしまった。その轍を踏むまいということだったのだろうが、これでは首相の手法と同じではないか。

枝野氏は前回の討論後、『意味のないことをダラダラとしゃべる首相を相手に、今の党首討論はほとんど歴史的意味を終えた』と語った。首相はきのうの討論の中で、この発言を引いて『本当に歴史的な使命が終わってしまった』と言い放った。

党首討論は英国議会をモデルに、国会論戦の活性化を狙って00年に正式に導入された。与野党のトップ同士が大局的な見地から議論を深める意義は、決して失われてはいない。民主党政権下での野田首相と野党自民党の谷垣禎一総裁との討論が、社会保障と税の一帯改革につながった例もある。

『歴史的な使命』を終わらせるのではなく、与野党がともに、本来あるべき姿を実現するための方策に知恵を絞るのが筋だ。何より大事なのは、議論を通じて政治の質を高めようという意思である」。

社説の主旨である「歴史的使命立て直せ」に異論がある。

党首討論の歴史的使命を終わらせたのは、野党が一方的な印象操作に終始したからである。もりかけ問題で安倍晋三首相の関与の決定的証拠を提示せず、安倍首相が権力を乱用したとの印象操作を繰り返したからである。国策を巡る大局見地からの政権担当能力を競い合う討論には程遠いと言わざるを得ない。

問題は、もりかけ問題が朝日・野党が仕掛けたフェイクニュースによる倒閣運動であったことだ。1年半続いたもりかけ問題で確かに内閣支持率は今年の2月から急落、不支持率が支持率を逆転したが、6月に入ってからは、支持率が反転上昇し、再度不支持率を逆転、日経調査では内閣支持率が52%、不支持率42%と2月の水準に戻している。一方、反安倍の野党の支持率の合計が15%前後であり、与党支持率の3分の1しかない。安倍晋三首相への不信が薄れ、野党への不信が増幅したとなる。朝日・野党の倒閣運動は失敗したとなるが。その象徴が、朝日の「『歴史的使命』立て直せ」の文言となる。政権担当能力を競い合う党首討論に、である。

産経の「石平のChina Watch」に「茶番となった『一帯一路』」が書かれている。

「中国の習近平国家主席肝煎りの『一帯一路』構想が今、窮地に立たされている。

昨年1年間で、パキスタンやネパール、ミャンマーで中国関与のインフラ建設案件が相次いで中止や延期に追い込まれた。先月にはマレーシアが、中国が『一帯一路』の主要事業として受注攻勢をかけていたマレー半島高速鉄道計画の廃止を表明した。

当初は『一帯一路』への協力に積極的だった西側諸国も、この〝壮大なる構想″の危うさに気がついた。

やはり先月には、欧州連合(EU)加盟国28カ国のうち27カ国の駐中国大使が、『中国に利するように設計されている』とし、『一帯一路』を厳しく批判する報告書をまとめている。

このように、アジアなどの地域で中国主導の投資プロジェクトの展開を主な内容とする『一帯一路』は今、投資される方のアジア諸国と投資を期待される方のEU諸国の両方からそっぽを向かれ、もはや風前のともしび、四面楚歌の状況である。

『一帯一路』がこのような大失敗を演じている事実は中国国内ではほとんど報道されていないが、最近、中国のメディアに登場する『一帯一路』の関連ニュースは、次のようなものだ。

今月18日、上海国際映画祭で『一帯一路映画文化フォーラム』が催された。関係諸国の映画監督たちが一堂に集まり、『一帯一路映画祭』の創設を討議したという。

同じ18日、『一帯一路・シルク文化の旅』というイベントが中国の黒竜江省、深?市、そして香港・マカオなどの各地で同時に開催され、多くの芸術家たちが『一帯一路』をテーマとした舞台や作品を披露した。

そして同19日付の江西日報の報道によると、江西省サッカー協会は26日から、タイやイランなどの6カ国からサッカーチームを招き、『一帯一路国際サッカー親善試合』を開催する、というのである。

こんなニュースを目にして、筆者の私は思わず噴き出してしまった。

『映画祭』の開催にしても、『文化の旅』にしても、『国際サッカー親善試合』にしても、それらが一体、インフラ建設を内容とする『一帯一路』と何の関係があるというのか。

多くの投資プロジェクトが中止や延期の憂き目にあい、『一帯一路』が開店休業状態となっている中で、中国当局は何とかして『やっている感』を演出してみせるために、サッカーも映画も無理やり『一帯一路』に関連づけて国民の目をごまかそうとしているのだろう。

鳴り物入りの『一帯一路』はすでにその本来の意味を失って、単なる茶番となりつつあるのである。

その中で、『一帯一路』の提唱者である習主席もこの壮大なる茶番に登場した。

今月7日、習主席はカザフスタンのナザルバエフ大統領と首脳会談を行ったが、この会談において、ナザルバエフ大統領は『一帯一路』にほとんど触れていないのに、習主席は一方的に熱心に吹聴した。

『一帯一路が積極的な成果を上げた』と自画自賛した上で、『成果を上げたのは世界の潮流に順応したからだ』と、『成功の原因』を分析してみせたのである。

もちろん、彼の言う『積極的な成果を上げた』のも『世界の潮流に順応している』のも、単なる虚言でしかない。上述のように、事実はその正反対である。

一枚看板の『一帯一路』が大きく挫折している今、習主席は結局、自らの体面と威信を保つために公然と虚言を吐くこととなっているのだ。要するに彼は、自らが『裸』であることを承知していながらも『裸の王様』を演じていく以外にないのである」。

中国の習近平国家主席主導の「一帯一路」構想が窮地に立たされている。6月、EU加盟国28カ国のうち27カ国の駐中国大使が中国を利するだけとして「一帯一路」構想批判の報告書をまとめた。同じく6月、政権交代したマレーシアが中国主導のマレー半島高速鉄道計画の廃止を表明した。パキスタン、ネパール、ミャンマーのインフラ建設案件が中止か延期である。理由は資金不足である。そこに米中貿易戦争である。「一帯一路」構想のとん挫必至となる。

日経の「世論調査考」「安倍内閣 強さともろさ」に「首相20代の人気高く」「安定志向、投票率は低く」が書かれている。

「安倍内閣の支持率を下支えしているのは若者だ。日本経済新聞社の22~24日の世論調査で、年代別の内閣支持率を見ると、最も高いのは18~29歳の63%。30代の56%と合わせ、比較的若い世代で全体平均よりも支持率が高い傾向が浮かぶ。

50代は内閣支持率が44%で不支持率は53%、60代は支持率44%、不支持率52%で、いずれも不支持が支持を上回る。安倍内閣は若年層と中高年層で支持に濃淡がある。

<就職環境を評価>

18~29歳で安倍内閣を支持すると答えた人に理由を複数回答で聞くと、『安定感がある』『国際感覚がある』が4割を超える。大学生の就職環境は良い。若者にとってはこのまま改善し続けるのが望ましく、安定志向が強いとの指摘は多い。安倍晋三首相の外交姿勢への評価も支持につながっている。

9月の自民党総裁選で誰が選ばれるのがふさわしいか聞く質問で、18~29歳は45%が安倍首相をと答えた。全体で安倍首相を選んだ人は30%なので、突出ぶりが目立つ。

若者の内閣支持率は2012年12月の第2次安倍内閣発足の当初から高かったわけではない。発足から2カ月後の13年2月調査では20代の内閣支持率は約5割、30代は66%と全体の70%より低い。就職環境が良くなるに伴って、若者の内閣支持率が全体を上回ることが多くなった。足元は若者人気が鮮明で、今年の1~6月の18~29歳の支持率は平均して全体より10ポイントも高い。

06年9月に発足した第1次安倍内閣の支持率を振り返ると、第2次以降と逆の傾向が浮かぶ。20代、30代の支持率は全体よりも低いことが多かった。むしろ60代や70歳以上の支持が目立った。

<改憲にも影響>

若者の人気に支えられて内閣支持率が高くても、実際の選挙で若者が投票に行かなければ、自民党が勝利できるかは見通せない。内閣不支持率が高い50代や60代の投票率が上がれば、政権批判票が増す可能性はある。

総務省によると、17年衆院選の投票率(小選挙区)は18歳が47・87%、19歳が33・25%で、いずれも全体の53・68%を下回る。20代も33・85%と低い。一方、50代は5月63・32%、60代は72・04%と全体平均を上回る。

17年衆院選の街頭演説に臨んだ首相が感じたのは、スマホの写真で首相を収めようと前列に並ぶ若者の熱気だった。『若い人がちゃんと選挙に行ってくれるといいんだけどね』。首相が周囲に漏らしたように、若者人気が集票力につながるかは投票率にも左右される。

首相がめざす憲法9条に自衛隊を明記する改憲案の成否も似た構図になる。4月調査で、18~29歳は賛成54%、反対28%。全体では賛成40%、反対41%と拮抗していた。50代は賛成42%、反対46%、60代は賛成36%、反対47%、70歳以上は賛成34%、反対46%で、中高年は反対の方が多い」。

日経調査で18~29歳の内閣支持率は63%もある。その反対が50代、60代の44%である。19ポイント差はネット世代とTV世代の違いとなる。もりかけ問題の影響の有無となる。40代、50代の支持率アップと18~30代の投票率アップには、自民党支持層の思想武装が必須となるが。

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