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中国、海江田氏の求心力に疑問

コラム 政治

 

 

読売に「海江田氏訪中あてはずれ」「序列5位と会談。存在感示せず」が書かれている。

民主党の海江田代表は17日、3日間の北京訪問を終え、帰国した。海江田氏との会談に応じた
中国共産党序列5位の劉雲山党中央書記局書記は、集団的自衛権行使の限定容認に、不快感を示
すなど、中国の対日強硬姿勢に変化は見られなかった。6月の社民党訪中団には、劉氏より序列
が上の要人が対応しており、野党第1党の存在感を示したかった海江田氏の目論見は外れた。

<強い不満漏らす>

海江田氏は17日夜、東京羽田空港で記者団に『率直な意見交換をしてきた。行くことに意味が
あった』と強調した。しかし、会談は総じて厳しいものだった。

中国共産党の王家瑞・対外連絡部長との会談で、海江田氏は、安倍首相と習近平国家主席との首
脳会談の実現を求めたが、色よい返事はなかった。ただ王氏は『日中の現職議員の交流が少ない。
自民党議員にも来てほしい』と述べた。

海江田氏は、中日友好協会会長の唐家・元国務委員との会談で、東シナ海での自衛隊機に対す
る中国軍機の異常接近に抗議したが、逆に『中国空軍のパイロットは規定通りの対応をしていた』
と反論された。

劉氏は、集団的自衛権行使の限定容認に関連し、『日本の内政問題だが、北東アジアの安全にとっ
て好ましくない』と語った。海江田氏も『内政問題だ』と指摘したが、民主党は憲法解釈の見直
しに反対の立場で、『国会でしっかり論戦する。中国、韓国にしっかり説明する必要がある』と
応じざるを得なかった。劉氏が会談で『中国共産党を代表して』切り出したことから、『日本に
対する厳しい空気を反映し、党の見解以外話さないということだろう』(民主党の同行筋)との
見方も出た。

劉氏は、思想・宣伝担当として習氏を支える実力者の一人だ。ただ、5月に訪中した自民党など
超党派の日中友好議員連盟には、序列3位、社民党訪中団には序列4位が会談に応じた。民主党
内には当初、序列2位の李克強首相が応じるとの観測もあった。海江田氏も自民党などを意識し、
『序列3位以上』との会談を期待しており、序列5位に決まった際、周辺に強い不満を漏らした。

日中関係筋は『尖閣国有化を実際に進めた民主党への不快感を示すためではないか』と見る。民
主党内からは『社民党以下の序列なんて、野党第1党をバカにしている』(ベテラン)と反発す
る声も出ている」。

海江田氏の訪中は、序列2位の李首相との会談を希望したが、かなわず、序列5位の劉氏との会
談にとどまった。6月の社民党訪中団には、序列4位の兪氏が対応したのに、である。中国の野
党第1党の民主党への評価は、社民党以下となったのである。海江田氏の求心力に疑問符をつけ
たのである。

 

 

 

編集 持田哲也

 

 

 

 

即時停戦へ

コラム 国際


 
 
 日経の7月19日1時40分の電子版に「米大統領『撃墜ミサイル、親ロ地域から』停戦要求』
が載っている。



ウクライナ東部ドネツク州上空でのマレーシア航空旅客機の撃墜を受け、オバマ米大統領は18
日、ホワイトハウス緊急記者会見した。旅客機の撃墜について『ミサイルは親ロシア派支配地域
から発射された』と述べ、親ロ派が撃墜した可能性が高いとの見方を示した。その上で『ウクラ
イナの紛争当事者は即時停戦を受け入れなければならない』と訴えた。

オバマ氏は『ロシアは親ロシア派の武器を給与し続けている』と語り、ウクライナ危機の長期化
の原因はロシアにあるとの考えを表明した。米メディアは地対空ミサイルにより、マレーシアの
旅客機が撃墜されたと報じている。

国連安全保障理事会は18日、緊急会合に先立ち関係当事者に国際的な独立調査の受け入れを求
め、墜落現場への即時立ち入りを許可するよう要請する声明を発表した。

一方、欧州安保協力機構(OSCE)は、18日、真相究明のためと特別調査団を派遣すること
を決め、先遣隊約30人がヘリコプターで現場に入った。墜落現場の一帯を支配下に置く親ロシ
ア派武装勢力とウクライナ政府は同日、国際調査団の立ち入りを認めることで合意。一時停戦に
向けた話し合いに入った。

ロシアのプーチン大統領も同日、『ウクライナ危機の早急な正常化が不可欠だ』と強調。ウクラ
イナ東部の即時停戦を訴えた、マレーシアのナジブ首相と電話で協議し、客観的な調査が必要と
の見方で一致した」。


マレーシア旅客機の撃墜の真相究明のために、国際調査団の受け入れを、親ロシア派武装勢力と
ウクライナ政府が18日合意した。即時停戦への道が見えてきた。問題は、親ロシア派武装勢力
が「誤射」を認めるか、否かである。地対空ミサイルはロシアが給与したものであり、プーチン
大統領の責任も問われる。プーチン大統領は、オバマ大統領の即時停戦要求に応じざるを得ない
が。





編集 持田哲也



集団的自衛権の行使容認、慎重意見相次ぐ

コラム 社会

 

 

 

日経に「集団的自衛権」「公明、地方から慎重論」「県代表懇『平和の党に合わぬ』」が書かれている。

 

 

「公明党は28日、党本部で全国の地方組織の幹部を集めた県代表懇談会を開いた。政府が検討
する集団的自衛権の行使容認を巡り、『平和の党』を掲げる方針に合わないとの慎重意見が相次
いだ。執行部は今回の説明で一定の理解は得られたと判断し、7月1日の閣議決定に向けて週明
けに党内手続きを終える。組織内に不満が残ったままの苦渋の決断となる。


『執行部の説明を聞いたが、地域には慎重意見が多い』。28日の懇談会で北側一雄副代表が政
府の示した自衛権の新3要件の概要を説明すると、地方の出席者から慎重意見が噴き出した。
執行部は一つ一つに丁寧に答え、質疑は予定を30分超える3時間半に及んだ。
会合には山口那津男代表、北側副代表、井上義久幹事長ら約20人の国会議員と、地方組織の代
表者約50人が参加した。
山口代表は冒頭、『積極派の自民、慎重派の公明だが、国民を守るための切れ目のない法整備が
必要だ』と強調。北側副代表の説明の後、約25人の地方代表者が質問に立った。『憲法改正す
べきではないか』『専守防衛の概念は維持されるのか』といった声のほか、『選挙への影響が心
配だ』との意見もあった。


<結果責任は負う>
それでも井上幹事長は『執行部が責任をもって判断する。結果責任は負う』と表明。最後は山口
代表が『今回の集団的自衛権は極めて限定的だ。閣議決定後に説明責任を果たしたい』と締めく
くった。
会合後、上田勇政調会長代理は記者団に『ちゃんとした政策判断のなかで判断しているとの安心
感を持ったのではないか』との認識を示した。だが静岡県の代表者は会合後『地元の納得を得ら
れるかはこれからだ』と話し、党本部を後にした。
連立体制の維持を優先し、集団的自衛権を含む安全保障法制の見直しで柔軟姿勢を見せる公明党。
自民党と連立を組んだ1999年以降、米同時テロを受けた2002年のインド洋へのイージス
艦派遣、04年の自衛隊のイラク派遣など、慎重論が根強い分野で譲歩を迫られてきた。
結党50周年目に迎えた集団的自衛権の行使容認問題は、安倍晋三首相の強い意向を前に与党協
議開始から1カ月半で押し切られる格好となった。



<与党合意を優先>
28日の懇談会では、現状を憂う地方幹部から『平和の党のイメージはなかなか厳しいものにな
る』『<憲法の根幹に関わるところで考え方が違うので政権離脱すべきだ>との声が地元にある』
との意見も出た。


執行部は組織内の慎重論を承知のうえで与党合意を優先させる。30日の党会合で所属の国会議
員から一任を取り付ける見通しだ。しかし、その先にも具体的な法改正の手続きや国会での審議
が控え、山口代表ら執行部が与党の立場と党是の間で葛藤する日々は続く」。

28日、公明党は、全国の地方組織の幹部を集めた県代表懇談会を開いたが、慎重論が相次いだ。
最後は、党執行部が「結果責任は負う」として押し切ったが、党内の不満は残ったままである。

来年4月の統一地方選への影響が懸念される。


編集 持田哲也

北朝鮮に残る邦人

コラム 国際



産経に「日本人妻ら調査着手」「対象1万人、帰国も視野」「金正恩氏の直轄機関」が書かれて
いる。



「拉致被害者ら北朝鮮に残る全ての邦人調査をうたった日朝合意を受け、金正恩政権直轄の秘密
警察、国家安全保衛部が、朝鮮籍の夫と北朝鮮に渡った日本人妻と家族らの調査に着手していた
ことが28日、複数の消費筋の話で分かった。
他の残留邦人を含め、在朝邦人と家族は1万人規模とも推定されるが、調査権限は北朝鮮が握っ
ており、調査結果を盾に日本側にさらなる制裁解除など譲歩を迫る可能性もある。

5月29日の日朝合意発表後、保衛部の地方組織に突然、上部から『日本からの<帰国者>を調
査することになった』と通達があったという。
北朝鮮情報を扱うアジアプレスの石丸次郎氏によると、北部の咸鏡北道や両江道で調査の動きが
確認された。中朝関係者によると、一部では調査を終えているという。
日本への帰国の意思を問う希望調査の形を取っており、一時的な里帰りに限らず、
永住帰国を視野に入れた調査とみられる。

北朝鮮に戦後残された邦人孤児や家族に対しても最近、一部で日本語教育を施しているとの情報
もある。
北朝鮮に渡った日本人妻や子供ら日本国籍保持者は約6700人。死亡した人も少なくないとみ
られるが、彼らの子供や他の残留邦人、その家族を含めると、本来なら調査対象は数千から1万
人に及ぶ。

北朝鮮では日本からの移住者の所在が厳重に管理されているものの、『家族ごと行方不明になっ
たケース』があるという。保衛部はその聞き取りも進めているとされるが、政治犯収容所に送ら
れた日本人妻も数多いとみられている。

収容所を管理し、収容者の処刑を行ってきたのも保衛部だ。収容者の照会は容易なはずだが、同
部周辺からは『扱いが敏感なケースをどう報告するか、頭が痛い』との声も漏れる。
石丸氏は『収容所での死亡などについて調査報告の責任を負わされるのを恐れているのではない
か』とみる。
日本人妻の支援者らは『事実通りに調査結果を公表せず、北朝鮮にとって模範的な日本人妻に限っ
て日本政府に通知し、日本の世論動向を探ろうとするのではないか』と指摘している」。

拉致被害者ら北朝鮮に残る全ての邦人調査をうたった日朝合意を受け、金正恩第1書記の直轄組
織である国家安全保衛部が、在朝邦人と家族1万人規模の調査に着手したと言う。その中には、
1960年代前後の「帰国事業」で在日朝鮮人ら約9万3千人が北朝鮮に渡った中での約183
0人の日本人妻が含まれている。


今回は、本気である。



編集 持田哲也

恣意的な内閣支持率45%

コラム 政治


毎日に「本社世論調査」「集団的自衛権『反対』58%」「『説明不十分』8割」
「内閣支持、4ポイント減45%」が書かれている。


「毎日新聞は27、28両日、全国世論調査を実施した。
政府が近く集団的自衛権の行使を容認する方針となったことについて賛否を聞いたところ、
『反対』が58%で、『賛成』の32%を上回った。政府・与党の説明が『不十分だ』とする人は
81%で、『十分だ』とする人の11%を大きく上回った。
安倍内閣の支持率は前回の5月調査より4ポイント低い45%。
第2次安倍内閣発足以来、最低となった。
不支持率は35%で前回調査より2ポイント増え、これまでで最も高くなった。


集団的自衛権の賛否は前回の5月調査では反対が54%で賛成が39%。
政府は7月1日にも行使を容認する閣議決定を行う方針だが、
時期が近づくにつれ反対が増え、賛成が減っている。
政府は集団的自衛権の行使の範囲を『限定的』だと主張している。
これについて考え方を尋ねたところ、『そもそも行使すべきではない』が43%で最も多く、
『限定した内容にとどめるべきだ』が41%だった。
『全面的に行使すべきだ』は7%にとどまった。
行使に賛成の人のうちでも『限定にとどめるべきだ』と答えた人が74%に上り、『全面的』は
20%だった。
一方で、行使に反対の人のうち24%の人が『限定にとどめるべきだ』と答え、
『そもそも行使すべきではない』とした人は72%だった。


政府は『限定的』とするが、国連の集団安全保障に基づく武力行使への参加など
実際には武力行使の範囲は拡大する。
日本が直接攻撃を受けていない段階で武力行使に踏み切れば、
相互の武力行使のエスカレートにつながる危険もある。
行使に賛成の人の中でも、限定すべきだという意見が多数を占めるのは、
戦争への歯止めが利かなくなることへの懸念が強いことが背景にあるとみられる。
政府・与党の主張する限定の内容が歯止めとなりうるかが問われるが、
政府・与党の説明が『不十分だ』とする人は内閣支持層でも71%に上った。
集団的自衛権行使に賛成の人のなかでも67%が『不十分だ』と答えた。
また、集団的自衛権の行使容認を憲法改正ではなく、
憲法解釈の変更で対応しようとしていることについては反対が60%、
賛成が27%だった。
行使に賛成の人のうちでも28%が解釈変更の手法には反対だった。
解釈変更という手法に依然抵抗が強いことがうかがえる」。


朝日と同じく、毎日も、恣意的世論調査である。
内閣支持率が4ポイント減の45%、不支持率が2ポイント増の35%になったとしているが、
分からないが22%もあるからだ。
同時期の新報道2001の調査では、分からないが6・2%であり、
内閣支持率は51・2%、不支持率は42・8%である。


毎日調査は、分からない22%を精査せず、そのままに放置して、支持率下落を目論んだのである。
「集団的自衛権反対58%」によって、内閣支持率が4ポイント減の45%に急落した、
を狙ったのである。
問題は「集団的自衛権反対58%」自体が、恣意的であることだ。
読売・産経のように「限定容認」を聞いていないからである。
「限定容認」を聞けば、賛成が6割を超えるからである。

毎日の社是である「集団的自衛権行使容認反対」に民意を誘導しようとしたが、民意の大勢にならず、
7月1日に閣議決定となるのである。

編集 持田哲也

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