コラム

アべノミクスを破壊する消費税増税

コラム

東京の社説に「増税が壊す? アベノミクス」が書かれている。

社説の結語である「経済成長は可能です。ただし、そのためには正しい経済政策が不可欠です。
消費増税に前のめりになれば、これまでのアベノミクスを破壊してしまいます。ここは緒に就い
た規制改革を進めて、企業が元気になる環境づくりに全力を挙げる。景気回復の恩恵を、みんな
が実感するまで」は、正論である。

4~6月期の国内総生産(GDP)が年率6・8%減というマイナス成長になったが、4月から
の消費増税の影響故である。

問題は、7~9月期のGDPがV字回復できるのか、である。GDPの約6割を占める個人消費
が、実質賃金のマイナスによって、V字回復が望めず、GDPのV字回復は不可能なのである。
景気腰折れの危機に直面している。消費税再増税はとんでもないとなる。アベノミクスを破壊す
るからである。政府は今のとこと「落ち込みは想定内」としているが、財務省主導の誤った見方
である。「想定外」を認めたくないのである。再増税ができなくなるからである。ここは、安倍
首相の決断によって、政府として「想定外」を認め、消費税再増税を先送りすべきである。

編集 持田哲也

国債暴落論は暴論

コラム 経済

毎日の社説に「円安の進行」「負の側面を警戒しよう」が書かれている。

「最も警戒すべきは、円安が日本の長期金利の高騰(国債価格の下落)につながる可能性だろう。
一段の円安は、貿易赤字をさらに増やし、慢性的な経常赤字を招く恐れがある。巨額の財政赤字
を抱えた日本が経常赤字も増やすことに市場が注目した時どうなるのか。国の借金(国債)の返
済能力が不安視されれば金利が急騰し、日本経済に大打撃を与える」は、暴論である。

 

そもそも、日本の財政赤字は「借金1100兆円」と言われているが、政府のバランスシート(
貸借対照表)の「右側(負債の部)」だけの数字で、「左側(資産の部)」には650兆円程度
の資産がある。国の借金は、正しくは450兆円程度と半減以下となる。資産負債差額のGDP
比は米国と同程度の水準である。

 

日本は、市場から財政破綻する国とは全く思われていないのである。債券の安心度を示すCDS
(クレジット・デフォルト・スワップ)レートが、日本の国債は世界で10位の低さに位置して
いるからである。日本の国債は超安全であり、国債暴落論は暴論となる。再増税先送りはリスク
が高すぎるとの論理と同じである。出どころは、いずれも財務省発である。

 

日経の「日曜に考える」「市場アウトルック」「為替」に、「107~110円で揺れ大きく」
が書かれている。

 

「今週の円相場は1ドル=107~110円程度の範囲内で、振れの大きい展開となりそうだ。
先週は米早期利上げ観測を背景に円売り・ドル買いが加速した。ただ、この1カ月で7円近くも
円安が進んでおり、一時的に円を買い戻し利益を確定する動きが強まりやすい。

 

足元の円安を主導しているのは海外のヘッジファンドで、円売りの持ち高は今年最高の水準にま
で膨らんでいる。先週までに米早期利上げは織り込まれ、追加の材料がなければ一段の円安は進
みづらい。為替の先行き予想を反映する通貨オプション市場でも円安よりも円高へ備える動きが
優勢だ。

 

ただ、中期的には日米の金利差が開いていく可能性は高く、年末にかけて円安が続くとの見方は
多い。輸入企業の円売り注文も多く、円の上値も限られそうだ」。
今週の円相場は、1ドル=108円台で一服となりそうだ。1カ月で7円近くも円安が進んだか
らである。年末にかけて、110円まで緩やかに円安が進む動きとなる

 

日経の「永田町インサイド」に、佐藤賢・編集委員が「無党派層膨張のワケ」「第2次安倍政権
で24ポイント上昇」「自民支持低下、野党に流れず」「20~40代に多い傾向」を書いてい
る。

 

「特定の支持を持たない『無党派層』の動きが注目を浴びている。日本経済新聞社の世論調査で
は、7月に全体の47%に達し、調査を始めた1987年9月以降、過去最高を記録した。9月
3日の内閣改造・自民党役員人事が好感され、その直後の調査では38%まで下がったが、なお
高い水準にある。なぜ無党派層が膨らんでいるのか。

 

無党派層に厳密な定義はない。日本経済新聞社は世論調査で、まず『どの政党を支持しています
か』と聞く。『なし』や『言えない・分からない』と答えた人に『強いて言えば、どの政党に好
意を持っていますか』と尋ねる。それでも『なし』と応じた人を『無党派層』と呼んでいる。

無党派層は2013年10月に20%台に乗り、今年7月には47%となり、第2次安倍内閣で
最低だった自民党(35%)を上回った。40%台は調査開始から始めて。内閣改造直後の緊急
調査では、女性閣僚の積極登用などが評価され安倍内閣と自民党の支持率が盛り返し、無党派層
は38%になったが、比率はなお大きい。

 

計量政治学(選挙分析・世論研究)が専門の明治大の井田正道教授は『自民党の支持率が低下す
ると、無党派層が増える現象は以前からあった』とした上で、最近は大きな特徴が見られると指
摘する。『従来は自民党が下がれば野党は少し増えるか横ばいだったが、自民党の支持率低下に
野党離れも加わり、無党派層が急激に増加している』。

 

数字に端的に表れている。13年3月から今年9月まで1年半の変化を比べてみよう。無党派層
は14%から38%に24ポイント上昇した。一方で自民党の支持率は51%から44%に7ポ
イント下がり、民主党や日本維新の会など野党支持層も25%から13%に12ポイント落ちた。

 

無党派層が増えた分の約5割は、野党支持層から、約3割は自民党支持層から回った計算になる。
自民党が支持率を落としたのは、特定秘密保護法成立や集団的自衛権の行使容認などで、弱い支
持層の一部が離れたためとみられる。意識調査論などを専門とする桜美林大の橋本晃和特任教授
は、利害が絡んだ組織や団体との関係を持たない人が多くなり、『党派性を持たず、主体性を主
張する<個の確立>が進んでいる』との見方を示す。

 

野党も政権批判層の受け皿になっていない。二大政党の一角を目指す民主党は安全保障政策など
でバラバラな印象を与え、自民党との明確な対立軸を示せていない。維新は憲法観の違いから分
裂。みんなの党は渡辺喜美前代表の政治資金問題で失速した。
『有権者は民主党政権への失望が心に残り、なかなか民主党に行かない』『民主や維新、みんな
は政党としての歴史が浅いため政党支持が強くなりにくく、支持層がすぐに離れやすい』。井田
教授はこう分析する。

 

無党派層は年代別では20~40代に多い傾向がある。早稲田大の田中愛冶教授によると、一般
的に人の政治意識は8歳から24歳までに形成されていく。『40代前半から若い層は、政党に
頼れば日本がうまくいくという経験がなく、無党派になりやすい』と言う。93年に自民党が分
裂し、政党の離合集散が相次いだ。政権を奪還した自民党は、09年に再び下野。民主党政権も
3年3カ月しか続かなかった。

田中教授は無党派層を3つに分類する。第1は、政治への関心が低いため支持政党を持たない政
治的無関心層。第2は政党拒否層で、有権者になった時から『その政党も支持したくない』と考
える。第3は、それまでの政党支持を捨てて無党派になった脱政党層だ。

 

第1の層は選挙でほとんど投票に行かないが、第2の層と第3の層は経済や国際問題に関心が高
く、その時々で投票行動を決める。こうした無党派層が動き出せば『風』が吹く。『1強』の構
図に見える自民党の基盤は盤石なわけではない。

 

日経の9月調査で、自民党支持率は前回調査(8月)より7ポイント増の44%となり、無党派
層が8ポイント減の38%となったが、無党派層から7ポイント自民党支持に回帰したことにな
るが、まだ7ポイントが自民党支持に戻っていない。13年3月には自民党支持率は51%もあっ
たからだ。それが、今年の8月までに14ポイントも減らし、37%に落ち込んだからである、
14ポイントは、野党に向かわず、無党派層に流れたのである。

 

問題は、14ポイントも自民党から離反した理由である。特定秘密保護法や集団的自衛権行使容
認を嫌ってのものである。無党派層から回帰した7ポイントを定着化させ、残りの7ポイントも
回帰させるには、自民党支持層の思想武装が必須となる。「平和と言う名の戦争」に打ち勝つた
めである。
編集 持田哲也

内閣支持率60%、不支持率26%

コラム 政治

日経に「本社世論調査」「改造内閣支持60%」「11ポイント上昇、女性の登用『評価』58%
」が書かれている。

日本経済新聞社とテレビ東京は3日の内閣改造・自民党役員人事を受けて、緊急世論調査をした。
安倍内閣の支持率は60%と、8月下旬の前回調査を11ポイント上回った。不支持率は26%
で10ポイント低下した。女性閣僚を過去最多に並ぶ5人、自民党4役にも女性1人を起用した
ことは58%が評価した。

 

焦点だった自民党幹事長に前総裁の谷垣禎一氏を起用した人事は46%が評価した。一連の人事
の効果で、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した7月以降、50%を割り込んでいた内閣支持
率は大幅に回復した。

 

女性の内閣支持率は59%で前回から16ポイントと大幅に伸びた。男性の支持率は62%で6
ポイント上昇した。

 

改造内閣や自民党の新執行部の顔ぶれを『評価する』は40%で『評価しない』は22%。評価
する理由では『女性の登用が進んだ』が37%で最も多く、『安定感がある』の16%、『派閥
の意向にとらわれなかった』が14%で続いた。評価しない理由は『安倍首相に近い議員が数多
く起用された』の25%が最多で『能力主義で選ばれなかった』が19%などとなった。

 

政党支持率は自民党が44%で前回を7ポイント上回った。無党派層は38%で8ポイント低下
した。自民の支持率が無党派層を上回るのは5月以来だ。民主党は5%で横ばい。共産党は1ポ
イント上昇し4%。無党派層の1部が自民支持に移ったと見られる。

 

内閣を支持する理由(複数回答)は『安定感がある』が37%、次いで『指導力がある』が31%
。支持しない理由(同)は『政策が悪い』が34%、次いで『自民党中心の内閣だから』が33%
だった」。

 

内閣支持率が前回調査(8月下旬)より11ポイント増の60%に、不支持率が10ポイント減
の26%となったのは、女性の支持率が16ポイントも上昇して59%となったからである。男
性の支持率は6ポイント増の62%。

 

問題は、女性の支持率16ポイント急増の理由である。「閣僚・党幹部に女性6人の起用」を評
価する58%がそれである。安倍首相の「女性登用」の意思が女性の支持を得たのであり、集団
的自衛権行使容認の閣議決定によって離反した女性支持層が回帰してきたのである。この女性支
持層を定着化するためには、「平和と言う名の戦争」に対する思想武装が急務となるが。

 

毎日に「町村派・石破系に配慮」「副大臣・政務官、石原派は冷遇」が書かれている。

 

政府は4日の臨時閣議で、第2次安倍改造内閣の発足に伴う新たな副大臣・政務官人事を決めた。
3日の内閣改造と自民党役員人事で『推薦を蹴られた』と不満が出た安倍晋三首相の出身派閥、
町村派に副大臣・政務官計13人を配分し、石破茂地方創生担当相が派閥化を進める『無派閥連
絡会』には計5人。党内の各派・グループへの配慮が色濃い人事となったが、配分が少なかった
一部派閥からは不満も漏れた。

 

新たに決まった副大臣は25人(留任2人)、政務官は27人(留任1人)。女性の内訳は副大
臣3人、政務官4人の計7人で前回から1人増えた。公明党からは前回と同じ計6人で、同党初
となる防衛省の政務3役として、石川博崇参院議員が防衛政務官に起用された。東日本大震災か
らの復興を担う浜田昌良副復興相(公明党)と小泉進次郎復興政務官、広島市の土砂災害の復旧
を担当している西村康稔副内閣相はそれぞれ留任した。

 

菅義偉官房長官は記者会見で派閥の推薦は『考慮していない』と述べたが、閣僚や党4役で希望
がかなわなかった町村派は、副大臣・政務官でその分を配慮された形だ。幹部は『女性もちゃん
と政務官に入った』と満足げだ。西川公也農相が入閣し、4役に二階俊博総務会長が入った二階
派幹部も『90点だ』と語った。

 

谷垣禎一幹事長のグループは副大臣・政務官2人をおさえ、他派との『掛け持ち組』を含めれば、
計4人。石破氏が安全保障法制担当相を辞退したため、他の人事で冷遇されないか懸念していた
無派閥連絡会は『全員希望通り入った。党内融和だ』(幹部)と胸をなで下ろす。一方で、石原
伸晃会長が環境相を外れ、副大臣ゼロ・政務官1人にとどまった石原派は『我が派への敵対行為
だ』(ベテラン議員)と怨嗟の声を上げた」。

 

政府は4日に副大臣・政務官人事を決めたが、3日の内閣改造・党役人事で冷遇された派閥・グ
ループが厚遇され、党内融和となった。内閣支持率も、読売64%、日経60%と上昇し、残さ
れた待機組50人超の不平、不満は沈静化せざるを得ない

 

読売に「改造内閣支持上昇64%」「13ポイント増、女性登用『評価』67%」「本社緊急世
論調査」が書かれている。

 

読売新聞社は、第2次安倍改造内閣が発足した3日から4日にかけて緊急全国世論調査を実施し
た。安倍内閣の支持率は64%で、改造前の前回調査の51%(8月1~3日実施)から13ポ
イント上昇した。女性の閣僚への積極登用や主要閣僚、党役員人事で重厚な布陣としたことへの
評価が支持率を大きく押し上げたと見られる。支持率回復は、経済再生や安全保障法制の整備、
『地方創生』にとって追い風となりそうだ。

 

支持率が60%台を回復するのは今年5月の60%以来で、13ポイントもの上昇幅は、本社が
毎月の世論調査を始めた1978年3月以降の内閣改造直後としては最大となった。安倍内閣の
支持率は、2012年12月の内閣発足直後の65%から緩やかに上昇し、13年4月には最高
の74%に達した。しかし、集団的自衛権の行使を限定容認した閣議決定直後の今年7月には4
8%となった。

 

閣僚人事について聞くと、女性閣僚を過去最多に並ぶ5人に増やしたことを評価する人は67%
に上った。麻生財務相や岸田外相、菅官房長官ら主要閣僚の留任を『評価する』は62%だった。
石破地方創生相の起用を『評価する』は54%、小渕経済産業相の起用は『評価する』46%、
『評価しない』38%となった。自民党の役員人事では、谷垣幹事長の起用を評価する人は59%
に上った。

 

新内閣に最も優先して取り組んで欲しい課題は、『景気や雇用』が32%、『消費税などの税制
改革』『社会保障』が各22%、『外交や安全保障』11%、『エネルギー政策』10%となっ
た。安倍内閣の経済政策を『評価する』は53%(前回49%)と半数を超えたが、安倍内閣の
もとで景気回復を『実感していない』との回答は76%(同75%)を占めた。来年10月に消
費税率を予定通り10%に引き上げることに『賛成』は25%(同30%)、『反対』は72%
(同66%)だった。

 

集団的自衛権を限定的に使えるようになったことを『評価する』は43%(同41%)で、『評
価しない』48%(同51%)と拮抗した。政党支持率は自民党が46%で前回の38%から8
ポイント上昇した。民主党は7%、公明党、共産党は各3%などだった」。

 

第2次安倍改造内閣の支持率が前回調査(8月1~3日)より13ポイント増の64%となった
が、女性閣僚を2人から5人に増やしたことを「評価」する67%が押し上げたからである。特
に、女性の71%が評価しているが、である。事実、男性の内閣支持率は58%から8ポイント
増の66%に、女性の支持率は18ポイント増の63%となっている。集団的自衛権の行使を限
定容認する政府見解の決定直後に実施された7月の緊急世論調査で、内閣支持率は48%に急落
したが、その主因が女性支持率の13ポイント減の42%であった。その離反した女性支持層が
今回、回帰したのである。

 

問題は、集団的自衛権を限定的に使えるようになったことを「評価する」は2ポイント増の43%
に、「評価しない」は3ポイント減の48%となっていることである。今回、回帰した女性支持
層の大半が、依然、「限定容認」を「評価しない」ままであることだ。「平和と言う名の戦争」
にしてやられたままである。内閣支持、自民支持、公明支持の女性支持層の思想武装が急務とな
る。

 

編集 持田哲也

政府の経済成長シナリオ

コラム 経済

産経の「2014観測」に「貿易赤字過去最大」「成長戦略のアキレス艦」「V字回復、輸出に
誤算」が書かれている。

財務省が24日公表した平成26年上半期(1~6月)の貿易収支は、半期ペースで過去最大の赤
字幅となった。輸出が2カ月連続で前年割れするなど、国の稼ぐ力が目減りし、政府は今年度の
実質成長率見通しの下方修正を余儀なくされている。消費税率引き上げの影響で、個人消費など
の下振れが避けられない中で輸出が回復しなければ、政府の経済成長シナリオにも狂いが生じる
恐れがある。

<Jカーブ不発>

『貿易収支は、次第に持ち直すだろう』。菅義偉官房長官は24日の記者会見で、今後の貿易赤
字縮小に期待感を示した。現在の貿易赤字については『円安の影響が大きい』と輸入額の増加を
指摘した上で、米国などの経済が回復傾向にあることなどを挙げ、外需拡大にも強気の姿勢を見
せた。

だが輸出回復の具体的な道筋は見通せないままだ。政府は、金融政策による円安効果が短期的に
は輸入コスト増となるものの、中長期では輸出拡大につながる『Jカーブ』効果を見込んだ。し
かし、為替変動のリスク回避を目的に、国内企業による生産拠点の海外移転が進み、円安効果を
相殺した。輸出は明確な改善の兆候がないまま、日銀による金融緩和から1年以上が経過してい
る。

加えて、最近は人手不足が企業の生産余力を低下させるという新たなボトルネックも浮上してい
る。設備投資の先送りとも相まって、供給制約に直面する企業は少なくない。欧州経済や米国経
済が回復基調にある一方で、外需の伸びに応えるだけの国内供給力には不安が残る。バブル期に
10%程度だった世界の輸出総額に占める日本のシェアは、現在4%程度にまで低下している。

<下方修正相次ぐ>

輸出の伸び悩みは、安倍晋三政権の経済政策『アべノミクス』のアキレス腱となる危険性がある。
政府や民間エコノミストらが口をそろえる『消費税率引き上げで4~6月の国内景気は一時的に
落ち込むが、夏以降には持ち直す』という日本経済のV字回復シナリオは、『輸出の回復が前提』
だからだ。

ここにきて、政府も見通しの甘さを認め始めた。内閣府は22日、26年度の実質国内総生産(
GDP)成長率見通しを1・2%と1月時点より0・2ポイント下方修正した。日銀も15日の
金融政策決定会合で、同様の見通しを従来の1・1%から1・0%に引き下げた。麻生太郎財務
相は、22日の閣議後会見で、『外需の低下が大きい』として、輸出低迷が今後の景気下振れリ
スクとなっている現状を指摘した。

日本経済は4月の消費税率引き上げの影響で、個人消費の不安定さがぬぐえないほか、公共事業
も人手不足の影響から≪カンフル剤≫としての効果が薄くなっている。さらに、輸出が低空飛行
を続ければ、景気のけん引役が不在となるのは必至だ。安倍首相が今年中にも表明する消費税率
10%への引き上げ判断にも、影を落とす恐れがある」。

財務省が24日発表した2014年上半期(1~6月)の貿易収支は半期ペースで過去最大の赤
字幅となった。輸出が2カ月連続で前年割れするなど「国の稼ぐ力」が減少しているからである。

問題は、政府の経済成長シナリオに狂いが生じたことである。「消費税率引き下げで4~6月の
国内景気は一時的に落ち込むが、夏以降は持ち直す」とのV字回復シナリオは、輸出の回復が前
提だからである。22日、内閣府は14年度の実質国内総生産(GDP)の成長率見通しを、1
月時点より0・2ポイント下方修正し、1・2%としたが、まだ甘すぎる。民間エコノミストの
平均予測は0・85%である。7~9月期のV字回復は期待できず、消費税率10%引き上げは
無理筋となる。

編集  持田哲也

実質賃金減少

コラム 経済

 

 

 

毎日に「消費回復、道半ば」「百貨店7月売上高2・5%減」「実質賃金低下が影響も」が書かれている。

日本百貨店協会が19日発表した7月の全国百貨店売上高は、前年同月比2・5%減(既存店ベース)の5448億円で、4カ月連続で前年実績を下回った。
6月の4・6%減から下落幅は縮小したものの、消費の本格回復には力強さを欠くとの指摘もある。多くの企業が夏のボーナスを増やしたが、物価上昇を加味した実質賃金は低下していることも影響しているようだ。

 

消費回復の足かせになっているのが、実質賃金の減少だ。多くの企業は賃上げを実施したり、ボーナスを引き上げたりした。ただ厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、実質賃金は4月から前年同月比で3%以上下落している。賃金上昇が物価上昇に追いつかないのが実態だ。

 

協会は8月上旬も台風などの影響で、5%程度の売上げの減少が会ったと見ている。ただ中旬以降は売り上げが持ち直しており『前年に迫れる』(井出専務理事)との見通しを示す。第1生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは『回復の程度は物足りない。8月にどこまで持ち直すのかが焦点』と指摘する。

 

7月の全国百貨店売上高が、前年同月比2・5%減で、6月の4・6%減より下落幅は縮小したが、4カ月連続で前年実績を下回った。消費の本格回復には道半ばである。

 

問題はその理由である。賃金上昇が物価上昇に追い付かず、実質賃金が減少しているからだ。厚労省の毎月勤労統計調査によれば、実質賃金が4月から前年同月比で3%以上下落している。実質賃金の減少は、8,9月も続くのだから、9月までの消費回復は難しいとなる。景気腰折れの危機である。4月からの消費税増税故である。安倍首相は、消費税再増税先送りの早期の決断が待ったなしとなった。

 

産経に「谷垣氏ハムレット」の記事が載っている。
「来月の内閣改造を前に、谷垣禎一法相は、側近議員らが求める安倍晋三首相との対決姿勢を退け、恭順の姿勢を示している。民主党の野田佳彦前首相、公明党の山口那津男代表との、消費増税を合意した『3党首同総会』への出席も拒否した。ただ、首相が消費税率10%への引き上げの決断を見送るのではないかと強い懸念を示すなど、立ち位置に苦悩している様子もうかがえる。

 

今月8日夜の「3党首同窓会」の仕掛け人は、財務省である。谷垣氏は反党行為になることを恐れて、欠席したが、18日の谷垣グループでの研修会では、首相が10%への引き上げへの決断を見送るではないかとの強い懸念を示した。立ち位置は、明らかに財務省寄りである。谷垣氏の続投も、横すべりも消えたのである。
日経に「森元首相らと首相が会談」との記事が載っている。
「安倍晋三首相は19日夜、山梨県鳴沢村で、森喜朗元首相、自民党の山本有二元金融担当相、萩生田光一総裁特別補佐らと会食した。9月3日に実施する内閣改造・自民党役員人事をにらみ、今後の政権運営について意見交換したとみられる。

 

会食は日本財団の笹川陽平会長の別荘で行われ、茂木敏充経済産業相、加藤勝信官房副長官らも同席した。首相は20日に山梨県内で森氏らとゴルフをともにする予定だ。

 

山本有二元金融担当相は、石破幹事長の側近でもあるから、石破氏の本音を安倍首相に伝えたと思われる。外相か防衛相かの兼任なら、安全保障法制担当相を受けるとの回答を、である。安倍首相の最終判断は?

 

日経に「再生ふるさと経済」に「消滅か存続か、いま正念場」「人を呼び仕事育てる」が書かれている。

 

「日本のふるさとで何が起きているのか。『将来的に全国市町村の約半分が消滅する』。元総務相の増田寛也氏らがまとめた報告書が引き金になり、地方経済の立て直しが改めて重要課題となってきた。来年春の統一地方選をにらみ、安倍晋三政権も『ローカル・アベノミクス』に力を入れる。地方再生のヒントは何か。実情を探った。

 

<リポートの衝撃>

 

『ついに村が見放されたか』。山梨県東部の小菅村。村役場ナンバー2の青柳万寿男総務課長は肩を落とした。今年春の新卒採用で村出身者から役場職員の応募がゼロになったためだ。

 

同村は東京都足立区ほどの面積だが人口はわずか738人。農林業は衰え、頼みの綱の電気部品メーカーも撤退した。仕事を探す若者が流出し、人口はピーク時から3分の1に減った。税収は年7200万円と9億円近い国からの交付税がなければ生活インフラの維持が難しい。同村派首都圏の大水脈の源流に位置し、水資源の保存が必要。地域が維持できなくなれば、影響は東京にも及ぶ。

 

揺らぐふるさと経済。増田氏らのリポートでは日本全体の49・8%に当たる896市町村が『将来的には消滅する恐れが高い』とした。青森市や秋田市といった県庁所在地も消滅リスクがある。最大の要因は都市への若者の流出だ。東京都の合計特殊出生率は1・13で全国平均(1・43)より低い。若者が出生率の低い東京に集まり、人口減に拍車をかける。増田氏は『改革の最後のタイミングだ』と訴える。

 

再生のヒントはある。松江市の北50キロ、日本海の壱岐諸島にある島根県海土町は、人口が2300人と1年間で2%ほど増えた。移住者を積極的に受け入れ、少子化に歯止めをかける。
ナマコ加工事業を手掛ける宮崎雅也さんは、大学卒業後に海土町に来た『1ターン』移住者だ。
ナマコを島内で完成品に仕上げて香港に輸出する。創業7年で従業員は7人に増えた。海土町は10年間、出産祝い金を作るなどして若い世帯を優遇し移住者にも事業資金を融資してきた。移住者は10年で294世帯437人。トヨタ自動車など大企業で経験を積んだ人材も多い。やりがいを求めて『仕事をつくりに来る人たち』(山内道雄町長)に町は援助を惜しまない。

 

<公共事業のツケ>

 

将来の島の担い手づくりも進む。唯一の高校には『地域創造コース』を創設。島への留学制度もつくり、2008年度に88人まで減った生徒数が今は156人に増え、廃校の危機を免れた。

 

なぜ海土町のような取り組みが広がらないのか。鳥取県知事も務めた片山善博慶大教授は『公共事業が地方の考える力を奪ってきた』と話す。地方は国からの公共事業獲得ばかりに目を向け、産業と人材の育成を怠った。稼ぐノウハウが残らず『国も地方も借金漬けになった』(片山氏)。

 

首相が地方重視の姿勢を打ち出すと、早くも『公共事業の拡大を求める族議員が動き出した』(経済官庁幹部)という。ローカル・アべノミクスは地方の活力を取り戻すのか、従来型のバラマキに終わるのか。成否は国の将来を左右する。

 

安倍政権にとって地方経済の立て直しが最重要課題となった。ローカル・アべノミクスである。増田リポートの衝撃によってである。「日本全体の49・8%にあたる896市町村が、将来的に人口流出によって消滅する恐れが高い」。

 

問題は、来年春の統一地方選が、『改革の最後のタイミング』になることだ。従来型のバラマキを排し、地方の活力を取り戻すローカル・アベノミクスを推進する「新しい自民党」を旗幟鮮明にして、圧勝すべきである。

 

編集 持田哲也

 

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