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「自民35% 立憲12%

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朝日に「参院選・比例投票先本社世論調査」「自民35% 立憲12%」が書かれている。

「朝日新聞社は13、14の両日、参院選(21日投開票)に向けた全国世論調査(電話)を実施した。現時点での比例区投票先を聞くと、自民が35%(6月調査は40%)と最も多く、立憲民主は12%(同13%)。公明、共産、日本維新の会はいずれも6%だった。

全体の半数近くを占める無党派層に限ると、比例区投票先は自民16%、立憲12%、維新6%の順。『答えない・わからない』が5割おり、無党派層が依然、投票態度を決めかねている状況がうかがえる。

内閣不支持層の比例区投票先は、立憲28%、共産14%、維新9%の順だった。

一方、参院選に『大いに関心がある』と答えた人は18%(6月調査は18%)にとどまり、関心度は高まっていない。調査方法が異なるため、単純に比較できないが、2016年の参院選では、投票1週刊前の調査で『大いに関心』は27%だった。

自民、公明の与党と憲法改正に前向きな維新などの「改憲勢力」が、参議院の3分の2以上を『占めた方がよい』は37%で、『占めない方がよい』は40%だった。一方、今の日本の政治にとって重要なのは『野党がもっと力を持つ』ことだと答えたのは43%で、『与党が安定した力を持つ』の36%より多かった。

年金など老後不安に対する、安倍政権の取り組みについては『評価しない』62%が、『評価する』22%を大きく上回った。ただ、『評価しない』層でも比例区投票先は自民の23%が最も高く、立憲の17%を上回った。内閣支持率は42%(同45%)、不支持率は34%(同33%)だった。

≪韓国への輸出規制強化「妥当だ」56%≫

朝日新聞社が13、14の両日に実施した世論調査(電話)で、安倍政権が韓国向けの半導体素材の輸出規制を強化したことについて聞くと、56%が『妥当だ』と答えた。『妥当ではない』は21%だった。

内閣支持層では『妥当だ』が74%。内閣不支持層でも43%が『妥当だ』と答え、『妥当ではない』の36%を上回った。男女別では『妥当だ』は男性の65%で、女性の47%より高めだった。

元ハンセン病患者の家族への賠償を国に命じた熊本地裁判決に対し、安倍晋三首相が控訴を断念したことには77%が『評価する』。『評価しない』の10%を大幅に上回った。内閣不支持層でも76%が『評価する』と答えた。

安倍政権6年半の実績の評価も尋ねた。『大いに』と『ある程度』を合わせた『評価する』は63%。『あまり』と『全く』を合わせた『評価しない』35%だった。内閣不支持層では、『あまり』と『全く』を合わせた『評価しない』が71%で、『ある程度評価する』が26%だった」。

朝日調査の比例投票先で、与党は自民35%+公明6%=41%に対して、野党共闘は、立憲12%+国民2%+共産6%+社民2%+れいわ1%=23%しかない。投票率が16年の54%を下回ることが想定されるから、18ポイント差は21日の投開票日まで変わらないから、32の1人区での接戦区6~8で自民が競り勝ち、自民が改選議席の65議席に届くが。

毎日に「参院選後半情勢本社総合調査」「改憲3分の2厳しく」「1人区で自民防戦」が書かれている。

「毎日新聞は13、14両日、第25回参院選の特別情勢調査を行い、取材情報を加味して後半の情勢を探った。4、5両日の序盤情勢の取材時と比べると、32カ所ある改選数1の『1人区』で、野党情勢の選挙区が5から7に増えた。28カ所の1人区では自民党現職が改選を迎えており、自民の防戦が続いている。自民、公明両党に、憲法改正に前向きな日本維新の会を加えた『改憲勢力』は、改憲発議の条件である参院定数(245)の「3分の2」(164)の議席の維持に必要な85議席を確保するのが厳しい情勢となっている。

参院選では定数の半数が改選され、非改選は121。定数増に伴い、今回の改選数は3増の124。情勢調査で『投票先を決めていない』と答えた人は選挙区で約2割で、21日の投開票日までに情勢が変わる可能性がある。

自民が固めた議席は選挙区と比例を合わせて51以下となる見込みで、序盤の『53以上』から微減となった。公明党は10議席を固めた。自民幹部が『勝敗ライン』に掲げる『与党で改選過半数』の63は超えそうだ。

1人区は32選挙区のうち、自民が20選挙区で優勢を保つ。序盤と比べると、香川が接戦から自民優勢に転じた一方、自民がリードしていた青森、鹿児島が接戦となり、自民優勢の選挙区が一つ減った。岩手、宮城、新潟では、接戦から野党統一候補が抜け出した。山形、長野、愛媛、沖縄とともに野党側が優勢だ。一方、秋田は野党優勢から互角に転じた。青森、三重、滋賀、鹿児島の計5選挙区で与野党が競り合う。自民優勢の選挙区でも  野党が激しく追い上げる選挙区が複数ある。

自公両党は衆院では改憲発議の前提の3分の2を確保し、参院では維新と、改憲に前向きな無所属議員と合わせて3分の2を占める。非改選の改憲勢力議員は79人で、3分の2の維持には85人の当選が必要となる。

後半情勢では自公維3党が固めたのは67議席で、序盤より2減。東京と兵庫などで自公維の候補が当落線上で競合しており、85議席獲得は厳しい情勢だ。

安倍晋三首相の改憲の意向と距離を置く『非改選勢力』は選挙区、比例で計35議席を固めた。40議席を得れば『3分の2』を阻止できる。立憲は首都圏4選挙区と福岡で優勢で、比例は10議席以上を視野に入れる。国民は選挙区と比例で4~6議席の見通し。共産は東京、埼玉で議席獲得の可能性が高い。

維新は大阪で2議席獲得の可能性が高く、東京、兵庫で議席をうかがう。社民は比例の議席獲得に向けて厳しい戦いを続ける。政治団体「れいわ新選組」は比例で1~2議席を獲得しそうだ。政治団体「NHKから国民を守る党」も比例で議席獲得の可能性がある」。

毎日調査では、改憲勢力3分の2厳しくと、日経調査の改憲勢力3分2迫ると真逆である。違いは、32の1人区の勝ち負けである。毎日は、自民優勢20、野党優勢7、接戦5となっている。日経は自民優勢23、野党優勢3、接戦6。野党優勢7とは、山形、長野、愛媛、沖縄、岩手、宮城、新潟である。

問題は、与野党のいずれが勢いがあるか、となる。参院選の投票率が16年の54%より減ることが想定され、無党派層の流入はなく、最後は組織票の勝負となり、自公が競り勝つとなる。日経の野党優勢の長野、愛媛、沖縄以外は自公が競り勝ち、29勝3敗となり、13年の29勝2敗とならび、自民は65議席となり、改憲勢力3分2に届くが。

強い結束北朝鮮に示す

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毎日の「論点スペシャル」「日米首脳会談」で、西岡力・麗沢大客員教授が「『強い結束』北朝鮮に示す」を述べている。

「過去2回行われた金正恩・朝鮮労働党委員長との首脳会談で、トランプ大統領は計3回も拉致問題を取り上げてくれた。今回の訪日でも安倍晋三首相と問題解決に向けて綿密に打ち合わせを行い、貴重な時間を割いて被害者の家族とも面会した。他国の問題であるにもかかわらず、大統領は拉致問題を『自分のイシュー(案件)』と位置づけている。普通ならあり得ないことで、心強い限りだ。

大統領はなぜ、これほど拉致問題を重視しているのか。一つには、日本側の粘り強い働きかけが実を結んだということがある。安倍首相によると、大統領との初めてのゴルフの際、一緒にカートに乗りながら拉致の話をずっとし続けたそうだ。被害者の家族も20年ほど前から毎年訪米し、米政府高官らに協力を求めてきた。その結果、被害者家族が米国で面会相手に『13歳の少女が』と切り出そうとすると、『それは分かっている。何か新しい話があれば教えてくれ』と言われるようになった。大統領とその周辺が拉致問題の深刻さ、そして一日も早い解決を願う家族の気持ちを十分に理解してくれているのは間違いない。

また、拉致が核・ミサイルを巡る米朝交渉を進めるうえで避けて通れない案件になっているということも、大統領が拉致を重視する理由の一つとなっている。

米朝首脳会談で大統領は金委員長に『核を完全に放棄し、拉致の解決など人権問題に取り組めば北朝鮮は豊かな国になれる。ただし、米国は経済支援できない』と明言した。独裁国家・北朝鮮への経済支援を、人権を重視する米議会が認める可能性は低いからだ。そこで浮上してくるのが、米国は核・ミサイル問題が解決すれば北朝鮮への経済制裁を解除し、日本は拉致問題の解決後に北朝鮮への経済支援を行うという『役割分担』だ。核・ミサイルだけでなく、拉致でもカードを切らない限り北朝鮮は経済支援を受けられないという原則は、日米で完全に共有されている。今回の大統領の訪日は、日米の結束は強固だという北朝鮮へのメッセージになったはずだ。

北朝鮮では今、飢えが広がりつつあるとされる。国際社会による経済制裁の効果だと言われ、実際、北朝鮮は米国に終戦宣言ではなく制裁解除を強く求めるようになった。拉致問題の解決と国交正常化が前提だが、巨額の経済支援を期待できる日本は北朝鮮にとって重要な存在だ。安倍首相も『条件をつけずに会談を』と言っており、3回目の米朝首脳会談の前か後かはともかく、遠からず日朝首脳会談が行われるはずだ。

その場合、安倍首相は絶対に『拉致被害者全員の即時一括帰国』という原則を変えてはいけない。原則は変えずに、しかし、トップ同士でうそ偽りなく語り合える信頼関係を構築する。大変な難題だが、それ以外に道はない。被害者の親たちは、わが子が帰ってくるなら日朝国交正常化に反対しないし、北朝鮮への経済支援にも反対しないと決断した。ここから先は安倍首相が直接、金委員長と取引するしかない。米国と十分に意思疎通をしながら、一歩一歩進んでいってほしい」。

3回目の米朝首脳会談の前後に日朝首脳会談が行われるのは必然である。核・ミサイルだけでなく拉致でもカードを切らない限り北朝鮮は経済支援を受けられないとの原則が日米で共有されており、その再確認が今回の日米首脳会談である。金正恩氏への強いメッセージである。

毎日の「論点スペシャル」「日米首脳会談」で、細川昌彦・中部大特任教授が「貿易交渉 急ぐ理由はない」を述べている。

「日米首脳会談では『貿易交渉を加速させる』という認識で一致した。トランプ米大統領は8月の合意に期待感を示したが、これは来年の米大統領選に向けてアピールできる成果が早くほしいからだ。米国が離脱した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が昨年末に発効したことで、米国の農産品の対日輸出は他国に比べて不利になっている。米国側が焦っているのであり、日本が早期合意に応じなければならない理由はない。

トランプ氏は記者会見で農産品の関税引き下げに絡み、『私は(TPPの水準に)縛られない』と発言した。しかし、実際にはTPP以上の関税引き下げを日本側に求めることはないだろう。対日輸出で不利な状況を解消し、関税がTPPの水準になれば米国側は満足する。大統領選への対応が本格化する今年秋までに合意できればいいだろう。

ただ、日本だけが米国の農産品の関税を下げるという交渉はあり得ない。米国が日本から輸入する自動車や工業製品には関税がかかっており、工業製品の関税引き下げを含めた『パッケージ』でないと日米の合意は成立しない。茂木敏充経済再生担当相は交渉について『ウィンウィン』という言葉をよく使うが、言い換えれば、日米による『ギブ・アンド・テーク』という意味だ。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表もパッケージでの合意が必要なことは分かっているはずだ。

焦点は米国が2・5%の関税をかけている自動車・同部品の扱い。自動車部品の関税が即時撤廃されれば、その部品を使って米国の完成車工場を稼働させることが容易になる。トランプ氏が求める対米投資や現地での雇用拡大につながるもので、その観点からも日本が『関税撤廃が必要』と米国側に訴えることは非常に論理的だ。

一方、仮にトランプ政権が自動車・同部品に25%の追加関税を課せば、米国経済も打撃を受けることになる。輸入車だけでなく、日本の部品を使っている米国産の車も影響を受け、車の価格が上がるためだ。消費者から不満が出るはずで、トランプ氏は自分の首を絞めるようなことはしないだろう。『日本は閉鎖的』というトランプ氏の誤解を解くのが安倍晋三首相の役割。あとはトランプ氏が大統領選で成果をアピールできるようにすればいい。

一方、米国と中国による貿易戦争は今後も延々と続くのではないか。トランプ氏の選挙戦にとっては、中国との対立が続いた方が逆にプラスに働くのかもしれない。米国議会も対中国で強硬姿勢を示しており、安易に妥協してしまうとトランプ氏が逆に批判を受けることになる。彼は政治的な嗅覚が鋭いので、その辺は理解しているだろう。株価さえ暴落しなければ大丈夫とも考えているはずだ。

中国による知的財産権侵害などは日米欧共通の課題だ。日本も世界貿易機関(WTO)改革などを通じて中国に改善を促すとともに、米国を自由貿易の立場に引き込むべきだ。日米欧が連携して中国を揺さぶれば、日本にとっては米国に対するアピールにもなるだろう」。

トランプ大統領は「TPPに縛られない」と発言したが、関税がTPPの水準並みになれば米国側は満足し、今年秋までの合意で了とする。米中貿易戦争がメインであり、日米は同盟国だからである。トランプ再選には、安倍4選が前提であり、対中国への同盟国としての配慮が優先するからである。安倍が困ることはしないと。

「南北改善 宙に浮く」「板門店会談1年」「非核化の道 先送りのツケ」

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読売に「南北改善 宙に浮く」「板門店会談1年」「非核化の道 先送りのツケ」が書かれている。

「韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が軍事境界線上の板門店で初めて会談してから27日で1年を迎えた。南北関係の改善は初の米朝首脳会談実現につながったが、肝心の北朝鮮の非核化はいっこうに進まないままだ。米朝協議が行き詰まる中、南北関係も停滞を余儀なくされている。

<北の不満>

文氏は27日、板門店の韓国側で開かれた1周年の記念行事にビデオメッセージを寄せ、昨年の初会談で正恩氏と署名した『板門店宣言』が『一つ一つ履行されている』と胸を張った。だが、韓国側が出席を求めていた北朝鮮当局者の姿はなかった。

北朝鮮の対韓国窓口機関『祖国平和統一委員会』はこの日、1周年に合わせて発表した文書で南北関係の停滞に不満を表明し、『関係改善の雰囲気を続けるのか、破局へ向かっていた過去に戻るのかという重大な情勢』にあると韓国側をけん制した。

北朝鮮が重視するのは、韓国との経済協力で外貨を稼ぐ『開城工業団地』と『金剛山観光』の再開だ。実現には対北朝鮮制裁の緩和・解除が不可欠で、事実上は米国の承認が必要となるが、トランプ政権は非核化が実現するまで応じない方針だ。

<会談 物別れ>

板門店宣言では、『完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現する』ことを南北の共通目標と位置づけた。正恩氏が初めて文書で非核化を約束したことが、シンガポールでの初の米朝首脳会談を後押しし、共同声明で改めて『朝鮮半島の完全な非核化』を明記することにつながった。

だが、非核化の具体論を先送りにしたツケが、いま回ってきている。今年2月の2回目の米朝首脳会談で、北朝鮮側は寧辺の核施設廃棄と引き換えに主要な経済制裁を解除するよう迫り、核兵器の解体など抜本的な非核化措置を求める米国がこれに応じなかったことから会談は物別れに終わった。

<残り時間>

文氏は通算4度目となる南北首脳会談を早期に開き、正恩氏からさらなる非核化措置を引き出したい考えだが、正恩氏はこれを拒んだまま、今月25日にロシアのプーチン大統領と初めて会談した。制裁緩和に理解を示す中国・ロシアとの共闘を優先する方針とみられる。

来年の大統領選での再選をにらむトランプ大統領と、独裁体制を敷く正恩氏は、ともに相手の譲歩を待って長期戦に臨む構えを見せている。今年で任期5年の折り返しに入り、憲法で再選も認められていない文氏にとって、看板政策である南北関係改善に取り組むのに残された時間は多くない」。

板門店会談から27日で1年を迎えたが、南北関係改善は停滞したままである。2月の米朝首相会談が物別れとなり、金正恩委員長が希求した開城工業団地と金剛山開発の再開がとん挫したからである。問題は,文在寅大統領が金正恩氏とトランプ氏双方からの不信をかい、仲介役として失格との烙印を押されたことである。看板政策である南北関係改善停滞は国内での求心力失墜となるが。

             
③産経に「拉致解決 来年が山場」「対北で日米連携 五輪、大統領選控え」が書かれている。

「トランプ大統領が26日の安倍晋三首相との会談で、日朝首脳会談実現への全面協力を表明したことは、拉致問題解決に向けた追い風となる。ただ、日米両首脳が連携を強める背景には、双方とも2020年までに北朝鮮政策で一定の成果を出すことを求められる事情もあり、時間的猶予は限られている。

日本には東京五輪・パラリンピックが一つの節目となりそうだ。国際オリンピック委員会(IOC)と韓国、北朝鮮は2月、東京五輪の4競技での南北合同チーム結成に合意した。五輪憲章は国籍による差別を禁止しており、日本政府は大会関係者の入国などで政治的判断を迫られる。

日本は独自制裁で北朝鮮籍者の入国を原則禁止しているが、北朝鮮が五輪を『平和の祭典』だと訴え、揺さぶりをかけてくる可能性がある。拉致被害者家族の多くが高齢であることも解決を急ぐ大きな要因だ。

トランプ氏にとっては、来年の大統領再選が最大の目的となる。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は4月、米朝交渉の期限を『年末まで』と区切った。強硬姿勢を維持するトランプ氏だが、対北交渉が進展しないまま大統領選が近づけば、目先の成果を得ようとして非核化で妥協するとの懸念もくすぶる。

日本政府は今年、国連人権理事会に11年連続で提出してきた北朝鮮の人権侵害を非難する決議案提出を見送った。今年の外交青書からは、前年まで記載していた北朝鮮への『最大限の圧力』との表現も削除した。日朝首脳会談実現を目指し配慮する姿勢を隠さない。

一方、首相は26日の会談後、記者団に『朝鮮半島の非核化は日露共通の目標だ』と明言した。ロシアを含め北朝鮮の核保有は全ての国が容認しないとクギをさした形だ。

日本としては『米朝協議が進展しなければ拉致問題の解決は難しい』(政府関係者)のが実態だ。4回目のゴルフ、3カ月連続会談と、日米両首脳の信頼関係を最大限利用しつつ、どう主体的に動くか。拉致問題に長年取り組む首相の手腕が今こそ問われている。

≪北、対日交渉準備整わず≫

安倍晋三首相は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と『次は私が向き合う』と意欲を示したが、2月の米朝首脳会談の物別れ後、金正恩氏は、外交戦略の仕切り直しを迫られ、それどころではないのが実情のようだ。

金正恩氏と韓国の文在寅大統領が軍事境界線がある板門店で初会談してから1年に当たる27日、北朝鮮の祖国平和統一委員会は、会談が『(金正恩氏の)民族愛と決断の結実』だとする立場を発表した。米国が南北関係の進展を阻み、『戦争の危険が色濃く破局へと進んでいた過去に逆戻り』しかねないとも警告した。

それでも、米韓との対話路線を維持する北朝鮮は、文氏やトランプ氏への非難は避けている。その分、『安倍一味が(北)朝鮮敵視の妄動で得たのは、国際政治舞台での孤立という結果しかない』(朝鮮中央通信)などと、連日の安倍政権批判が目立っている。

韓国当局は、金正恩氏の側近で対外交渉を統括してきた金英哲党副委員長が最近、工作部門の党統一戦線部トップから外れたとみている。同部の金聖恵統一戦線策略室長も米朝会談の物別れを受けて問責されたと取り沙汰されている。金聖恵氏は、日本との水面下接触も担ってきたとされ、交渉ラインの仕切り直しで物理的に日朝交渉の本格稼働は難しいとみられている。

韓国は27日、板門店で南北首脳会談1周年を記念した公演などを開いたが、韓国からの通知に北朝鮮は返答さえしなかったという。
      
≪インド太平洋戦略実現へ歩調≫

トランプ米大統領は26日の日米首脳会談で、安倍晋三首相との『緊密な関係』   を改めて強調したのは、トランプ政権がインド太平洋地域での戦略的重要懸案に位置づける中国や北朝鮮への対応で、日本と歩調を合わせて連携していくことが不可欠であることを認識しているためだ。

『両首脳の間柄は世界でも指折りの良好さだ』

ハガティ駐日米大使は一部日本人記者団との会見でこう述べ、日米は貿易など経済分野での『深刻な問題』への対処を迫られている一方、中国や北朝鮮などの共通の懸案で『強固な信頼』に基づき共に前進できると強調した。

米政策研究機関『ヘリテージ財団』のライリー・ウォルターズ研究員も安倍首相について『世界各国の首脳の中でトランプ氏と最も仲が良い』と指摘する。

日米政府高官によると、トランプ氏と安倍首相は会談で、中国による反市場主義的な経済活動の是正や、東シナ海や南シナ海の係争地域の『軍事拠点化』の阻止に向け一緒に取り組んでいくことを確認した。

日米は、欧州諸国を巻き込んで南シナ海での『航行の自由作戦』などで中国の覇権的行動を牽制すると同時に、サイバー安全保障や知的財産権をめぐる中国の行動を是正するため世界貿易機関(WTO)ルールの改革を主導してきた。

トランプ政権からみて、『自由で開かれたインド太平洋構想』を実現させていく上で、日本は唯一無二のパートナーであるといえる」。

26日の日米首脳会談で、トランプ米大統領は日朝首脳会談実現への全面協力を表明したが、拉致家問題解決の山場は2020年となる。IOCと韓国、北朝鮮が2月東京五輪の4競技での南北合同チーム結成に合意しており、日本政府は北朝鮮関係者の入国での政治決断を迫られるからである。金正恩氏が米朝交渉の期限を年末で限定したこともその理由となる。

「辺野古移設反対は全有権者の36%に、容認は60%超に」

政治

朝日の社説に「沖縄3区補選」「『辺野古が唯一』脱せよ」が書かれている。

「政府がむき出しの力で抑えつけようとしても、決して屈しないし、あきらめない。県民のそんな思いが改めて示された。

注目の衆院沖縄3区補選は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対をかかげる屋良朝博氏が、安倍政権が推した元沖縄北方相・島尻安伊子氏を破って当選した。

昨秋の知事選で、政権側の候補は移設の是非を語らない『辺野古隠し』に徹し、批判を浴びた。島尻氏は今回、普天間の危険性を取り除くためだとして容認姿勢を明確にしたうえで、経済振興策などを訴えた。だが有権者には届かなかった。

当然の結果ではないか。

2月の県民投票では、辺野古の海の埋め立てに反対する票が7割以上を占めた。しかし政権は一顧だにせず、3月下旬には新たな海域への土砂投入を始めた。3区の有権者を対象に朝日新聞などが実施した世論調査では、68%が政権の姿勢を『評価しない」
』と回答。参院選を前にした重要な補選だというのに、首相は応援のために現地に入ることすらできなかった。

いったい政権は、この問題にどんな展望を持っているのか。

埋め立て予定海域に軟弱地盤が広がっていることが明らかになった。工事は可能なのか。完成はいつで、事業費はどこまで膨らむのか。政権は具体的な説明をほとんどしていない。はっきりしているのは、当面できる作業を急ぎ、既成事実を積み上げるのに躍起な姿だけだ。

民意と政権の乖離が目立つのは辺野古だけではない。沖縄3区には名護市や沖縄市などのほか、米軍北部訓練場を抱える地域も含まれる。16年末に同訓練場の半分にあたる約4千ヘクタールの土地が返還された。政権はその成果をアピールするが、返還の条件として建設されたヘリコプター着陸帯近くの住民は、激しい騒音や事故の不安に悩まされている。普天間と辺野古の関係と同じで、たらい回しでは真の負担軽減にはならないことを、県民は間近な例を通して熟知している。

玉城デニー知事は就任以来、政府に対し、工事を一時やめて話し合うより繰り返し求めてきた。だが、かたくなな姿勢は変わらず、今月10日に普天間飛行場の地元宜野湾市長も交えて2年9カ月ぶりに開かれた『負担軽減推進会議』でも、大きな進展は見られなかった。

補選で当選した屋良氏は、記者や研究者として基地問題に取り組み、米海兵隊の運用見直しや普天間の機能分散を提案してきた。政府はそうした見解にも誠実に耳を傾け、今度こそ『辺野古が唯一』の思考停止状態から脱しなければならない」。

社説の主旨である「『辺野古が唯一』脱せよ」に、異論がある。衆院沖縄3区補選で辺野古移設反対を掲げる屋良朝博氏が、移設容認を掲げた元沖縄北方相・島尻安伊子氏を1万6700票差で破って当選した。朝日の出口調査によれば、自民支持層の2割、公明支持層の3割が屋良氏に投票している。沖縄3区の投票率は43・99%にとどまり、県民投票率52・48%を大きく下回っている。与党のオウンゴールとなるが。2月の県民投票で辺野古埋め立て反対が7割を占めたが、全有権者に占める得票率は、36%にとどまっている。県知事選、県民投票、沖縄3区補選と「辺野古反対」の民意が3連勝の形となったが、その内実は、全有権者の36%しかないが、ファクトである。全権者の6割は辺野古移設容認となるが。

問題は、辺野古移設が普天間移設の唯一の解であることだ。外交・安保案件である基地移設は、政府の権限であり、知事の権限外であるからだ。辺野古移設は、日米同盟に基づく日米両政府の約束事であり、県知事に辺野古移設を止める権限はないことは、16年12月の最高裁判決で確定済みである。日本は法治国家であるから、沖縄県知事も判決順守が責務となる。にもかかわらず、県知事が法廷闘争を辞めない理由は何か、である。県知事を支援する「オール沖縄」の核心である共産党が日米同盟破棄が狙いであるからだ。中国の脅威が沖縄県周辺に迫っており、米海兵隊が抑止力になっているのに、である。辺野古移設反対の翁長前知事、玉城デニ―知事は、中国共産党の間接侵略の手先となるが。

読売の「スキャナー」に「自民参院選へ危機感」「衆院補選2敗」「閣僚ら失言も痛手」が書かれている。

「衆院大阪12区と衆院沖縄3区の両補欠選挙で、自民党は2敗を喫した。『大阪ダブル選』から続く悪い流れを断ち切れず、党内では夏の参院選への危機感が高まっている。参院自民党を中心に『衆参同日選』を期待する声も出始めた。

<恨み節>

『大阪はダブル選の流れを食い止めることができなかった』。自民党の甘利明選挙対策委員長は21日、党本部で肩を落とした。 

沖縄3区は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古を抱え、当初から苦戦が予想されていた。自民党の北川知克・元環境副大臣の死去に伴う大阪12区には、北川氏のおいにあたる北川晋平氏が出馬。自民党は2敗を避けるため、大阪では『弔い選挙』をアピールし、幹部らを大量投入した。

だが、大阪府知事・大阪市長のダブル選勝利の勢いに乗る日本維新の会に及ばなかった。塚田一郎・前国土交通副大臣、桜田義孝・前五輪相の失言による辞任も逆風となった。

安倍首相は選挙戦最終日の20日、大阪入りした。憲法改正で維新の協力を期待する首相は、大阪ダブル選では応援入りを見送った。自民党内の不満に加え、『補選の結果は参院選に影響する』(岸田政調会長)だけに、今回は重い腰を上げた。

首相は選挙区内の3か所でマイクを握ったが、維新への直接の批判は封印。6月に大阪市で開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議に向けた視察も兼ねたため、府連からは『どこまで本気で応援する気があったのか。もっと早く来てくれれば情勢は変わった』と 恨み節が漏れた。   

<07年の再来危惧>

公明党も及び腰だった。甘利氏は15日、公明党の山口代表が『(大阪で)首相とマイクを握る』と述べたが、実現しなかった。維新は衆院選で公明党が候補を立てる関西6選挙区への候補擁立を見送っているが、ダブル選での対立を受けて解消する構えを見せている。『維新との関係修復を考えれば、代表は大阪に入らない方がいい』(党関係者)との判断が働いたようだ。

2補選で敗れた結果について、自民党内では『維新が強い大阪と、米軍基地問題を抱える沖縄の事情は特殊。全国的な流れではない』(幹部)とみる向きが少なくない。それでも、第1次安倍内閣時代に閣僚らが相次いで辞任し、歴史的な大敗を喫した2007年参院選の再来を危惧する声は根強い。

<衆参同日選>

夏の参院選で改選を迎える自民党参院議員を中心に、衆院選を参院選に合わせて行う『衆参同日選』への期待も高まっている。衆院議員の後援会組織がフル稼働するため、参院選で票を上積みする相乗効果があるとされるためだ。

首相側近の萩生田光一幹事長代行は18日、10月の消費増税延期の可能性に言及し、『国民の信を問うことになる』と述べた。政府・与党内では『増税延期はあり得ない。萩生田氏の<観測気球>』(首相周辺)との見方が専らだが、閣僚経験者は『衆院選で勝てると思えば、首相は同日選に踏み切るのでは』と指摘する。

≪野党共闘に課題≫

野党は、夏の参院選での共闘に向けた『試金石』と位置付けた沖縄3区補選の勝利に手ごたえを感じている。国民民主党の玉木代表は21日、高松市で記者団に『参院選の前哨戦であり、一つのモデルになる』と述べ、候補者一本化に向けた調整に意欲を示した。

沖縄では、野党各党が『側面支援』に徹し、政党色を薄めた地元主導の『オール沖縄』を強調して支持を広げた。党幹部は候補者と並んでの街頭演説を見合わせ、秘書らが地元の企業回りなどに走り回った。一方、大阪12区補選では、野党間の思惑の違いも表面化した。参院選での連携を見据え、共産党が前衆院議員を無所属で擁立し、各党に支援を呼びかけたが、共産以外で推薦を出したのは自由党と社民党府連にとどまった。

立憲民主、国民両党は自主投票を貫き、立民の枝野、国民の玉木両代表が無所属候補陣営の激励に入ったものの、『理想的な共闘の形にはならなかった』(共産党関係者)との声も出た。

野党各党は、参院選で全国32ある改選定数1の『1人区』での候補者調整を進めている。これまでに候補一本化で合意したのは、愛媛、熊本と、地元の調整が整い次第『追認する』と決めた沖縄の3選挙区にとどまる。『16年に比べて調整はかなり遅れている』(国民幹部)のが実情で、統一地方選期間中は控えた野党の幹事長・書記局長会談を開いて調整を急ぐ考えだ。

今後の焦点は、1人区ですでに24人の擁立を発表した共産党との調整となる。立民は5人、国民は6人の公認候補の擁立をそれぞれ発表しており、多くが共産候補と競合している。16年参院選では、共産党は候補者を取り下げることで協力したが、今回は『最後はおろすと期待していたら大失敗する』(小池書記局長)と他党をけん制している」。

衆院大阪12区での野党共闘候補宮本岳志氏の惨敗は、1人区で24人を擁立している共産党の参院戦略に転換を迫るものとなった。共産党アレルギーの強さが、である。共産党は32の1人区での24人の取り下げに応じざるを得ない。野党共闘に加速度がつくが、裏に回らざるを得ない共産党が野党共闘の最大のアキレス腱となるのも事実である。共産党叩きが、与党の参院選の勝利の方程式となるが。

日経に「自民、参院選へ立て直し」「10年ぶり補選敗北」「現有議席失う政権『緩み』警戒」が書かれている。

自民党は21日投開票の衆院大阪12区と沖縄3区の補欠選挙で、国政の補選として10年ぶりの敗北を喫した。同日実施された統一地方選後半戦では堅調に議席を獲得しているが、閣僚の失言など『長期政権の緩み』への指摘は多い。夏の参院選に向けて立て直しを急ぐ構えだ。安倍晋三首相が補選敗北の挽回をにらみ衆参同日選に踏み切るのではとの憶測も出ている。

<衆参同日選 憶測も>

自民党の二階俊博幹事長は21日夜、自民党本部で2補選の敗北について『大変残念な結果だ。謙虚に受け止めて敗因分析を急いで今後に備えたい』と記者団に語った。自民党が国政補選に公認候補を立てて敗れたのは野党だった2009年10月の参院神奈川、静岡両選挙区の補選以来だ。当時は民主党が1カ月前に政権交代を果たした勢いを維持していた。公明党が自民との選挙協力をためらうなど自公の枠組みも揺れていた時期だった。

自民、公明両党は今回の補選の結果と政権運営への評価を切り離したい考えだ。二階氏は『選挙だから多少の(評価の)影響はあるだろうが、即、政権の成否が問われているとは思っていない』と強調した。参院選への影響についても『ないとは言わないが、この結果を受けて候補者は緊張感を持って臨む。雪辱を果たしたい』と述べた。

公明党の斉藤鉄夫幹事長は『それぞれの選挙区の事情があった』と指摘した。大阪12区では先の大阪府知事・市長ダブル選を制した日本維新の会が勢いに乗った。沖縄3区は米軍普天間基地の移設先である名護市辺野古がある。移設問題が争点となった昨秋の沖縄県知事選も自公などが推した候補が敗れた。これらの流れを食い止められなかったとの分析だ。

補選や統一地方選を通じ、野党が党勢回復の糸口をつかんだとは言いがたい。ただ、今回の参院選で改選を迎える自民議員は、第2次安倍政権発足から半年後の13年参院選で勢いに乗って大勝しており、『反動減』を懸念する声は多い。改選67議席から1つでも減らせば、参院での単独過半数は維持できなくなる。

『政権の緩みと取られたところもあった』(斉藤氏)との指摘もある。4月上旬には塚田一郎国土交通副大臣と桜田義孝五輪相が失言で相次いで辞任した。7日投開票の4県の知事選は自民支持層が割れる保守分裂だった。自民党は補選敗北を契機に立て直しを図る。

首相に近い自民党の萩生田光一幹事長代行は18日、10月に予定する消費税率10%への引き上げを延期する可能性に言及し、その場合には『信を問う』必要があると指摘した。5月には新天皇即位でお祝いムードが期待され、トランプ米大統領の来日も予定される。

6月末には首相が議長を務める20カ国・地域(G20)首脳会議が大阪で開かれ、外交成果を強調しやすい。

党内では首相が今後の経済情勢によっては、夏の参院選に合わせた衆参同日選や早期の衆院解散に踏み切るとの憶測が出ている。

二階氏は記者団に衆参同日選の可能性を問われると『今のところ考えていない』と述べるにとどめた。公明党の斉藤氏は『有権者がとまどう複雑な選挙だ。解散後にどういうことが起こるか分からず大きなリスクがある。好ましくない』と首相をけん制した。

≪2補選の自民候補 無党派に浸透せず、大阪13%、沖縄は23%≫

21日投開票の衆院大阪12区、沖縄3区両補欠選挙で、共同通信が実施した出口調査によると、『支持する政党はない』と答えた無党派層のうち自民党候補に投票したのは、大阪12区では13・6%、沖縄3区では23・8%にとどまった。無党派層に浸透できておらず、夏の参院選を前に課題が浮き彫りとなった形だ。

無党派層から最も多くの支持を集めたのは、大阪12区では無所属元職の樽床伸二氏で40・7%。日本維新の会新人の藤田文武氏が36・7%で続いた。無所属元職の宮本岳志氏は9・0%だった。

自民党新人の北川晋平氏は同党支持層も53・5%しか固められず、23・1%が藤田氏、21・3%が樽床氏にそれぞれ流れた。北川氏を推薦した公明党の支持層のうち、同氏に投票したのは71・3%止まりだった。

沖縄3区では、野党の支援を受けた無所属新人屋良朝博氏が無党派層から76・2%の支持を得た。公明党支持層も31・4%が屋良氏への投票に回った。自民党支持層の18・1%が同党新人の島尻安伊子氏ではなく、屋良氏に投票したと答えた」。

衆院2補選での自民党敗北の要因は、自民支持層の一部が相手候補に回ったことである。大阪12区では、北川氏は53・5%しか固められず、藤田氏に23・1%、樽床氏の21・3%も回っている。沖縄3区でも、18・1%が屋良氏に投票している。自民支持層の思想武装が急務となる。

「与党投票先47%VS野党投票先17%」

政治

読売に「本社世論調査」「内閣支持率横ばい50%」「体罰法で禁止『賛成』59%」が書かれている。

「読売新聞社は22~24日、全国世論調査を実施した。政府が今の国会に提出した児童虐待防止法などの改正案に関連し、親から子供への体罰を法律で禁止することについて聞くと、『賛成』は59%で、『反対』の24%を上回った。

年代別にみても、全ての年代で『賛成』が『反対』を上回った。『賛成』の割合は最も若い18~29歳で7割弱に上ったのに対し、30~60歳代が5割台、70歳以上が6割で、年代による温度差がみられた。

安倍内閣の支持率は50%となり、前回調査(2月22~24日)の49%からほぼ横ばいだった。不支持率は35%(前回40%)。

安倍内閣のもとで、景気の回復を『実感している』は17%(2018年12月調査22%)、『実感していない』は73%(同70%)となった。

自民党内で浮上している安倍首相の党総裁連続4選論に関連し、安倍首相が、総裁任期を終える再来年9月以降も首相を続けてよいと思うかを尋ねると、『続けない方がよい』が51%に上り、『続けてよい』35%を上回った。与党支持層に限ると、『続けてよい』が56%となり、『続けない方がよい』の31%より多かった。自民党は党則で総裁任期を『連続3期9年まで』と定め、首相自身は連続4選の可能性を否定している。

政党支持率は、自民党38%(前回35%)、立憲民主党4%(同6%)、公明党4%(同3%)などの順。無党派層は44%(同47%)だった。

<北朝鮮の核・ミサイル問題を解決するため圧力重視45%、対話重視41%>

読売新聞社の全国世論調査で、北朝鮮の核やミサイル問題を解決するため、国際社会が対話と圧力のどちらをより重視すべきかを聞くと、『圧力』45%が『対話』41%をやや上回った。同じ質問をした昨年7月調査では『対話』46%と『圧力』45%が拮抗していたが、今回は逆転した。1回目の米朝首脳会談後の昨年6月調査では、『対話』48%、『圧力』39%だった。

今回調査で『圧力』が『対話』と逆転したのは、今年2月末のベトナム・ハノイでの2回目の米朝首脳会談で、北朝鮮の完全な非核化や制裁解除などを巡って折り合わず、合意に至らなかったことが影響したとみられる。2回目の米朝首脳会談で、米国が北朝鮮との合意を見送ったことを『評価する』は62%。北朝鮮との『対話』を重視すると答えた人に限っても、『評価する』は58%と半数を超えた。核やミサイルの問題で、北朝鮮との安易な妥協には否定的な人が多いようだ」。

以上の調査結果から次のことが読み解ける。

内閣支持率は前回調査(2月22~24日)より1ポイント増の50%、不支持率は5ポイント減の35%、自民党支持率は3ポイント増の35%となった。景気回復を実感していないが73%もあるのに、不支持率が5ポイント減となったのは、不支持の理由のコアである「信頼ができない」が減少したからである。安倍首相4選に賛成35%、反対51%となったが、与党支持層では賛成56%、反対31%と逆転している。もりかけ問題による与党内の首相不信が払しょくされたことになる。

問題は、7月の参院選の帰趨である。比例代表先で与党は自民党42%+公明党5%=47%に対して、野党は、立憲10%+国民2%+共産党3%+自由党1%+社民党1%=17%しかない。30ポイント差もある。維新5%を加えると総計69%となる。参院選の投票率を65%前後と想定すれば、与野党の得票率は、30ポイント差のままである。32の1人区で与党全勝、野党は全敗となるが。野党第1党の立憲民主党の政党支持率が4%と低迷していることが、致命的である。「悪夢の民主党」のトラウマ故である。民意から政権担当能力なしと見限られているからである。

②朝日の「2019統一地方選」に「国政、大阪ダブル選注視」「反維新、都構想批判し『包囲網』」「維新、存続かけ市長選正念場」が書かれている。

「大阪市長選が24日告示され、大阪府知事選(21日告示)とともにダブル選(4月7日投開票)は大阪維新の会と『反維新』勢力の一騎打ちとなった。ツートップの知事・市長候補を入れ替える『クロス選』を仕掛けた維新に対し、自民党などは包囲網を敷いて維新政治の幕引きを狙う。『大阪春の陣』の結果次第では、安倍官邸の今後の戦略に影響を及ぼしかねない構図になっている。

維新と反維新がくっきりと分かれたダブル選の対立軸は、維新が推進する    大阪都構想だ。

『(大阪の)混沌とした状況を断ち切り、都構想論に終止符を打つビッグチャンスだ』。24日、大阪市内であった元自民大阪市議の柳本顕氏(45)の第一声。都構想を批判すると大きな拍手が湧いた。同じく自民推薦で知事選に立候補した元府副知事の小西禎一氏(64)が隣に立ち、自民、公明両党幹部らも出席した。     

一方、市長選に立候補して府知事を自動失職した維新代表の松井一郎氏    も、大阪市内で第一声。知事選に立った維新政調会長で前大阪市長の吉村洋   (43)と並び立ち、『府市がバラバラの二重行政なんて無駄はだめだ。府市一体で成長する大阪をつくって行く』と強調。両氏は府市トップとして取り組んだ実績を前面に出した。

都構想は、大阪市をなくして東京23区のような特別区に再編する制度改革。    大阪府知事と大阪市長を歴任した橋下徹前代表時代からの維新の『悲願』だ。2015年の住民投票で僅差で否決されたが、その後も実現をめざし続けてきた。
  
今回のダブル選の行方は都構想の成否だけでなく、維新という政党の将来を左右しかねない構図になった。現代表の松井氏が、4年前の住民投票で賛成多数を取れなかった大阪市の首長に立候補。住民投票で都構想反対派を引っ張った柳本氏との一騎打ちになったためだ。

柳本氏は当時、自民市議団の幹事長だった。公明を含めたほぼすべての政党を巻き込み、『反維新』『反都構想』の動きを作ることに成功。都構想の否決を受け、橋下氏が『政界引退』に追い込まれた。ただその後の市長選では、柳本氏は吉村氏に敗れた。

2度目の挑戦となった今回の市長選。柳本氏は公明府本部の推薦を取り付けたほか、国民民主党府連や共産党、立憲民主党府連などからも支えられる。    24日の街頭演説には業界団体や労働組合も運動員を動員し、『組織選挙』ぶりを見せつけた。自民府連幹部は『これまでにない良い雰囲気だ』と語る。

こうした選挙序盤戦に、維新は危機感を強める。幹部の一人は、とりわけ市長選が接戦になっているとの見方を示す。20日に開いた選挙対策会議には、約100人の地方議員が参加。大阪市内で重点的に票を掘り起こす方針を確認した。

維新にとって松井、吉村両氏のどちらかが敗れれば、約7年半維持してきた      府市のツートップ体制が崩れる。松井氏が当選できなければ、橋下氏に続いて党の『創業者』を失うことになる。それだけに、維新幹部は『(柳本陣営は)うちにとどめを刺そうとしている』と漏らす。

さらに、維新は地域政党だが、所属議員の多くは国政政党・日本維新の会と重なる。松井氏自身、両党の代表を兼ねている。参院議員の片山虎之助共同代表は『我が党の、ある意味では存亡がかかっている』と強調。維新幹部はこう語る。『大きな組織は全部敵。状況は全く見通せない』
   
≪改憲目指す官邸は静観、与党単独イメージ減、維新と蜜月≫

自民党の甘利明選挙対策委員長は24日午前、柳本氏の出陣式で『党務の最高責任者と選挙の最高責任者がそろってお邪魔するのは、この大阪だけ』と声を張りあげた。21日に小西氏の第一声に駆けつけた二階俊博幹事長に続く大阪入りで、両推薦候補の支援に全力を注ぐ姿勢を強調した。  

安倍晋三首相は14日に小西氏、15日に柳本氏と相次ぎ首相官邸で面会し、激励した。自民党大阪府連には昨秋の総裁選で支援を受けた『借り』もある。ただ、表向きは自民候補を支援しても、実態は『静観』せざるを得ない。  

日本維新の会は、安倍政権にとって補完勢力となっている。他の野党が猛反発した2年前の『共謀罪』法などで維新は賛成に回り、『与党単独』による強行イメージを薄めた。首相がめざす憲法改正に向けた議論でも、改憲に前向きな維新の協力は欠かせない。政権はカジノや万博の誘致を後押しし、維新と蜜月関係を築いてきた。

そんななか、菅義偉官房長官は最近、大阪ダブル選をめぐる情勢分析に余念がない。政党などが極秘で調査した結果を独自に入手し、水面下で飛び交う数字を追う。仮に橋下氏に続き松井氏まで政界から去ることがあれば、政権運営へのダメージが大きいためだ。ただでさえ停滞する改憲への道が遠のき、首相の求心力低下にも直結しかねない。菅氏はダブル選とは一線を画す姿勢を示しているが、大阪市長選の告示前、内々に電話で『油断するなよ』と松井氏に伝えた。

他の与野党も中央政界は距離を置いている。

大阪の衆院選の選挙区で維新と候補者をすみ分けてきた公明党は、全面対決を避けたいところ。自民推薦候補に対し、『府本部推薦』にした。これについて、大阪を地盤とする北側一雄副代表は20日の記者会見で『府本部推薦であろうと党本部推薦であろうと大阪の地元は全力でやる』と強調。これは事前にすり合わせた『想定問答』より踏み込んだ発言で、党幹部は『言い過ぎだ』と憤慨する。

立憲民主、国民民主、共産の野党各党は自民推薦候補を支援し、維新包囲網の構図をつくる。だが、他の地方選で与党と対立するなか、党を挙げた共闘は難しい」。

3月16,17日の自民党調査によれば、市長選で、柳本氏45・5%、松井氏41・8%と3・7ポイント差つけられている。知事選では、吉村氏が小西氏に17ポイント差をつけてリードしている。松井氏が危い。公明票が回れば、僅差で勝てるが。松井氏落選ならば、都構想とん挫、維新崩壊となる。

毎日に「北海道、鈴木氏が先行」「知事選与野党一騎打ち」が書かれている。

毎日新聞は23、24両日、統一地方選前半戦で、与野党全面対決の構図となった北海道知事選について電話による調査を実施し、取材を加味して中盤醸成を分析した。16年ぶりの新人対決は前夕張市長の鈴木直道氏(38)=自民、公明推薦=が先行し、元衆院議員の石川知裕氏(45)=立憲民主、国民民主、共産、自由、社民推薦=が追う展開となっている。30%が投票先を『まだ決めていな』」と回答しており、残り2週間で情勢が変わる可能性もある。

4期目の高橋はるみ知事(65)が夏の参院選にくら替えを表明。与野党の一騎打ちとなった今回の選挙戦は夏の参院選の前哨戦として注目される。

鈴木氏は自民支持層の7割強、公明支持層の8割強、石川氏は立憲支持層の7割弱、共産支持層の5割強をそれぞれ固め、与野党支持者で対応がはっきり分かれた。無党派層は4割以上が鈴木氏、3割弱が石川氏に二分された。

選挙戦では石川氏が『中央依存脱却』、鈴木氏が『国、市町村との連携』を訴え、中央への姿勢も争点。鈴木氏が安倍内閣支持層の7割、石川氏は不支持層の5割弱をまとめた」。

毎日の23,24日調査で、鈴木氏が先行となったが、逃げ切れそうである。鈴木氏が自民支持層の7割強、公明支持層の8割強、無党派層の4割以上を固めているからである。一方の石川氏は、立憲支持層の7割弱、共産支持層の5割強、無党派層の3割弱しかない。無党派層での1割の差が決定的となるからだ。

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