日刊労働通信社 | 成人年齢18歳へ引き下げ

成人年齢18歳へ引き下げ

コラム 社会

 

毎日に「自民保守派が猛反発」「『婚外子』『成人年齢』巡る法改正」「執行部、とりまとめに苦慮」が書かれている。

 

「自民党の保守系議員が、結婚していない男女間の子供(婚外子)の遺産相続の配分を夫婦の子供と等しくする民法改正案や、改憲手続きを定めた国民投票法改正案の了承を得ようとする党執行部への反発を強めている。背景には、安倍晋三首相が『現実路線』に傾斜していることへの危機感があり、両法案の取りまとめは難航している。
保守系議員が強く問題視しているのが民法改正案。最高裁が『現行法の婚外子の遺産相続は半分との規定は違憲』とした決定を受けたものだが、保守系議員は『家族制度を破壊する』などと猛反発している。
民法改正に反対する西川京子副文部科学相や木原稔防衛政務官ら中堅の保守系議員約20人は先月24日、『家族を守る勉強会』を発足。国会内で開いた初会合では、永岡桂子衆院議員が『最高裁の決定を受けて内閣は民法を変えようとしているが、こんな理不尽があっていいのか』と強調。出席者からは際高裁決定に対し『司法の暴走だ』などの声も相次いだ。今後は法律婚を尊重するよう求めていく方針を確認した。
国民投票法改正案にも反発が強く、1日の自民党憲法改正推進本部の総会では、保守系中堅議員が『安倍内閣にも大きな損失だ。国の命運がかかっている』と執行部にかみつき、改正案の了承手続きは先送りとなった。

 

改正案は、投票権18歳への引き下げに加え、成人年齢18歳への将来的な見直しや、公務員の政治的行為の制限緩和などが柱。公明党などと調整したうえでまとめた法案だが、保守系議員らは『成人年齢20歳』を前提に確立している社会システムの破壊や労働組合の活動助長につながると反発。『他党との調整を優先しすぎだ』と不満を募らせる。
保守系議員には、首相が靖国神社参拝を秋季例大祭でも見送るなど保守色を薄め、経済対策など現実路線を優先していることへの不満が蓄積している。保守系議員は『<戦後レジームからの脱却>を掲げた第1次政権も途中から現実路線になった。今回もそのうち不満が出始めかねない』と漏らす。

 

首相が会長を務める超党派の保守系議員のグループ『創生日本』幹部も『靖国参拝しない会長では意味がない』とけん制し、『保守回帰』への圧力を一層強めている。だが、保守系の反発で政権の足元が揺らげば、首相が保守色を打ち出しにくくなりかねないジレンマも抱える。党幹部は『党内争いと映れば支持率が落ちる』と困惑する」。
自民党法務部会は、5日、結婚していない男女の間に生まれた子(婚外子)の遺産相続に関する格差規定を削除する民法改正案を了承した。これにより同改正案の今国会での成立は確実となったが、国民投票法改正案は、「投票権を18歳以上に」に保守派の反発が強く、先送りとなった。自民党保守派が、首相主導の抵抗勢力となっている。
 
 
編集 持田哲也

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